掲載:2022年9月号
2022年7月上旬の情報です。
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平成の大合併を行わず、離島を除けば島根県一小さなまちの川本町(かわもとまち)。主要な都市機能がコンパクトに集まる中心部へは町内どこからでもアクセスしやすく、適度な利便性と美しい自然環境を併せ持つ。そんな魅力を享受できる、山間の農地付き古民家を紹介しよう。
中国地方最大の河川「江の川(ごうのかわ)」の水運により、古くは石見銀山の玄関口として栄えた川本町。日本海側気候の地域として南西端に 位置し、積雪量は比較的少ない。出雲空港や広島市街から高速道路を利用して車で約1時間30分。
まちの中心から約5kmの田園エリア!4DKの古民家
緑あふれる山に抱かれ、前面が開けた立地。「車は敷地内に2~3台は置けます」と、「かわもと暮らし」の宇山民代(うやまたみよ)さん。
市街地に近い山間の地で、昔ながらの暮らしを営む
3つの地区に大別される川本町のうち、生活インフラが整っている川本地区。その中心市街地から5km圏内に位置するのが、江の川支流の矢谷川(やたにがわ)沿いにたたずむ240万円の古民家だ。町役場、大型の複合文化施設「悠邑(ゆうゆう)ふるさと会館」、スーパー、金融機関のほか、主要な施設へ車で7〜8分と近く、敷地の目の前には町営バスの停留所もある。一方で周囲は山間に田園風景が広がり、野鳥や虫の声が心地よく響く。この物件の魅力について、移住・定住相談窓口「かわもと暮らし」の宇山民代さんは次のように説明する。
「広い土間スペースや田の字形の間取りといった昔ながらの趣を残し、古民家好きにはオススメです。キッチンは20年ほど前に改修され、状態が比較的良好なこともポイントでしょう」
生活用水としては山水が引かれ、上水道も接続工事をすれば使える。今では貴重な薪焚きの五右衛門風呂については、好みが分かれるところだ。
「母屋の外にあるのが欠点ですし、快適性を求めるなら現代的な浴室への改修が必要です。移設先として、DKに併設された物置のスペースを活用するといいかもしれません」
少なくとも汲取トイレは、合併処理浄化槽を設置して水洗化が望ましい。そのほか襖や障子のはがれが目立つが、そちらはDIYでも対応可能。顕著な床の傷みや雨漏りは見受けられず、古民家らしさを残すなら改修費はそれほど大きくはならない。
もう1つのポイントが、農地法の規制で容易に売買はできないものの田畑が付いているということ。面積は860坪と、自給自足的な暮らしをするには充分な広さだ。母屋の隣にある2階建ての納屋は農機具倉庫として重宝するほか、過去には1階部分の牛小屋跡を子どもの遊び場としてアレンジできないか検討していた移住希望者もいるそう。これら興味深い多くの要素が屋内外に揃い、うまく生かすことで多様なライフスタイルがかなえられそうだ。
【物件データ】
島根県川本町
240万円
土地:145坪・479㎡
延床:42坪・139㎡
菜園:860坪
取得費補助:最大100万円
改修費補助:最大250万円
●4DK●宅地、田、畑●平坦地●都市計画区域外●築64年●汲取●浜田自動車道瑞穂ICより約30km●川本町川本長原の木造瓦葺き平屋。南側に幅約4mの舗装公道。月3万円で賃貸も可。農地売買には農地法の規制あり。湯谷温泉弥山荘へ車で約15分。川本小学校へ約4.2km、川本中学校へ約6.5km、島根中央高校へ約5.1km。急傾斜警戒区域。
●問い合わせ先:かわもと暮らし ☎0855-74-2110
イチオシ!
敷地は道路よりも少し高く、前庭に面した和室2室からは田園や山並みを一望。室内の荷物は撤去予定。
古民家らしい風情を漂わせる玄関の土間スペース。左の扉は納屋側の通路に通じている。
玄関側の扉を開放することで広がりが感じられる8畳の和室。全体的に大きな傷みはない。
DKは平成時代にキッチン台を入れ替えた。ビルトインタイプの食器棚と広めの物入れを併設。
和室の1室は下地状態で襖紙のはがれなども。ラフに使える作業場にするのもいい。
前庭や風景を見渡せる南向きの縁側は、のんびりとくつろげる憩いのスペース。
屋根付き通路を隔てて2階建ての納屋が立つ。36坪の広さを生かして多目的に使える。
敷地裏の高台に土蔵があるが、ツタが絡まり山の緑と同化。建物の状態は要確認。
目の前に広がる田園の一角の農地が付属。田を中心に畑と合わせて860坪ある。
熱源に薪と灯油を使う五右衛門風呂。母屋の外にあるのが難点だが懐かしく味わい深い。
補修が必要
トイレは小便器とのセパレート型。和式の汲取はさすがにつらいので水洗化が望ましい。
周辺環境
地元農家の野菜やエゴマ関連商品などの加工品が揃う「道の駅 インフォ メーションセンターかわもと」。物件から車で約10分。
総合病院の加藤病院へ車で約7分。外来・入院医療とともに在宅療養支援に力を注ぐ。2024年に現在地近くの高台へ移転予定。
文・写真/笹木博幸
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