――そんなときは、どう対処しているんですか。
「まあ、つかず離れずみたいな感じで(笑)。ただ、いずれ自分もそうなるのかなと思うと、『そっか〜』って思いますけど(笑)。多分、人類は至るところでずっと、そういう歴史を繰り返してきているんですよね。山暮らしでは、他人が僕のことをすごく見てくるし、僕だけのテリトリーだと思っているところに、ほんとにスッと入ってくるし(笑)。でも、それはそれですごくいいところもあって。気持ちいい瞬間もあったりするし、まあ難しいですよね」
――そういうテリトリーの問題って、人類にとって永遠のテーマかもしれませんね。
「ヤノマミ族というアマゾンの森の中で暮らす人々は、円形のシェルターで集団生活をしているんですけど、そのシェルター内は完全にパブリックらしいんですよ。自分の家なのに。それで、ほんとにプライベートを守りたいとき、たとえば夜の営みとか排泄するときとかは、森の中に行くんですって。今の暮らしはそれに近いものがあって、僕んちなんて半分公共の場みたいになってるんです(笑)。だから本当に一人になりたいときは、鉄砲を担いで山奥へ向かうことにしています(笑)」
(映画『WILL』より)©2024 SPACE SHOWER FILMS
――それ、かなり面白い考え方ですね。山の中だけがプライベートな空間って。
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