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田舎暮らしの本 3月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 3月号

2月3日(月)
890円(税込)

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“晴れの国”で暮らす—— 先輩移住者が語る、瀬戸内海に抱かれる「岡山県」の魅力とは?

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瀬戸内海と中国山地に抱かれ、穏やかな気候が特徴の岡山県。“晴れの国”とも称される同県は、暮らしやすさはもちろんのこと、移住・定住支援制度の充実により、移住先として近年注目を集めています。弊誌の2024年版「移住したい都道府県ランキング」では、瀬戸内で移住したい県No.1に輝きました。

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 そんな岡山県が、移住促進の一環として先輩移住者との交流を通じて岡山県での暮らしについて知ることのできる「おかやま晴れ暮らしのすすめ~先輩移住者との交流Day~」を、11月23日(土)に東京・恵比寿にて開催しました。

イベントは岡山県、伊原木知事の挨拶よりスタート

岡山県の伊原木知事

 当日は、岡山県の伊原木隆太県知事の挨拶からスタート。伊原木知事は「国内外のいろいろな場所を回って岡山県に戻ってきた人間からすると、世界的に見ても岡山県は居心地のいいところだと感じる」と話し、続けて「気候が穏やかだとよく言われるが、北は中国山地、南は四国山地に囲まれているため台風や雪雲の影響を受けにくく、豪雨などもテレビの中継で見るぐらい。また地震の発生頻度も非常に低く、災害震度6以上の地震がほとんど起きない。いろいろな災害が起きている日本列島の中でも災害が少ないというのは、非常にありがたい魅力」と、災害の少なさにも言及しました。

 このほか、アクセスの良さや物価の安さ、都市部から山間部まで様々な生活環境が選択できることも岡山県の魅力だと述べました。

東日本大震災をきっかけに移住したフォトグラファー・中川正子さんとトークセッション

東日本大震災をきっかけに東京から岡山県に移住したフォトグラファー・中川正子さん

 県知事の挨拶のあとは、“先輩移住者”によるトークセッションも。登壇したのは、東日本大震災をきっかけに2011年に東京から岡山へ移住したフォトグラファー・中川正子さんら5人。岡山でのリアルな生活についてざっくばらんに語り合いました。

Iターン移住で自家栽培農家を営む高谷絵里香さん

Iターン移住で岡山県で自家栽培農家を営む高谷絵里香さん

 2011年、夫婦で真庭市にIターン移住をした高谷絵里香さんは、農業を始めたいという想いで南から北上していく形で日本を見てきたそう。現在は岡山県に拠点を置き、「食べたいものをつくる」をコンセプトに自家栽培農家を営み、農作物や自らの生産物を原料とした加工品を全国に届けています。2014年「蒜山耕藝の食卓くど」をオープンするなど、精力的に活動されています。

 そんな高谷さんが語る岡山県の魅力の1つが「とにかく きれいでおいしい水」。水道代はなんと月1000円で、近所では湧き水も汲めるといいます。「高谷さんの肌がこんなにきれいなのは絶対に水のおかげ」と中川さんも岡山の水の魅力を実感していました。

 また、移住当時は自分たちのまわりに移住者が一人もおらず不安だったなか、近所の方々が「なんか若い夫婦が移住してきたぞ。協力してあげなきゃ」と温かく迎え入れてくれ、いろいろな場面で助けられたと岡山県の人の温かさについても語りました。

 日頃から高谷さんと交流のある中川さん曰く、「高山さん夫婦が作るお米や野菜が魅力的なのはもちろん、お二人がすごく魅力的なので、気づいたらまわりには飲食を営む移住者さんがどんどん増えている」とのこと。その理由の一つが、やはり水の美味しさ。移住者の中には東京・中目黒でミシュランのお店を営んでいた方や鰻屋、豆腐屋の方などもいると話していました。

東京・倉敷で二地域居住を実践中のあかしゆかさん

東京と岡山県の倉敷市で二地域居住を実践中のあかしゆかさん

 東京都倉敷で二地域居住を実践中のあかしゆかさんも登壇。2021年4月に倉敷市児島に本屋「aru」を開業。瀬戸内海の空気に合う優しい本を取り扱っています。

 あかしさんは二地域居住に対し、「近年、岡山に移住をする方や二地域居住をしている方が増えている印象。移住者コミュニティがどの街にも結構あるので、よく来たねとやさしく迎え入れてくれるし、なにより岡山はいい人が本当に多い」と、高谷さん同様に人の温かさについて語ります。

 あかしさんのわまりには、東京に限らず、沖縄や大阪など自分のライフスタイルに合った場所と岡山県との二地域居住を楽しんでいる人が多いとのこと。

 瀬戸内の海に惚れて移住を決める人も多いそうで、あかしさん自身も友人からおすすめされた瀬戸内海が一望できるアパートへ引っ越し。書店のお客さんや友人にも紹介しているとのことで、今では同じアパートに知人が10組ほど住んでいるといいます。「現在はアパート自体がシェアハウスのようになっていて、今日おかず作りすぎちゃったからいる?など、パーソナルスペースは保ちつつみんなで楽しく生活できている」と楽しげに話していました。

