ヤギは除草のプロ
夏の除草に大活躍のヤギ。一年を通して草を確保できる牧草地があれば、エサ代はほとんどかかりません。雌を飼って交配、出産させるのも楽しみ。おいしいミルクも手に入ります。人なつこく、子どもたちにも大人気です。
|どんな草でもよく食べるヤギ、脱走には要注意
ヤギを飼うには主食となる草を供給できる放牧地が必要です。広さは1頭あたり最低100坪(約330㎡)。同じ種類の草ばかりだと飽きて食べなくなる(結構わがまま)ので、多種類の植物が育つ場所がよいです。所有する土地が限られている場合は、近所の空き地や耕作放棄地を借りて放牧する方法もあります。地主にとっても除草ができて土地を管理してもらえれば助かるはず。冬は青草が少なくなるので、夏の間に充分な量の干し草をつくって備えておくか、市販の飼料を入手してください。
充分な放牧地があれば、エサは野草だけでも賄えます。冬は常緑のカシの葉やササ、竹の葉などをやりましょう。穀類はやり過ぎると体調を崩すので注意してください。
放牧するときは周りを高さ1.5m程度の柵で囲ってください。または杭を打ってリードにつないでおきましょう。脱走すると畑の野菜や庭木を食べてしまい、トラブルになるケースもあるので気を付けてください。
ヤギは雨と暑さが苦手。風通しがよく、雨や日差しを避けられる小屋が必要です。日中、放牧できれば1頭当たり1坪の広さがあればよいでしょう。
雌は発情期になると尻尾を振ってしきりに鳴くようになります。発情期は9月から12月ごろまで、約21日周期で訪れ、発情すると2日ほど鳴き続けます。その間はちょっとうるさいです。普段は何かを求めているときなどに鳴くくらいで、基本的におとなしい動物です。
雄は個体によっては気性が荒く、成長とともににおいがきつくなってくるので、繁殖に使わないのであれば去勢したほうがよいです。ヤギは人なつこく、雌は穏やかな性格であることが多いので飼いやすいですが、放牧地の確保や発情期の鳴き声、また去勢していない雄の場合、強いにおいがあるので隣家とは最低50mくらい離れた物件を選びましょう。
ヤギにも個性があるが、一般的に人なつこく、穏やかな性格で飼育しやすい。犬のようにしつけるのは難しいが、名前を呼ぶと顔を向けたり、鳴いて返事をしたりする。
ヤギのミルクを利用するときは、搾乳したミルクを人工哺乳で子ヤギにやるとよいです。人間用の粉ミルクでも代用できます。
| ミルクを得るにはどうする?
ヤギのミルクは、牛乳に比べて脂肪球が6分の1と小さく、消化吸収に優れています。乳質や成分は人間の母乳に近いです。そのまま飲むことはもちろん、チーズなどに加工して利用するにも適しています。ミルクを得るためには、雌を交配、出産させることが必要。発情するとしきりに鳴くので、発情が始まってから20~40時間に雄と同居させて交配させましょう。21日後に発情の兆候がなければ妊娠したと判断。妊娠期間は151日前後で1~3頭出産します。出産から約半年はミルクが出続け、個体にもよりますが1~5L/日の搾乳ができます。
搾乳に慣れていないヤギは暴れるので、エサを食べさせて注意をそらし、固定具などを自作するか、誰かにヤギを押さえてもらうようにしてください。
ヤギ飼育DATA
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今回は、田舎暮らしをしたらぜひ飼いたい動物を紹介しました。ニワトリは小スペースで飼育できるので、動物をはじめて買う人にもピッタリ。ヤギはミルクが得られるだけでなく、除草もしてくれます。これらの情報を参考に、自給自足の生活をより楽しいものにしてください。
素敵な田舎暮らしを夢見ている方々も、ご一読ありがとうございました。
文・写真/和田義弥
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