憧れの茅葺き屋根を維持するのは超大変!?
ススキやヨシなど屋根を葺く身近な自然素材を茅という。茅葺き屋根には、手入れが欠かせない。人が住んで風を入れ、できれば囲炉裏を焚いて屋根裏を燻すのは日々の手入れ。夏と冬とでしつらえを変えるとか、年末にすす払いをするなどは季節ごとの手入れ。
葺いてから5年もたてば、まずは屋根の弱い部分が溝状に傷んでくる。傷みを見つけたら早めの手入れ、差し茅で補修する。そしていよいよ、全面を葺き替える大がかりな手入れは10数年に一度。今年は北面、次は南面と数年かけて順繰りに直していく。
茅を刈り集め、職人が屋根上で仕事しやすいように段取りするのは本来、家主の役目。農作業の一環として近隣が集まる「結」は、今はない。それでも、呼びかければ協力してくれる仲間は見つかるもの。膨大な茅の準備は一人ではうんざりするほど大変だけれど、大勢でわいわいとこなすなら案外と楽しい。昔も今も、茅葺き屋根は変わらずに、人の集まる場なのだろう。
茅場は毎年刈り続けて維持される。一人では難しいが、何軒かの茅葺き家主に助っ人を加えられれば、無理なく自前の茅が確保できる。
屋根の葺き方は地域ごとに異なる。茨城県では、刈り取った茅を小さく束ね直す茅ごしらえをする。できれば共同でこなしたい作業。
傷んだ部分にパンク修理よろしく茅を差し込む「差し茅」。茅葺き屋根に住めるのは、こまめに面倒をみてくれる職人がいればこそ。
Vol.3もお楽しみに!
今回の記事では古民家の失敗しない買い方と古民家の種類について紹介しました。Vol.3では、「未補修古民家の“困った”」を密着レポート。数々の“困った”を解決する方法を伝授します。
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