東北のなかでも屈指の寒冷地である山形県。海の幸や山の幸が豊富なことから、鍋料理が多くある。伝統的な郷土料理が多く食べ継がれていて、大人数でひとつの鍋を食べる文化も盛んな山形県は、まさに鍋大国。ここでは、山形県民のソウルフードともいえる「芋煮」や、家庭でもよく食べられるようになった「ひっぱりうどん」など、山形県の鍋料理をご紹介。
掲載:2025年1月号
※この記事は1月号をもとに加筆しています。
CONTENTS
山形のソウルフード、地域で味もさまざま。秋には一大イベント「芋煮会」も【山形県】
里芋の収穫期の秋から冬によく食べられている郷土料理の1つ。「芋煮会」といって河原に鍋や材料を持ち込み、家族や友人などと一緒につくるほか、各家庭でも食べられている。その発祥は1600年代半ばともいわれ、舟の船頭たちが船着場近くの里芋の名産地・小塩集落で手に入れた里芋と積み荷の棒ダラなどを鍋で煮て食べていたのがルーツとされる。牛肉を使う地域や豚肉のところ、味付けもしょう油もしくは味噌と、地域によって異なる。
なお、山形市では毎年秋に、直径6.5mもの大きな鍋と重機で約3万食分を調理するダイナミックな「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されている。
写真提供:日本一の芋煮会フェスティバル協議会
鍋からうどんをひっぱる雪国山形ならではの楽しみ ~ひっぱりうどん【山形県】~
山形県内陸地方に伝わる郷土料理。名称には諸説あるが、茹で上げたうどんを鍋のまま食卓に運び、ひっぱり上げて食べることから「ひっぱりうどん」といわれている。発祥は山形県村山市戸沢地区とされる。この地域ではかつて炭焼きを生業としていて冬に山ごもりすることが多く、炭焼きの最中は炭窯から離れられないことから乾麺や自家製の納豆、サバ缶などのあり合わせの材料で簡単に食事をとったのがひっぱりうどんの始まりとされている。現在も好みのつゆにサバ缶や生卵、納豆などと絡めて食べることが多い。
【材料】
うどん(乾麺)、納豆、玉子、ねぎ
しょうゆ・だし汁 各大さじ2(めんつゆでもOK)
サバ缶・かつお節・きざみのり・七味唐辛子(好みで)
【つくり方】
1 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、うどんを茹でる。
2 ねぎはみじん切りにし、大根はすりおろす。
3 器に、納豆、卵、ねぎ、大根、かつお節、のり、しょうゆ、だし汁、好みで七味唐辛子を入れてつけだれをつくる。
4 茹で上がったら、茹で汁は捨てずに鍋のまま食卓へ。鍋から熱々のうどんをすくいながら3につけて食べる。
↓ひっぱりうどんのレシピはこちら
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kenkofukushi/iryou/shokuiku/1003317/1007213/1003379.html
https://www.maff.go.jp/tohoku/syouan/blog/202201.html
https://www.city.higashine.yamagata.jp/shokuiku/mamma/790
↓ひっぱりうどんは、山形市のふるさと納税の返礼品で入手可能
https://item.rakuten.co.jp/f062014-yamagata/fy24-052/
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