のどかな離島の雰囲気に浸りつつ、適度な生活利便性も享受できるのが、中島の大浦港からほど近い、味わいのある古民家。離れを含めると9DKKという大型物件で、値段は50万円と破格。屋根裏スペースや複数の倉庫を備え、アイデア次第で幅広く活用できそう。
大浦港から徒歩圏内の離れ付き古民家は6DK+3K
島の中心地区にたたずむ
伝統的な日本家屋
中島の全人口の約3分の1が集中する大浦地区。主要な生活関連施設へ徒歩5分前後の場所に、築約100年という平屋が立つ。県道から少し路地を入った敷地は静かな空気に包まれ、裏に広がるミカン畑がこの島らしいのどかな風情を添える。
「一番のオススメは重厚感あふれる古民家のつくり。太い大黒柱や軒桁をはじめ、各所に立派な部材が使われています」
そう話すのは、忽那諸島の空き家バンク物件を管理し、中島の地域活性化活動も行うNPO法人農音(のうおん)代表の田中佑樹(たなかゆうき)さん。
母屋は田の字形に並ぶ和室4部屋に加えて、洋室も2部屋ある6DK。廊下を設けず各部屋が直接つながる間取りは、建具や間仕切り壁を撤去して空間の再構築がしやすい。建物の状態を田中さんはこう説明する。
「母屋のダイニングキッチン、浴室、トイレなどは、過去に改修され、そのままでも使える状況です。全体に経年による傾きがありますが、無理に直すと別の場所に支障をきたす可能性があるので、ある程度の傾きを残しての改修が最善策でしょう」
母屋の東側には、大小4つの倉庫とともに、3Kの居住スペースを備えた2階建ての離れが付属。自宅プラスアルファの空間として重宝しそう。一方、敷地内の牛舎は倒壊寸前なので、取り壊すのが賢明だろう。
【物件データ】
愛媛県松山市
50万円
土地:不明
延床:不明
菜園:あり
改修費補助:最大400万円
家財処分費補助:最大20万円
●6DK+3K●宅地●平坦地●都市計画区域外●約100年●水洗●大浦港フェリー・高速船乗り場より徒歩約8分●中島の大浦に立つ木造家屋。西側に幅約2mの舗装公道。駐車スペースは屋外2台分程度と車庫1台分。こども園へ徒歩約5分、小学校や中学校へは車で約10分。中島総合文化センターへ徒歩約3分、松山市役所中島支所へ徒歩約5分。
●問い合わせ先:NPO法人農音 ☎089-997-0255
周辺環境
NPO法人農音の田中さんに聞く
ココがGOOD
現代では貴重で豪華な部材を使った古民家です。部屋数は多いものの平屋なので管理しやすく、DIYで手を入れながら住むのもオススメ。隙間風なども風情として楽しめる、精神的にゆとりのある方に使っていただきたいと思います。
松山市の魅力紹介
美しい島々と多彩な食文化
瀬戸内海の温暖な気候に恵まれた松山市。沖合に有人9島と多数の無人島からなる忽那諸島があり、「紅まどんな」「せとか」「カラマンダリン」など、全国的にも有数の柑橘産地として知られ、美しいビーチや釣りのスポットが豊富。「鯛めし」「鍋焼きうどん」など市内の食文化も多様だ。
松山市(中島)での物件探しのアドバイス
島の相場は0~100万円前後で高くても200万円程度。平屋も2階建ても価格は変わらないが平屋は物件自体が少なめ。いずれもそれなりの改修費は必要だ。
松山市移住支援情報
希望に応じたツアーを実施
松山市への移住を考えている人を対象として、希望の日時や訪問先に応じてオリジナルの行程を組む「まつやまオーダーメイド型移住体感ツアー」を実施。当日は移住コンシェルジュの案内で市内の様子を見て回れる。ツアー参加者には交通費、宿泊費など最大1人5万円の補助金を用意(条件あり)。また、市内2つの島に定住促進住宅を整備している。
問い合わせ先:まちづくり推進課 ☎089-948-6816 https://matsuyama-kurashi.com/
文・写真/笹木博幸 写真提供/松山市、山根雅之さん
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田舎暮らしの本編集部
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