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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

通勤はもちろん、レジャーや温泉も楽しめる「群馬の玄関口」【群馬県藤岡市】

掲載:2022年5月号

2022年3月中旬の情報です。

総務省の昨年の人口移動報告で転入超過に転じた群馬県。その南西部に位置する藤岡市は、郊外型店舗や山々に囲まれた美しい渓谷もある“ちょうどいい田舎”。交通網が充実しており、東京や新宿にも乗り換えなしでアクセス可能だ。

群馬県藤岡市(ふじおかし) ◎新町駅から東京駅まで106分◎
2006年に藤岡市と旧・鬼石町が合併してできた中規模の地方都市。人口は約6万3000人。県の南西部に位置し、大都市の高崎市や埼玉県の1市2町に隣接。北部は都市化が進んでいるが、南部は里山と清流に包まれている。上信越自動車道の藤岡ICもあり、練馬ICからは約55分。

隣の高崎市内になるが、JR高崎線の新町駅には湘南新宿ラインも乗り入れる。東京や上野、新宿へも乗り換えなしで通勤が可能だ。

藤岡市内にあるJR八高線の群馬藤岡駅。八王子駅までは約2時間で行けるが、東京駅へは高崎駅での乗り換えが必要。通勤には新町駅を利用する人が多い。

 

空き家の流通量が充実した穴場のまち

 埼玉との県境にある藤岡市は、関越自動車道と上信越自動車道が交差する高速交通の要衝。さらに高崎線や湘南新宿ラインも利用でき、車でも電車でも東京都内から約1時間という「群馬の玄関口」だ。

 空き家バンク物件を管理する新井不動産の新井晴夫社長は、まちの魅力をこう話す。

 「東京はもちろん、長野や新潟方面にもアクセスしやすい。スキーに行くにも温泉に行くにも、藤岡はとても便利な場所なんです」

 移住希望者からの問い合わせはコロナ禍前とあまり変わらないというが、じつは売家の流通量が多く、高崎市などと比べると「土地も売家も、かなり安い」と新井さん。

「高崎市や伊勢崎市、太田市も都内への通勤者が多いですが、藤岡市は空き家がたくさんあるので〝穴場〞かもしれません。これからさらに注目度が増すと思いますよ」

「大きな元養蚕農家です」と、空き家バンク物件を案内してくれた新井社長(右)と所有者の小林さん。こちらの物件はすでに売約済みだが、ほかにも中古物件を扱っているので、詳細は問い合わせを。
問い合わせ/新井不動産 ☎︎0274-23-7140

 

 より自然に囲まれた暮らしを楽しみたいなら、南部の鬼石(おにし)地区がオススメ。アーティストの創作活動を地域ぐるみで支援するなど、活気ある移住者が増加中だ。

 市街地から車を走らせること30分、その鬼石で4月から本格始動する古民家宿「ほしのいえ」を訪ねると、オーナーの星野さんが迎えてくれた。

 「もともと鬼石に移住した友人がいて、アーティストの作品展などにも通っていました。藤岡市内にある『米達磨農園』さんの糀や大豆を使用していたこともあって、鬼石に移住し、糀の仕事をする拠点にしようと決めました。日本の古きよき田舎のような雰囲気が好きなんです」

 コロナ禍の前は、鬼石と東京を行ったり来たりして、発酵食品をつくるワークショップも開催していた星野さん。そんな活動を通して、人のつながりが広がっていったという。

 「ここへの宿泊をきっかけに移住したり、イベントを手伝う人が現れたり、地域貢献につながればうれしいですね」

 この地から、さらに新しいつながりが生まれそうだ。

星野 潤さん●40歳
前橋市出身。国内外の長旅、東京で飲食店やシェアハウスのスタッフ、京都で古民家ゲストハウス経営などの経験を積み重ねたのち、発酵食品づくりをスタート。2019年に鬼石地区の地域おこし協力隊となり、今年2月に退任。4月から古民家再生宿「ほしのいえ」を始動。 ☎︎090-6178-8550 https://hoshinoie-kouji.jp/ 
「2階からの里山風景が気に入って、この家に決めました」と星野さん。

宿では風呂焚きに使う薪を準備中。料金は1棟貸しで1日1万5000円。

「ほしのいえ」は星野さんが運営する味噌づくりや糀を発酵させる加工場も兼ねている。その作業を体験することも可能だ。

古民家を再生しただけあって、天井に太い部材が露出。「1日1グループなので自分の家のように自由に使ってもらえたら」と星野さん。

 

【藤岡市の物件相場】

 北部は都市計画法による線引きが行われており、市街化区域の宅地相場は坪10万~12万円前後。市街化調整区域で建築できる土地は造成費込み坪8万円くらい。中古物件は築浅で最高1500万円くらいだが、人気があるのは1000万円以下。市郊外の日野地区や南部の鬼石区域は古民家なども出てくるところで、500万円以下の格安物件も少なくない。

 

藤岡の魅力はこれ!

藤岡ICそばにある「道の駅ららん藤岡」には、新鮮な野菜が並ぶ。上州麦豚が安く買える「肉の駅」も人気がある。

市の郊外にある鮎川湖は、ヘラブナ・ワカサギの管理釣り場。関東圏の人なら日帰りで釣りが楽しめる。

 

【藤岡市】移住支援情報
地域材を使って建築すると最大45万円の補助制度あり

 空き家バンク制度を運営し、リフォーム補助金の制度もある。また、地域材を一定割合以上使用して住宅を建設すると、地域材使用量に応じて最大25万円を支給。市外から転入した方は10万円、旧・鬼石町区域に転入した方には10万円をそれぞれ加算。そのほかオーダーメード型の移住体験ツアーも実施している。

問い合わせ/藤岡市企画課 ☎︎0274-40-2424
https://www.city.fujioka.gunma.jp/iju_teiju/index.html

上空から見た藤岡市街地の風景。美しい山と川に囲まれて住宅街が形成されている。

渓谷に巨岩、奇岩が並ぶ三波石峡(さんばせききょう)は、国の天然記念物。「ほしのいえ」からは車で5分ほどだ。

 

文/山本一典 写真/阪口 克 写真提供/藤岡市

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