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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

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【食の宝庫・佐渡島】8万円で譲ってもらった古民家を改装し、絶品食材が楽しめるレストランに!【新潟県佐渡市】

掲載:2022年11月号

海の近くで暮らしたいと考えていた舘恭志(たちやすし)さん・池倫子(いけともこ)さん夫妻。2年かけて居住地を探し、巡り合ったのが佐渡島の限界集落の古民家だった。時間をかけて地域の人たちと知り合いになり、佐渡の食材を取り入れたレストラン「メレパレカイコ」をオープン。良質な時間とヘルシーな食事が人気を集めている。

新潟県三条市出身の舘さんと新潟市出身の倫子さん。登記費用の8万円のみで譲ってもらった築約90年の古民家をフルリノベーション。カフェレストラン「メレパレカイコ」https://home.tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000199877

島は1周約280km。北部には大佐渡山地、南部には小佐渡山地が延び、 中央には穀倉地帯の国中平野が広がる。特産品は佐渡産コシヒカリや 南蛮エビ。東京から関越自動車道経由で新潟港へ約4時間20分、新潟港 から高速船で最短約1時間。

オーシャンビューの物件と集落の人にほれ込んで移住

 新潟県沖に浮かぶ日本海側最大の離島・佐渡島。海岸線に点在する34もの良港からは魚、貝、海藻など豊富な海の幸が水揚げされ、佐渡沖を流れる対馬海流が陸域の農業に適した気候をもたらす。まさに天然の食の宝庫といえる島である。

 今年4月に島の限界集落である虫崎(むしざき)地区に移住し、6月に「メレパレカイコ」を開業した舘恭さん(59歳)と池倫さん(47歳)も、最初からこの地域の食の豊かさに感激していた。

「まずはこのオーシャンビューに心を鷲摑(わしづか)みにされて、地域の人が振る舞ってくれた行者ニンニクやカワハギの生肝、ホッケの刺身などに胃袋も鷲摑みにされました(笑)」(恭志さん)

 それまで新潟市在住だった恭志さんと倫子さんは、「海のそばで暮らしたい」と移住先を探し始めた。適度に広く、海がきれいで、総合病院などのインフラが整った佐渡市に魅せられ、2年かけて現在の物件と出合った。

「人口21人で移住者がとてもほしいのに、虫崎の人は『もっと地域を知って、じっくり考えてから決めて』と言ってくれました。その一言で、虫崎がさらに好きになっちゃって。その後1年かけて通い、たくさんの人と接して、『もうここしかない』と決めました」(恭志さん)

 倫子さんはフリーのウエディングプランナー。移住後も、島ならではのウエディングをプロデュースしたいと考えていた。

「でも、ウエディングは常にあるわけじゃないから、ほかのこともしようと思っていました。それで、野草や薬膳が好きだったので、飲食店を」(倫子さん)

 地元の食材をよく知る人を料理人として迎え、2人はオペレーションとホールを担当。漁師兼米農家の川上良人(かわかみよしと)さんが持ってくる魚介類や棚田米、近くで民宿を営む兵子(ひょうごやえこ)さんがつくる無農薬野菜、春になると集落の皆で採りに行く山菜など、佐渡の食材を盛り込んだ薬膳プレートが評判となり、遠くから訪れる人も増えてきた。

「現在考えているのは、地域一帯をホテルと見立てる『アルベルゴ・ディフーゾ(分散型ホテル)』という取り組みを虫崎で実現したいということ。みんなでお客さんを受け入れて、地域が水平的に発展する仕組みをつくりたいんです」(恭志さん)

 店のオープニングイベントも、集落の一大イベントという規模で行われたという。

「そういう虫崎だからこそ、地元資源を活用して、みんなで発展していけたらいいなと思っています」(倫子さん)

川上さんが獲ったサザエと、近所の民宿「長助」の兵庫さんが育てた無農薬野菜。

佐渡の沿岸は岩礁域が多く、サザエの生息に適している。中央は漁師の川上さん。

島薬膳ランチセット(1200円)。この日のメインは佐渡産サザエのガーリックソテー。

この日はお休みだったが、調理は川上さんの奥さんが担当している。

レストランから望む海と空。2人はこの景色に心を奪われたという。

築約90年の古民家を地元の工務店が一度リノベーション。この状態で物件を譲り受けた。

物件の売主でもある工務店の息子さんが中心となって改装。壁や床などはたくさんの人に助けられながらDIYした。

倫子さんは島ウエディングもプロデュース。左にあるのは着たまま海に入れるマリンドレス。

レストランの2階が自宅となっていて、ネコ3匹と暮らす。

「メレパレカイコ」のオープニングイベント。ハワイ語で「メレ」は音楽、「パレカイコ」は楽園の意。

民話「鬼の田植え」になぞらえて、鬼に扮(ふん)して田植えをする集落のイベント。

虫崎には地域を挙げてのイベントや行事が多いので、友達をつくりやすい環境。

川上さんに誘われて釣りへ。キジハタを釣り上げて大満足の笑顔!

 

舘さんオススメ!ご当地グルメスポット

佐渡の味覚が揃う直売所

 地元の農家が育てた米や野菜、キノコ、果物、花卉などが豊富に揃う「新鮮空間よらんか舎(や)」。時期によっては、八幡いもなど佐渡島特産の農作物が店頭に並ぶこともある。また、お土産にぴったりな瓶詰めやお茶、お菓子なども購入できる。併設するAコープで佐渡牛や近海の魚介類も買えるので、バーベキューの買い出しにもぴったり。

「農業に適した気候なので、農作物が豊富です!」と、店長の大貫碧さん。

 

文/はっさく堂 写真/伊平裕哉

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