掲載:2024年8月号
暑い盛りの菜園しごとは収穫と水やりで
夏バテを防ぎ、秋冬野菜の適期を見極めて
梅雨が明けて高温乾燥が続く夏。果菜類は旺盛に実を付けるので、どんどん収穫し、週に1度は夕方に水やりして野菜の夏バテを防ぎます。秋冬穫り野菜の種蒔きや定植もスタート。残暑対策も工夫しましょう。
8月 高温乾燥&秋野菜開始
果菜類は実を大きくさせすぎず、どんどん穫るほど樹が長持ちする。樹勢が落ちたときは実と花をすべて落として収穫を休むのもよい。
○7日おきに水やりで夕立を
梅雨が明けると果菜類の収穫は最盛期を迎えます。一方、梅雨の間は旺盛に伸びる草を利用して草マルチを重ねましたが、梅雨明け後は高温乾燥で、草はそれほど伸びません。
この時期の菜園でいちばんのお世話は収穫と補いです。早めにどんどん実を穫ると、樹が疲れにくく、長く収穫できます。補いは水と米ぬかです。30度を超える猛暑が続くときは雨が降っても降らなくても、7日に1度ほどのペースでストチュウ水※で水やりします。夕方、日が傾いたら葉の上からたっぷりと、夕立を降らせてあげましょう。米ぬかは7~ 10日に1度ほど一株に一握り、草マルチの上からぐるりと撒いてください。
※ 雨水に似た野菜の栄養ドリンク。酢・木酢液・焼酎を1:1:1で混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL )3杯の原液を混ぜる。
オクラは夏に生長が旺盛な野菜の1つ。暑い盛りに次々と付く実をせっせと収穫。
水やりは夕方、日が傾いてから葉の上からたっぷりかける。
果菜類の収穫後、米ぬかを一握り、草マルチの上からぐるりと補い、鎌の背で叩いてなじませる。
○秋冬野菜には残暑の対策を
8月下旬になり気温が徐々に下がってくると、秋ジャガの植え付け、ハクサイやキャベツの苗の定植、秋冬穫りのなかでも比較的高温に強いダイコンなどの種蒔きも始まります。とはいえ残暑の厳しい近年は、暑さ対策に工夫が必要になってきました。地温と気温を下げるには畝に寒冷紗のトンネル掛けを。気温が高いほど活発な虫を避けるには、種蒔きや定植と同時に防虫ネットをトンネル掛けします。秋ジャガは種イモを切らずに丸ごと、腐葉土を詰めたポットに入れ、涼しい場所で芽出しをした後、気温が下がってから畑に植え付けます。
ピーマン、トマト、ナスの空いた畝肩にキャベツの苗を定植。半日陰で暑さを避けてよく育つ。
監修/竹内孝功
たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜 ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』、新装版『無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(すべて宝島社)ほか多数。
WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/
文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香
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