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田舎暮らしの本 2月号

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田舎暮らしの本 2月号

1月5日(月)
990円(税込)

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異常気象―そしてパリ五輪/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(56)【千葉県八街市】

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 8月8日。「ミョウガとキュウリが高い・・・そして南海トラフ巨大地震注意に驚く」。

 昨夕、埼玉や東京では 1時間に100ミリという激しい雨が降った。残念ながら、こちらでは小さな雷鳴こそ聞こえたがそんな雨は降りそうにもないな・・・そう思ったのが午後8時頃。それから2時間ほどして雨音が聞こえてきた。おお、やっと来たか。寝床の中で、雨を喜んでいる野菜たちの顔を思い浮かべ、僕も喜んだ。そして今朝。畑を見回る。雨の量は埼玉・東京の5分の1くらいだったろうか。それでも、サトイモ、ピーマン、ナスたちはさわやかな表情を見せていた。

 そして日中。本日も猛暑に変わりなしだ。テレビは野菜の高値をやっていた。いま特に高いのは何だと思いますか? ミョウガとキュウリらしいです。実感する。上の写真の左下にミョウガが見えるが、苦心の産物だ。前にマムシと遭遇したミョウガ畑を、マムシよけの棒を持った片手で叩きながら、僕は這いまわって、目を凝らして、ようやく収穫したのがこの量である。例年に比べて今年のミョウガは痩せている。

 オリンピックは陸上競技が始まり、さらに盛り上がっている。やり投げの北口榛花選手は62メートル以上を投げて一発で予選を通過した。その北口さん、初めはアスリートになることをお母さんに反対されたのだという。自分と同じ道には進んでほしくないと・・・。しかし結局、「ごめんなさい」と言って彼女は母親と同じ道を歩むことにした。世の中には、自分と同じ道を歩ませようとする親はけっこう多い。逆にあえて反対する親は少ない。その母親に逆らう形で彼女は自分の道を選んだ。NHKで見たロングインタビューで、母親に「ごめんなさい」と言ったのだと語る場面で涙を流すシーンが印象に残った。榛花さんのすごさはそれだけではない。もっと記録を伸ばすにはどうすればいいか。やり投げの一流指導者がチェコにいる。北口さんは誰にも頼らず、指導を受けたいという手紙を自分で書いて受け入れられ、単身チェコに渡った。このエピソードもすごいなあと僕は思った。

 キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、合計150本の苗を今日植え終わった。この上の写真がその一部である。もしこの掛布団がなかったらしおれる。熱中症になる。午後4時。荷造りを終えて、今日は別な場所の開拓作業に取り掛かる。6月初めまでエンドウがあった場所。何もせず2か月ほっといただけでジャングル状態となった。わずか畳6枚分。それに要した時間は3時間。途中で、よく冷やした大きなマクワウリにかぶりつき、エネルギーを補給して、暗くなるまで。流れた汗はどれほどか。いやそれよりも、今日はかなり腰から背骨にかけての負荷が大きかった。もう暗くなってしまったのでいつもの夕刊は読めない。腹筋だけやって部屋に戻って、明日の天気予報を見るつもりでテレビをつけたら、いつもとはどこか様子が違う。画面には大きな文字で、南海トラフ「巨大地震注意」とあった。

 この猛暑と合わせ、不穏な空気が満ちる。前回の南海トラフ地震は僕が生まれる前年、1946年のことだった。これまでの発表では巨大地震の発生確率は30年以内に70ないし80%とされていたが、今日の地震でそれが数倍高い確率になったと専門家は言う。南海トラフは東西500キロに及ぶ。東は静岡県までだ。それがマグニチュード8から9という揺れに襲われたらどうなるのか。想像を絶する。人生にはさまざまな困難が伴う。しかし、地球という、我々が身をゆだねている器がもたらす困難には立ち向かうすべがない。ヘルメットと底の硬い靴、傷口を応急処置できる消毒液と包帯、それに食料。僕が準備できるのはそれだけである。

この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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