 移住当時はまわりに移住者がおらず孤独感を感じていたという中川さんも「岡山はよそ者に厳しいと聞いていたが、実際に住んでみると全くそんなことはなくやさしい人が多い。自分から街で声をかけて友達を作ったり、一から人間関係を構築したりするのも楽しい」とのこと。

 また仕事面では、岡山県で活動を始めてから地方での仕事がグッと増えたそう。「移住をしたら仕事が減るかもしれないという不安もあったが、住んでみたらその土地でつながるご縁がたくさんあり、関西や福岡、四国など西日本での仕事も増えて充実している」と、あかしさん、中川さんともに人とのつながりや仕事の広がり方についても語られました。

チョコレート店を営む平井さん、一棟貸しの宿などを運営する山本さんが語る移住のポイントとは

 埼玉県出身で2017年にIターン移住し、2020年にクラフトチョコレート店「埜藝菓(のぎか)」を開業した平井麻早美さんや、2012年に美作市へUターン移住して現在は岡山県北部を中心にデザインを軸とした一棟貸しの宿屋キャンプ場の運営を夫婦で手掛ける山本侑香さんも登壇。移住する際のポイントなども紹介してくれました。

岡山県和気町でクラフトチョコレート店を営む平井さん

 平井さんは移住後、想像していた以上に豊かな生活や深い人間関係が構築されていくことを実感。「都会では経験できなかったであろう価値観の変化や地域とのつながりを日々感じながら過ごせているのがうれしい」と語ります。

 その上で、移住を検討する際は、まずは地域の移住相談窓口に連絡を取って話を聞いてみることを勧めていました。「東京在住の方は、有楽町にある『ふるさと回帰支援センター』や新橋にある『とっとり・おかやま新橋館2階 移住・しごと相談コーナー』でも相談ができますよ」と話しました。

美作市へUターン移住して現在は岡山県北部を中心にデザインを軸とした一棟貸しの宿屋キャンプ場の運営を夫婦で手掛ける山本侑香さん

 一方、山本さんは「移住しよう!」「一生ここに住もう!」と覚悟を決めて移住するのではなく、「まずは岡山市内や津山市内など比較的利便性の高いところで短期滞在をしてみて、徐々にその土地のことを知ってから移住するのがいいと思います。合わなければ帰ればいいだけなので、あまり気負わずに移住を考えてみてほしいです」と話します。現地の人はネットには載っていない情報を持っているため、現地に行って話を聞いてみるのもおすすめだとか。

“晴れの国”岡山は気候だけでなく人も温か! 先輩移住者もたくさんだから安心

移住者の方が携わる岡山県の食材や雑貨などが並ぶマルシェ

 当日は移住者の方が携わる食材や雑貨などが並ぶマルシェも登場。移住者が岡山県の地に根付き、“やりたいこと”や“好き”を実現して、いきいきと活躍されていることがうかがえました。

 トークセッションに登壇した5人が共通して語る岡山の魅力は「人の温かさ」。地方への移住は、慣れない田舎暮らしに加え、長年その地で暮らす地元住民との人間関係がハードルになるということもよく聞きますが、穏やかな気候の“晴れの国”岡山県では、移住者も温かく迎え入れてくれる土壌ができあがっているように感じます。


 今回のイベントは、岡山県でのリアルな暮らしを先輩移住者から聞くことで、移住を検討する人が一歩踏み出すきっかけになったのではないでしょうか。瀬戸内海と中国山地に抱かれる自然豊かな岡山県には、先輩移住者も多くいる点も安心。移住先の候補地のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

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  • 東日本大震災をきっかけに東京から岡山県に移住したフォトグラファー・中川正子さん
  • 東日本大震災をきっかけに東京から岡山県に移住したフォトグラファーの中川正子さん
  • Iターン移住で岡山県で自家栽培農家を営む高谷絵里香さん
  • 東京と岡山県の倉敷市で二地域居住を実践中のあかしゆかさん
  • 岡山県和気町でクラフトチョコレート店を営む平井さん
  • 美作市へUターン移住して現在は岡山県北部を中心にデザインを軸とした一棟貸しの宿屋キャンプ場の運営を夫婦で手掛ける山本侑香さん
  • 移住者の方が携わる岡山県の食材や雑貨などが並ぶマルシェ

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田舎暮らしの本編集部

田舎暮らしの本編集部

日本で唯一の田舎暮らし月刊誌『田舎暮らしの本』。新鮮な情報と長年培ったノウハウ、田舎で暮らす楽しさ、心豊かなスローライフに必要な価値あるものを厳選し、多角的にお届けしています!

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