市の全域が北上川の支流である猿ヶ石川(さるがいしがわ)の最上流域にあたる岩手県遠野市(とおのし)は、中央部は北上山地(きたかみさんち)最大の盆地である遠野盆地となっており、昔ながらの曲り家などの日本の原風景が残るまち。米や野菜、肉用牛の生産といった農業や、市内の8割を超える森林を活かした林業などの第1次産業が基幹産業となっている。また、ホップの栽培面積日本一という強みを活かし、「ホップ収穫祭」や「ビアツーリズム」といったビールに関するイベントなどで盛り上がりを見せている。
2021年7月にオープンした「こども本の森 遠野」は、かつて呉服店として営んでいた町家を、世界的建築家の安藤忠雄氏が改築して遠野市に寄附した施設。通常の図書館とは異なり、貸し出しは行わず施設内で本を読むかたちとなっている。
田んぼの中に佇む茅葺き屋根の荒神神社(あらがみじんじゃ)。祀られている権現様は、ほかの地の権現様の片耳を食いちぎったという伝説があり、荒神様と呼ばれている。
東西を山に囲まれ、自然のなかで生活できる
遠野市南側の農村地帯にある本物件は、東西を山に囲まれ、南北に走る国道107号や長野川が近く、大船渡市や陸前高田市などの沿岸部へのアクセスもよい場所だ。しかし、物件から、保育園や小学校まで7㎞弱、中学校やスーパー、道の駅まで20㎞弱と、公共施設や生活利便施設が遠く、車が必要なエリアにある。
公共水道の引き込みがなく、山からの湧き水を使用している。そのため、水回りは改修が必須。そのほかも全体的に大幅な改修が必要。また敷地への通行用土地は売買部分に含まれていないため、別途購入か賃貸が必要となる。
遠野市では、家の改修や取得に対して補助を用意している。
①リフォーム事業助成金:空き家バンクに登録されている物件を対象に、リフォーム工事費用の半額、または家財道具の整理の費用の半額を助成(補助の上限はリフォーム工事が40万円、家財道具整理が10万円。活用はどちらか一方のみ。市外からの移住者の方が対象)。
②木づかい事業費補助金:遠野市産木材を使用して行ったリフォーム工事に対して、2万5000円/㎥を補助。補助上限は100万円。
③空き家取得奨励金:県外からの移住者または39歳以下の若者が空き家バンクに登録されている物件を購入した場合に、30万円の奨励金を交付。
【物件データ】
岩手県遠野市
130万円
土地:170坪・563㎡
延床:16坪・52㎡
取得費補助:最大30万円
改修費補助:最大40万円
処分費補助:最大10万円
●2LK●宅地●不明●都市計画区域外●築45年●汲み取り式トイレ●釜石自動車道宮守ICより約8.9㎞●市の南側の農村地帯に位置し、大船渡市や陸前高田市など沿岸部へのアクセスがよい。車で保育園、小学校、産地直売所へ9〜10分、中学校、スーパー、道の駅へ23〜24分。駐車場3台以上。敷地への通行用土地は別途購入か賃借が必要。公共水道の引き込みがなく、山からの湧き水を利用。
●問い合わせ先:で・くらす遠野 ☎0198-62-2111
玄関は広めの土間スペースになっており、入ってすぐ左側が和室になっている。
6帖の和室が3つとキッチンというコンパクトな間取り。残留物が多いが、契約が決まり次第家財は整理される予定だ。
キッチンから続く居間。L字型に6帖和室が3間つながっている。
キッチンスペースは6帖の広さ。公共水道の引き込みがなく、山からの湧き水を利用している。水回りは改修が必要。
独立した洗面室。洗面台はあとから付け替えたようできれい。
バスルームにはボイラーと小さな浴槽、洗濯機置き場がある。古いタイプのボイラーなので、バスルーム全体で改修が必要。
壁や手すりは新しいが。汲み取り式なのでトイレは取り換えをおすすめする。遠野市には浄化槽設置整備事業費補助金があるので、合併処理浄化槽を設置して対応したい。
土地は170坪で、農作業の道具を収納する小屋も付属。
【岩手県 遠野市の魅力】
カッパや座敷童子の伝承が残る「民話の里」
人と妖怪が同居していたと思わせる雰囲気を感じることができる「民話の里」遠野市。カッパや座敷童子といった民話が数多く伝承されていて、柳田國男の『遠野物語』の舞台となった。市では、移住専門の相談窓口として「で・くらす遠野(観光交流課事務局)」を設置し、移住希望者の相談対応をはじめ、ポータルサイトでの情報発信や移住フェアへの参加などを行っている。
【バケツジンギスカン】
遠野市では、みんなで集まったとき、空気穴を開けたバケツに南部鉄器の鍋を載せて焼く「バケツジンギスカン」がソウルフードとして根付いている。遠野のジンギスカンの特徴として、ほかの地域のように先に肉に味付けをせず、焼いた肉にタレを付けて食べる。
【カッパ伝説】
遠野市の中心市街から数㎞離れたところにあるのが、カッパが人々を驚かせたという伝説が残る「カッパ淵」(写真上)。常堅寺という寺の脇を流れる小川で、夏になると、キュウリが結ばれた釣り竿が設置され、カッパの捕獲に挑戦できる。ただし、カッパを捕獲するためには遠野市観光協会で販売している「カッパ捕獲許可証」の購入が必要(写真中)。遠野市のキャラクター「カリンちゃん」と「くるりんちゃん」(写真下)。
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