市場の要求によって淘汰されてきたためスズキとダイハツで共通点は多い
では、スズキ キャリイ/スーパーキャリイとダイハツ ハイゼット トラック/ハイゼット トラック ジャンボはどう違うのでしょう。
軽トラックの歴史は古く、日本のモータリゼーションの高まりの中で、効率よく荷物を運搬するための仕事道具として、軽自動車規格の中でできるだけ安価で高い積載性を実現する方向で特化し、市場の厳しい要求によって長い年月をかけて淘汰されてきました。
そのため、スズキ キャリイとダイハツ ハイゼットの2車はどちらも高いパフォーマンスを持っており、共通点が多く見られます。
たとえば、かつてはエンジン横置きやリアエンジン・リアドライブ、ミッドシップ、EVなどさまざまなパワートレーンがありましたが、生産性やコストなどの問題もあり、いまでは直列3気筒自然吸気エンジンをキャビンの下に縦置きして後輪を駆動するキャブオーバー(悪路を走ることが多いためパートタイム4WDも用意)で、5速MTまたは4速AT/CVTを搭載する形になっています。
どちらも価格を低く抑えるためには他モデルとの設計の共通化が図られ、信頼性向上のためにメカニズムやシャシ、ボディはシンプルな構造となっているのも特徴です。
両車とも、エンジンにターボを装着せず、足まわりを耐久性が高く汎用性もある前ストラット/後リーフリジッドとしているのも偶然ではなく、各パーツ類も可能な限り、他モデルと共有化されています。
それでももちろん、軽トラックはどれも同じではなく、スズキ キャリイとダイハツ ハイゼットにはもちろん違いがあり、OEM先ブランドの各車にも細かな仕様の違いがあります。
「スズキ キャリイ KX 2WD 4AT仕様」スペック
全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,765mm
荷台長×幅×高 1,940×1,410×290mm
ホイールベース 1,905mm
最低地上高 160mm
荷台床面地上高 650mm
車両重量 730kg
エンジン 直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量 658cc
最高出力 37kW(50PS)/6,200rpm
最大トルク 59Nm(6.0kgf・m)/3,500rpm
トランスミッション 4速AT
駆動方式 FR
サスペンション ストラット/リーフリジッド
ブレーキ ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 145/80R12
最小回転半径 3.6m
WLTCモード燃費 15.7km/L
メーカー希望小売価格 ¥1,372,800(税込)
「ダイハツ ハイゼットトラック エクストラ 2WD CVT仕様」スペック
全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,780mm
荷台長×幅×高 1,940×1,410×285mm
ホイールベース 1,900mm
最低地上高 160mm
荷台床面地上高 660mm
車両重量 810kg
エンジン 直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量 658cc
最高出力 34kW(46PS)/5,700rpm
最大トルク 60Nm(6.1gf・m)/4,000rpm
トランスミッション 4速AT
駆動方式 FR
サスペンション ストラット/リーフリジッド
ブレーキ ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 145/80R12
最小回転半径 3.6m
WLTCモード燃費 16.5km/L
メーカー希望小売価格 ¥1,188,800(税込)
文:近藤暁史
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近藤暁史
こんどう あきふみ|編集・ライター。男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://office-mushroom.com/
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