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田舎暮らしの本 12月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

ゴーヤー&シカクマメ/自然菜園で育てるキッチンガーデン【第17回】

掲載:2021年8月号

夏の暑さで旺盛に育ち、グリーンカーテンにもぴったり

熱帯アジアから15世紀ごろに中国、琉球を経て、17世紀ごろに日本に伝わったといわれるゴーヤー。暑さを好み、真夏になると旺盛に実を付けます。比較的病虫害に強く、家庭菜園で育てやすく、日よけのグリーンカーテンとしても人気です。プランター栽培にも向きます。シカクマメはゴーヤーと同じ熱帯アジアの出身。同じ畝で隣同士仲良く育ちます。

真夏に茂って黄色い花を咲かせるゴーヤー。ずんぐりした姿のあばしゴ ーヤーは沖縄でポピュラーな島ゴーヤーの1つ。

熱帯アジア出身のコンビ 夏至を過ぎて実を付ける

 ゴーヤーは東南アジアから中国南部、台湾、沖縄で愛されてきた野菜です。ニガウリやツルレイシとも呼ばれ、平成初めの沖縄料理ブームで、ゴーヤーの名がポピュラーになりました。

 畑で支柱に這わせるほか、プランターから誘引してグリーンカーテンにもなります。台風の多い沖縄では強風を避けるために、地這いで育てるのが一般的です。

 夏至を過ぎると雌花が咲いて実を付けます。収穫するのは緑色の未熟果。開花から収穫までの日数は、気温が低い時期は30日ほどですが、高温になると12〜20日。遅れず穫るのが長期収穫の秘けつです。

 実をそのまま置くと種採りもできます。実は黄色く熟して皮が破れ、中の種は甘くて赤いゼリーに包まれ、鳥に運ばれます。

 ひだの付いた実の断面が四角い形をしているシカクマメはゴーヤーと同じく熱帯アジア原産。サヤだけでなく葉や花、葉が枯れた後、地中にできるイモも食用になります。

品種選びのアドバイス

沖縄系と薩摩系の2系統。固定種は家庭菜園向きで育てやすい

 沖縄の島ゴーヤーは短形で苦味が少なく、薩摩系の中長レイシは細長く苦味が強いです。最近では苦味が少なく多収のF1品種が多くつくられています。固定種は育てやすく種採りもでき、家庭菜園に向きますが、品種は限られます。

あばしゴーヤー(上の写真参照)

代表的な島ゴーヤー。実の表面のイボが大きく、肉厚で水分が多く、比較的苦味が少ない。

長レイシ

本土の食品売場で一般的に見かける種類。九州地方で好まれてきた系統で、比較的苦味が強い。

薩摩中長レイシ。長レイシは長さ30cmほどまで実が育つ。

白れいし

実の皮が白く、丸みのあるイボがある。苦味が少なく、サラダなど生でも食べやすい。

白れいしは沖縄のゴーヤーの1つ。長さ10~20cmほどのずんぐりした姿。

ゴーヤーの主なコンパニオンプランツ

ウリ科の病害を抑えるネギと暑さに強いマメ科を混植

シカクマメ

効果

ゴーヤーの生育促進。

栽培のポイント

ゴーヤーの定植か直蒔きと同時に、株間に種蒔きすると、お互い絡み合って育つ。

収穫のポイント

サヤの長さが15cm程度、中のマメが大きくなる前のやわらかいうちに穫る。

サヤの断面が四角になるのが名前の由来。

 

葉ネギ

効果

ゴーヤーのつる割れ病を防ぐ。

栽培のポイント

ネギクラツキのネギは、ゴーヤーの定植時には植え替え、種蒔き時には葉を刈る。

収穫のポイント

根元を残して葉をハサミで切り取ると、葉が再生して繰り返し収穫できる。

ネギ類の根に共生する菌から出る天然の抗生物質は、ウリ科の病気を予防する。

 

ササゲ

効果

ゴーヤーの生育促進。つる性の品種はゴーヤーに絡んでネットから離れるのを防ぐ誘引効果も。

栽培のポイント

ゴーヤーの定植か直蒔きと同時に、株間に種蒔きする。

収穫のポイント

インゲンのように若サヤを穫る品種と、サヤが枯れてからマメを穫る品種とがある。

アフリカ原産で暑さに強くゴーヤーと同時期に育つ。

 

ハツカダイコン

効果

お互いに生育を促し合う。ハツカダイコンはゴーヤーに集まるウリハムシを避ける。

栽培のポイント

ゴーヤーの定植または直蒔きの1~2カ月前に種を蒔く。夏はゴーヤーの日陰で暑さを避けて種蒔きする。

収穫のポイント

初期は間引き収穫、ある程度の大きさになったら一斉に収穫する。

大きくなったら一斉に穫る。そのまま置くとスが入ったり、割れたりしてしまう。

 

ゴーヤー&コンパニオンプランツの配置例

ネギクラツキに支柱を立てて、ゴーヤー、シカクマメ、ササゲを同時栽培

 1カ月前にネギクラツキを準備し、ゴーヤーの定植前には支柱を立てておく。ゴーヤーの定植と同時にシカクマメとササゲを蒔く。ハツカダイコンは前作として春に育ててゴーヤーにリレー栽培する。

 秋の初めに、ゴーヤーがつくる日陰で暑さを避けて種蒔きもできる。

長さ2.1mの支柱を4本、台風にも耐えるよう畝にしっかりと差す。

4本の支柱を合掌させ、交点が動かないようがっちり縛る。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『 完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』『自然菜園で育てる健康野菜』(宝島社)、『これならできる!自然菜園』(農文協)、『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)、『1 m²からはじめる自然菜園』(学研パブリッシング)など。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

自然菜園スクール http://www.shizensaien.net/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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