古民家の種類
そもそも、「古民家」と一言でいっても、種類は多種多様にあります。その地方にある材を用い、風土や生活様式に合わせてつくられた古民家のタイプと特徴を見てみましょう。
⚫︎直屋(すごや) 造り
長方体に屋根を葺いたもので、古民家の原型と考えられる。全国各地に存在しており、現代でも手に入りやすい。落ち葉や雪が溜まりやすい谷(凹んだ部 分)がないため、耐久性にも優れている。
⚫︎曲(ま)がり屋
L字形に曲がった民家で、東北でよく見 かける。特に岩手県の「南部の曲がり屋」が有名。突き出た部分は厩になっており、 農耕に役立つウマを家族同様に温かく過 ごさせるため、こういう造りになった。
⚫︎中門(ちゅうもん)造り
福島県の会津地方や新潟県など、雪国でよく見かける古民家。形状は曲がり屋に似ているが、突き出た部分が玄関になっており、そこで雪を落として入室する。 2階部分は物置になっているものが多い。
⚫︎本棟(ほんむね)造り
長野県の中信地方から南信地方にかけて 分布する古民家。切妻造り、緩い屋根勾配、板葺きの屋根、雀おどしと呼ばれる棟飾り、正方形に近い間取りなどが特徴的。 一部は重要文化財に指定されている。
⚫︎合掌(がっしょう)造り
岐阜県の白川郷と富山県の五箇山に多い古 民家。ユネスコの世界遺産に登録され、現在は観光地になっている。茅葺きの大きな切妻屋根が特徴的で、養蚕を目的に屋根裏は3〜 4層に分かれている。
⚫︎くど造り
屋根の棟がコの字になる古民家。コの字形 をくど(竈の別称)に見立て、その名がついた。九州地方では昔、長さ2間以上の梁を 使ってはいけないという御法度があり、それを逆手に取った造りとも言われている。
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