デュアルライフを開始した当初から、気になっていたまん丸な物体
「山中湖村で暮らしはじめた当初から、湖のまわりの大きな木の枝にたくさんくっついている、不思議なまん丸のモノは気になっていました。でも、それが何なのか見当もつかず、妻や娘とは『鳥の巣かな?』なんて話していたんですよ」
そう語るのは、2023年11月15日に、著書『山の家のスローバラード 東京⇄山中湖 行ったり来たりのデュアルライフ』(百年舎)を刊行する佐藤誠二朗さん。
『山の家のスローバラード 東京⇄山中湖 行ったり来たりのデュアルライフ』(佐藤誠二朗著・百年舎刊)
佐藤さんは『田舎暮らしの本』の発行元でもある出版社・宝島社の元社員で、2000年代には雑誌『smart』の編集長を務めていた人物。
2010年に独立して以降は、フリーの編集者兼ライターとして活動。現在も賃借する東京の家に暮らしながら、山梨県南都留郡山中湖村に中古の一軒家を購入したのは2017年のこと。以来、東京と山中湖を行ったり来たりしながらの生活=デュアルライフ(二拠点生活)を楽しんでいます。
著者の佐藤誠二朗さん。山中湖村にて。
「デュアルライフの実態については、今度の本で赤裸々に書いておりますので(笑)、ぜひ読んでみてください。その本の中でも触れている“まん丸ちゃん”はですね……。まあ、もったいぶっても仕方がないので答えを言うと、ヤドリギ(宿木、寄生木)だったんです。僕は生まれも育ちも、それどころか大人になってからもずっと東京で生活してきたので、それまでヤドリギなんて見たことがなかったんですね」。佐藤さんは、そう話してくれました。
群生するヤドリギ。
著書に書いてある顛末によると、佐藤さんにその事実を教えてくれたのは、山中湖畔のロードサイドで経営されているガソリンスタンドのオーナーさんだそうです。
タイヤ交換を依頼した際の待ち時間に、佐藤さんが「あれは何?」と尋ねると、「ああヤドリギね」と、いとも簡単に、そしてややつまらなそうに答えてくれたのだとか。
「この土地にずっと暮らしている人にとっては見慣れた光景ですから、珍しくもないんでしょう。でも、都会育ちの僕はずっと不思議に思っていたので、謎が解けて膝を打つ思いでした。へえ〜 なるほど〜 と、しきりに感心する僕のことを、ガソリンスタンドのオヤジさんは、不思議そうに見てましたけど」(佐藤さん)
湖畔の立木にもたくさんのヤドリギが。
次ページ:「興味を持って調べてみると、面白い植物だということが判明」
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