【久米島の就職事情】
車エビ&海ぶどうの生産量は久米島が日本一!
就職先のバリエーションも豊富!
久米島ホタル館にて見学中の筆者。久米島生活での職場候補としてお邪魔させていただいたときの一枚。
久米島への移住を真剣に考えているのであれば、移住前に島での働き方、仕事についてよく考えておくことが大切。業種や勤務先によっては、移住前の仕事を継続できる場合もありますが、完全リモートワークが認められていない職場も多いでしょう。
移住後の就職先を探す場合も、久米島ならば複数の業種から選べる可能性が大。候補としてあがりそうなのは、(実は久米島が生産量日本一を誇る)車エビ&海ぶどうの養殖業やホテル、マリンアクティビティ運営店、カフェなどでの接客業務、観光施設でのサポート業務など、さまざまな仕事があります。現在、都市に住んでいる人なら、前ページで紹介した新井さんのように、地域おこし協力隊に手を挙げることもできます。そして久米島に限らず、ほかの離島でも、介護士や保育士、医療関係従事者は引く手数多のよう。
ただし、求人情報は日々変化しているため、移住前に必ず求人があるかどうかを確認することが大切。島内の暮らしやすさを考慮しても、その生活環境を支える人手が求められているといえるのではないでしょうか。また、久米島は離島であるため、本島よりも給与水準が低い場合があることにも注意が必要です。
そして、当座の収入は得られないが、将来、手に職をつけるため「後継者育成制度」に参加するという道もあります。
久米島で育まれてきた伝統工芸品の一つが「久米島紬(くめじまつむぎ)」です。2004年に国の重要文化財に指定された絹織物で、島の草木や泥で染めた落ち着いた色合いが特徴。染色から織り上げるまでの工程を一人の職人が担っています。「染め」と「織り」、どちらの技術も求められる久米島紬の作り手を、2年間のプログラムで目指せるのが「久米島紬後継者育成研修制度」です。一人前の職人を目指すなら、2年かけてスタート地点にたどり着くといった厳しい道のりかと推しはかられますが、琉球王国が誕生した頃から続く文化を次世代に繋ぐためにも、気になる人はぜひ応募してみてはいかがでしょうか。※2023年度の募集は5月15日(月)まで。現在は募集していません
【久米島の住宅事情】
沖縄・久米島への移住、一番のハードルは住宅探し
現地での仕事に目処がついたら、次に探さなければならないのが住居。もしかしたら、これが一番手こずるかもしれません。
久米島への移住を検討している人は、住居探しを早めに始めることが大切。島内には2軒の不動産会社がありますが、空き物件は少なく、希望の物件をすぐに見つけるのは難しいかもしれません。筆者が移住を考えて住宅相談をしていた昨年秋頃には10人以上が賃貸物件の空きを待っている状態でした。
勤務先によっては寮が用意されているところや、住宅探しを一緒に手伝ってくれるところもあるため、早めに連絡をとるようにするのがベター。また、まずは民宿やウィークリーマンションで暮らしながら物件を探すというやり方もありますが、その場合は出費もかさんでしまいます。離島への引っ越しは、ただでさえ費用がかかりがち。あらかじめ余裕を持ったスケジュールで準備を進めるのがいいでしょう。
沖縄県・久米島への移住前にはしっかりとリサーチを!
今回の記事では、比較的新しい生活を始めやすい離島として久米島を紹介しました。沖縄本土と同じように、普段の買い物には不便を感じにくい環境です。ただし、台風の直後は船便が運休するため、コンビニやスーパーの棚が空っぽになることもあります。また、将来出産を検討している女性は、島内での出産ができないことも把握しておくとよいでしょう。
充実した島暮らしを送るためには、移住前に数回渡航して、生活や仕事、コミュニティなどを慎重に検討することが大切です。先輩移住者で構成されている「島ぐらしコンシェルジュ」に相談すれば、希望に沿った下見ツアーや移住後のサポートを受けることができます。
焦らず、自分に合った島暮らし、満足のいくライフスタイルを見つけてください。
取材・文/藤尾かおり
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この記事を書いた人
藤尾かおり
編集&ライター。東京でグルメ情報誌や旅行ガイドブックの制作に携わった後、出版社のWEB運営を担当。着物好きが高じて2023年4月、沖縄県やんばる地方に移住。大宜味村で国指定重要無形文化財「喜如嘉(きじょか)の芭蕉布」支援員を務める。
Twitter:@KFtefu
Instagram:@kftefu
Website:https://note.com/kftefu/
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