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田舎暮らしの本 3月号

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田舎暮らしの本 3月号

2月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

空き家リフォームはDIYで! 自由に楽しみ、地域とつながるワークショップ【徳島県】

約3万6000戸の空き家があるとされる徳島県では、空き家利活用の促進に力を入れている。空き家リフォームの現場を訪ねて見学体験するワークショップは、プロの知恵と技に触れ、空き家の利用を身近に感じられると人気の企画だ。

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掲載:2025年2月号

空き家リフォームの現場でDIYのワークショップ

2022年度のワークショップは阿波市内の空き家が会場
2022年度のワークショップは阿波市内の空き家が会場。まずは建具の塗装から。


お話を伺ったのは…「 とくしま回帰」住宅対策総合支援センター(徳島県住宅供給公社) 山本悠郁さん(左)、徳島県住宅課 佐藤巧さん。「空き家探しから改修のポイントも教えます!」

 

 徳島県内の空き家利活用を目指し、空き家相談総合窓口を担う「とくしま回帰」住宅対策総合支援センター。ここでは、空き家セルフリフォームのワークショップを5年間続けてきた。

 「実際の空き家を見てもらいDIYを体験して、空き家活用へのイメージを持っていただければと考えました」

 とは、同センター職員の山本悠郁さん。2019年の初年度から3年間は公社所有の住宅の空き室リノベーションをワークショップにしたが、22年からは戸建ての空き家を会場に選んでいる。徳島県住宅課の佐藤巧さんは言う。

 「移住先や二地域居住の拠点に空き家を求めてDIYでリフォームしたいという方の要望も多かったので。実際にリフォームする空き家を募集し、実例紹介を兼ねたDIYのワークショップにしたんです」

 県外からの移住促進にもつなげようと、大阪や京都からワークショップに参加する日帰りツアーも用意。DIYはクロス張り、棚や家具の造作、外壁の取り付け、建具の塗装など、毎回さまざまな作業を体験できる。壁面の左官仕上げなど人気の内容には、定員を超える参加申し込みがあるという。

1933年築の平屋のリフォームは塗装やクロス張り替えなど壁や建具のリフレッシュが中心
2022年度のワークショップの様子。1933年築の平屋のリフォームは塗装やクロス張り替えなど壁や建具のリフレッシュが中心。

珪藻土を壁に塗る左官作業は一番人気のワークショップ。
2022年度のワークショップの様子。珪藻土を壁に塗る左官作業は一番人気の作業だ。

 

 ワークショップでは空き家リフォーム現場の工程の一部を参加者が担う。道具の使い方、作業の手順やコツなどを指南するのはリフォームに携わる大工や左官などプロの職人たち。

 「参加したDIY未経験の方からは、『家のDIYに挑戦したい』『漠然と考えていた空き家のDIYにあらためて興味を持った』などの感想を聞きました。DIY経験のある方からは、『これまで我流でやっていたけれど、教えてもらって要領がわかった』『プロの高い技術を実感した』と、喜んでいただいています」

 現場を担当する設計士とも話ができ、建物にどこまで手を加えるか、DIYとプロに依頼する作業をどう切り分けるかなど、空き家リフォームの気になる疑問にも答えてもらえる。空き家の家主からは、空き家活用の構想やリフォームへの期待などのほか、地域の住み心地など移住につながる話も聞ける。

 「もともと自由度の高い空き家のリフォームですが、DIYで材料やデザインなどの自由度はさらに上がります。そして何より、自分の手が入ることで、建物により愛着が湧きます。ですから空き家には、ぜひ一部でもDIYを加えて楽しんでみてください」と山本さん。

 県内の空き家は不動産業者のほか、各自治体の空き家バンク情報はセンターのWEBサイトからも検索できるので参考にしてほしいという。

 「ワークショップでは職人さんをはじめ地域の方がたとの触れ合いを感じてもらえたと思います。DIYと空き家をきっかけに、徳島県に興味を持っていただければうれしいですね」

2023年度は鳴門市内にある1946年築の空き家を、交流や民泊の施設に向けてリフォーム。
2023年度は鳴門市内にある1946年築の空き家を、交流や民泊の施設に向けてリフォーム。

キッチンテーブルをモルタル塗りで仕上げている参加者たち
2023年度のワークショップの様子。キッチンテーブルをモルタル塗りで仕上げている参加者たち。

 

ワークショップの空き家 Before & After

【2022年度/Before】

【2022年度/After】1933年築の平屋がスタイリッシュに変身!

 

【2023年度/Before】

【2023年度/After】1946年築の空き家が地域の交流拠点に!

 

空き家探しから改修時の注意点

■空き家の物件見学でチェックするべきポイントは?
柱や梁など建物を支える構造体の確認が大切です。構造体の補修はDIYが難しく、工事も大きくなります。天井や壁に雨漏りの跡がないかもチェックしてください。耐震性では1981年5月31日以前に着工したものについては古い基準で建っていることが多いので、耐震性などの確認を行いましょう。

■空き家のDIYで気をつけたいことは?
計画の段階では、DIYとプロに依頼する範囲を設計士や大工さんと相談して決めましょう。実際のDIYでは道具の扱いに注意し、ゴーグルや手袋など必要な防護を行ってください。

■賃貸の空き家はDIYできる?
賃貸の空き家には賃料を抑える代わりにリフォームなしの現状貸し、建物の補修は借主に任せるケースも少なくありません。この場合は、どこまで手を加えてよいか、改装後の入居の継続などを取り決めておくと安心です。

「とくしま回帰」住宅対策総合支援センターでは、空き家の取引を支援する「空き家コーディネーター」を各市町村の依頼に応じて派遣しています。相談や支援が必要な場合、まずは空き家のある市町村にお問い合わせください。また、センターでも空き家の無料相談窓口を設置しています!
(「とくしま回帰」住宅対策総合支援センター(徳島県住宅供給公社) 山本悠郁さん)

問い合わせ/「 とくしま回帰」住宅対策総合支援センター(徳島県住宅供給公社)
☎︎088-666-3124(空き家相談窓口)
https://www.tokushima-akiya.jp

 

文/新田穂高 写真提供/徳島県、「とくしま回帰」住宅対策総合支援センター

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  • 2022年度のワークショップは阿波市内の空き家が会場
  • 1933年築の平屋のリフォームは塗装やクロス張り替えなど壁や建具のリフレッシュが中心
  • 珪藻土を壁に塗る左官作業は一番人気のワークショップ
  • 2023年度は鳴門市内にある1946年築の空き家を、交流や民泊の施設に向けてリフォーム
  • キッチンテーブルをモルタル塗りで仕上げている参加者たち
  • 2022年度のワークショップでDIYした空き家(Before)
  • 2022年度のワークショップでDIYした空き家(Before)
  • 2022年度のワークショップでDIYした空き家(After)
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