掲載:2022年5月号
2022年3月中旬の情報です。
総務省の昨年の人口移動報告で転入超過に転じた群馬県。その南西部に位置する藤岡市は、郊外型店舗や山々に囲まれた美しい渓谷もある“ちょうどいい田舎”。交通網が充実しており、東京や新宿にも乗り換えなしでアクセス可能だ。
空き家の流通量が充実した穴場のまち
埼玉との県境にある藤岡市は、関越自動車道と上信越自動車道が交差する高速交通の要衝。さらに高崎線や湘南新宿ラインも利用でき、車でも電車でも東京都内から約1時間という「群馬の玄関口」だ。
空き家バンク物件を管理する新井不動産の新井晴夫社長は、まちの魅力をこう話す。
「東京はもちろん、長野や新潟方面にもアクセスしやすい。スキーに行くにも温泉に行くにも、藤岡はとても便利な場所なんです」
移住希望者からの問い合わせはコロナ禍前とあまり変わらないというが、じつは売家の流通量が多く、高崎市などと比べると「土地も売家も、かなり安い」と新井さん。
「高崎市や伊勢崎市、太田市も都内への通勤者が多いですが、藤岡市は空き家がたくさんあるので〝穴場〞かもしれません。これからさらに注目度が増すと思いますよ」
より自然に囲まれた暮らしを楽しみたいなら、南部の鬼石(おにし)地区がオススメ。アーティストの創作活動を地域ぐるみで支援するなど、活気ある移住者が増加中だ。
市街地から車を走らせること30分、その鬼石で4月から本格始動する古民家宿「ほしのいえ」を訪ねると、オーナーの星野さんが迎えてくれた。
「もともと鬼石に移住した友人がいて、アーティストの作品展などにも通っていました。藤岡市内にある『米達磨農園』さんの糀や大豆を使用していたこともあって、鬼石に移住し、糀の仕事をする拠点にしようと決めました。日本の古きよき田舎のような雰囲気が好きなんです」
コロナ禍の前は、鬼石と東京を行ったり来たりして、発酵食品をつくるワークショップも開催していた星野さん。そんな活動を通して、人のつながりが広がっていったという。
「ここへの宿泊をきっかけに移住したり、イベントを手伝う人が現れたり、地域貢献につながればうれしいですね」
この地から、さらに新しいつながりが生まれそうだ。
【藤岡市の物件相場】
北部は都市計画法による線引きが行われており、市街化区域の宅地相場は坪10万~12万円前後。市街化調整区域で建築できる土地は造成費込み坪8万円くらい。中古物件は築浅で最高1500万円くらいだが、人気があるのは1000万円以下。市郊外の日野地区や南部の鬼石区域は古民家なども出てくるところで、500万円以下の格安物件も少なくない。
藤岡の魅力はこれ!
【藤岡市】移住支援情報
地域材を使って建築すると最大45万円の補助制度あり
空き家バンク制度を運営し、リフォーム補助金の制度もある。また、地域材を一定割合以上使用して住宅を建設すると、地域材使用量に応じて最大25万円を支給。市外から転入した方は10万円、旧・鬼石町区域に転入した方には10万円をそれぞれ加算。そのほかオーダーメード型の移住体験ツアーも実施している。
問い合わせ/藤岡市企画課 ☎︎0274-40-2424
https://www.city.fujioka.gunma.jp/iju_teiju/index.html
文/山本一典 写真/阪口 克 写真提供/藤岡市
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