柳田國男の名著『遠野物語』の舞台となった岩手県遠野市(とおのし)。昔ながらの曲り家などの原風景が残り、カッパや座敷童子などの民話が伝承されている。米や野菜、肉用牛の生産といった農業や、市内の8割を超える森林を活かした林業などの第1次産業が基幹産業。また、今回紹介する物件がある宮守町は、根わさびの産地として100年以上もの歴史がある。
宮守町を代表する観光名所のひとつである「めがね橋(宮守川橋梁)」をバックに設置されている「恋人の聖地」で、遠野市のキャラクター「カリンちゃん」と「くるりんちゃん」。この橋は、JR釜石線の線路で、2014年から定期的にSLが走っていたが、2023年6月にラストランを迎えることとなった。
公共牧場の荒川高原牧場には、夏場になると牛や馬が放牧されている。狭い畜舎から放牧に出されることで、牛や馬もリフレッシュ。舗装道路も整備されているため、道路から放牧の様子を観察することができる。
遠野市宮守町の中心部にあり、店や公共施設が近い
物件は、市の西側の宮守町(合併前の宮守村)の中心部にあり、店や公共施設が近く、生活しやすい立地。JR釜石線宮守駅まで200m、保育園と小学校、スーパー、は1.5㎞以内、中学校は3㎞以内と、暮らしやすい。遠野市の西側に位置しているため、盛岡市や花巻市、北上市などの県内都市部へのアクセスも良好だ。
母屋と屋根で繋がった倉庫(元馬屋)が付帯している。また、裏庭にそれぞれ独立した倉庫、豚舎、牛舎、風呂もある。
積雪は通年20〜30㎝程度。盆地のため、昼夜の寒暖差が大きく、夏場でも夜は涼しくなる日が多い。
空き家歴15年のため、水回りの改修や、傷んでしまった壁、床、天井など、大幅な補修が必要となる。北東側一部屋のみリフォーム済み。現在は周囲には草木が繁茂しており、敷地内への通行路を確保しないといけない状態だ。
遠野市では、家の改修や取得に対して補助を用意している。
①リフォーム事業助成金:空き家バンクに登録されている物件を対象に、リフォーム工事費用の半額、または家財道具の整理の費用の半額を助成(補助の上限はリフォーム工事が40万円、家財道具整理が10万円。活用はどちらか一方のみ。市外からの移住者の方が対象)。
②木づかい事業費補助金:遠野市産木材を使用して行ったリフォーム工事に対して、2万5000円/㎥を補助。補助上限は100万円。
③空き家取得奨励金:県外からの移住者または39歳以下の若者が空き家バンクに登録されている物件を購入した場合に、30万円の奨励金を交付。
【物件データ】
岩手県遠野市
300万円
土地:264坪・873㎡
延床:43坪・144㎡
農地:あり
取得費補助:最大30万円
改修費補助:最大40万円
処分費補助:最大10万円
●5K●宅地●平坦地●都市計画区域外●築年数不詳●汲み取り式トイレ●釜石線宮守駅より約200m●市の西側に位置し、盛岡市や花巻市、北上市などへのアクセスがよい。オートキャンプなどが楽しめる田瀬湖湖畔へも近い。車で保育園、小・中学校、スーパー、道の駅「みやもり」、銀河の森総合運動公園へ2〜5分、高速道路ICへ約13分、東和温泉と総合病院へ約17分。駐車場は屋根付き、屋根なしでそれぞれ軽1台分ある。
●問い合わせ先:で・くらす遠野 ☎0198-62-2111
和室は田の字型の4部屋と、玄関前に1部屋。床にはたわみがある。
北東側一部屋のみリフォーム済みとなっている。
ダイニングキッチンの一部は土間になっており、炊飯は薪ストーブを使用していた。キッチンには給湯がなく、全体に設備が古いので改修が必要だ。
洗面脱衣所には洗濯機置き場がある。写真中央に灯油ボイラーがあるが、設備が古いため取り替えたほうがいい。
バスルームはきれいだが、既出のボイラー設備の新調をおすすめする。
トイレは汲み取り式。こちらも要改修。遠野市には浄化槽設置整備事業費補助金があるので、合併処理浄化槽を設置して対応したい。
母屋に付帯して、納戸と物置2つがある。
裏庭にそれぞれ独立した倉庫、豚舎、牛舎、風呂がある。
【岩手県 遠野市の魅力】
専門の移住相談窓口「で・くらす遠野」で相談に対応
岩手県の東南部に位置する遠野市(とおのし)は、人口は約2万5000人。市内各地に『遠野物語』の舞台になった場所が数多くあり、人と妖怪が同居していたと思わせる雰囲気を感じることができる。市では、移住専門の相談窓口として「で・くらす遠野(観光交流課事務局)」を設置し、移住希望者の相談対応をはじめ、ポータルサイトでの情報発信や移住フェアへの参加などを行っている。
【根わさび】
宮守町内で大正4年ごろから栽培が始まった遠野の根わさび。きれいな清流でしか育たないわさびは、山からの清冽(せいれつ)な湧き水を利用して栽培され、現在では東北一の生産量を誇る。
【どぶろく特区】
遠野市は、全国に先駆けて平成15年に「どぶろく特区」に認定され。、市内各所でどぶろくが楽しめる。冬には、茅葺き屋根の南部曲り家(母屋と馬小屋を直角に連結した家)で、どぶろくを楽しむイベントが開催される。
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