薪ストーブ生活を存分に楽しむために、できるだけ費用を抑えて、潤沢な薪を確保したい。では薪は、どうやって調達すればいい? 薪屋、森林組合、農家など、その入手経路はさまざまだ。
【薪を入手する6つの経路】
●森林組合で購入
森林組合には、薪から原木まで、さまざまな状態の木を販売しているところも。年に1度必要な量の原木を買って運搬してもらい、自分で割って乾燥させるのがお得。どの程度の量が必要となるかは、ご近所の薪仲間にヒアリングを。
●薪屋さんなどで購入
薪ストーブの利用者が多いエリアでは、薪の販売を行っている店も見つけやすい。軽トラなど車で買いに行くケースが多いが、自宅まで届けてくれたり、使った分だけの薪を薪棚に積んでくれるサービスを行っているところも。
●農家さんからもらう
果樹栽培が盛んな地域では、剪定した木をもらえることも。カミキリムシなどの幼虫がいることが多いので、虫が苦手な人には向かないかも。時期になると道路脇に木が積んであるのを見かけるが、もらえるか必ず聞いて。
●河川やダムで配布も
河川事務所やダムなどでは、伐採した樹木や流木を希望者に無料で配布しているところもある。ニセアカシアやヤナギが多い。伐採や配布の情報は、河川事務所や地方整備局などのサイトで確認を。予約が必要な場合もある。
●建築の端材
製材所や建築会社から建築端材を譲ってもらえるかも。針葉樹が多いが、焚き付けに重宝する。筆者は薪ストーブ設置を依頼した地元の会社に聞いてみたところ、端材がもらえたうえ、近所の伐採で出た大量の細い木も分けてもらえた。
●その他
個人所有の山の間伐を手伝ったり、森林整備ボランティアに参加したら伐倒した木をもらったという話も聞く。「ジモティー」などの地元のコミュニティサイトで、剪定した木や古いパレットなどがもらえることもある。
最初の年は、乾燥済みの薪の購入がオススメ
木または薪を購入するなら、地元の森林組合や薪ストーブ店、薪販売店などに問い合わせを。乾燥済みの薪や未乾燥の薪、玉切り(枝を払って用途に応じた長さに切断した丸太)、原木(玉切り前の長材)など、予算によって選べる場合がある。私の周辺では、原木をトン単位で購入して庭まで運搬してもらったり、玉切りや薪を軽トラックの荷台1台分いくら、というふうに購入している人が多い。玉切りや原木は薪より安いが、自分で割って乾燥させる必要がある。
無料で調達したい場合は、果樹農家さんや山を持っている人からもらうほか、地域によっては河川事務所やダムの無償配布で入手する方法もある。いずれにしても、自分で現地に出向いて車に積み込む必要があり、場合によってはチェンソー持参で玉切りにしなければならないことも。薪を無料で調達しようとすると、当然だがその分手間と時間がかかるので、近所に薪仲間をつくって情報を提供し合ったり、玉切りや運搬などの作業を共同で行うのもオススメだ。
できれば薪を無料で手に入れたいと思っている人でも、最初の年は購入するケースが多い。薪は充分乾燥させないと利用できないので、その年に伐倒した木は翌シーズン以降でないと燃やせないからだ。水分が多い薪を燃やすと、不完全燃焼を起こし、大量のススやタールが発生して煙突が詰まる恐れも。樹種や伐倒した時期にもよるが、基本的に1〜2年乾燥させ、含水率20%以下にしてから利用するのが理想。含水率を測るための木材水分計があると便利だ。
文/はっさく堂 写真/村松弘敏 イラスト/大沢純子
この記事のタグ
田舎暮らしの記事をシェアする