テーマソング「マジックアワー」の歌詞へのこだわりとは
――歌詞に関してのこだわりポイントはありますか
「初めて作品を読んだときに、主人公のアルフリートが『スローライフを送りたい』って願って転生したわりに、人のためにすごく働いてるなってビックリしたんですよね。なので、その部分はしっかりと入れ込みたいなと思いました。あとは、お姉ちゃんのエリノラに怒られているシーンとか。のんびりとした日常の中にある幸せな喜怒哀楽は表現しようと思いながら書きました」
「登場人物の中では、あたしはエリノラに一番似ていると思います(笑)」(きみコ)
©小杉繭・錬金王・阿倍野ちゃこ/宝島社
――「きみが笑うならぼくは何にだってなれるよ」という言葉が印象的でした
「自分でもとても気に入っている歌詞の一部分です。一見ラブソングに使われそうな言い回しかと思われがちですが、自分が快適な暮らしを送るため、と言いながらも、自分の作ったお菓子や遊びでみんなが笑顔になっているのを眺めているアルがいて……。そんなアルの健気な部分がすごく好きなんですよね」
――「他愛ない悪戯にきみの声が高く響く」という部分なんかは、何気ない言葉の中に日常の幸せが詰まっていますよね
「そこは絶対に表現したくって。アル自身が転生した世界を楽しんでいるっていうのはもちろんなんですけど、アルを取り巻く家族や人々の笑顔もすごく印象的な作品なので」
「なんだかんだで人が喜ぶ姿を見るのが好きなアルは、すごく優しい子なんだなぁと思います」(きみコ)
©小杉繭・錬金王・阿倍野ちゃこ/宝島社
――「マジックアワー」というタイトルに込められた思いは
「すごくステキな言葉ですよね。20年くらい前だったかな、この言葉を知った時に『曲のタイトルに使いたい!』って思ったんですけど、やっとその時が来ました(笑)。作中でアルがよく『こどもライフを満喫するために学校へはまだ通いたくない』って言ってるんですけど、未就学の時期って、ある種マジックアワーのような時間だと思うんですよね。すごく綺麗で尊い時間なんだけど、決して永遠ではなくって、ちょっと目を離した隙にもどんどん色が変わっていくような」
――たしかにいろいろなことを吸収して、一番成長する時期でもありますよね
「そうそう。アルは特に一度大人を経験して転生してるから、余計にその尊さがわかっているわけで。なので、アル自身がその時間を噛み締めるようなイメージも持たせています」
――転生後の世界を謳歌するなかで、時折前世を振り返るような描写も印象的です
「そこは切り離せない部分というか、前世があってこその今世だし、アルのあの性格なので。今の生活を楽しんではいるけど、前世も自分から手放したわけではもちろんないので、やっぱり振り返る瞬間って結構あると思うんですよね。だとしたら、どんな風に振り返るのかなあって想像しながら書きました」
「精神年齢は20代後半のはずなのに、同年代の子とケンカしちゃうような子どもらしい一面があったりもします」(きみコ)
©小杉繭・錬金王・阿倍野ちゃこ/宝島社
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