【移住者に聞いた 田舎暮らしとクルマのこと】
移住先では人と自然がともに豊かになるような関係性を築いていくことが重要だ
2002年にツインターボ仕様のレガシィ(ラストオレンジカラー)に乗っていたことがあるヘイミッシュさん。それ以来、常にSUBARUに注目してきた。
「いまココに昔の自分がいたらレヴォーグ STI Sportを買うと思いますが、鴨川に移住した現在の自分の暮らしにマッチしているのはレガシィ アウトバックですね」と語る。
金融の仕事は順調だったが、ある日、心の中にぽっかり穴が開いてしまったような感覚に陥り、そんな頃にバリ島に住んでいる友人が言っていた“植物は意志を持っている”という話に感銘を受けたそうだ。東京で暮らしつつ、週末を過ごす別荘を隣県である千葉県・鴨川の山間部に2003年に建てたことが、後々当地に移住するきっかけとなった。
2012年に26年間勤めた金融業の仕事をリタイアし、鴨川の自然豊かな3ヘクタールのフィールドにて、永続可能な循環型農業をもとに人と自然がともに豊かになるような関係性を築いていく“パーマカルチャー”を実践するUzuméを構築した。
敷地の半分を食べられる森にしており、1000年後を考え、温暖化にも寒冷化にも対応できる森を育てている。
日本では飼育数が少ない“鳴かない鴨”を飼育しており、フンを肥料として循環できるサイクルを構築している。
「ここに住み始めた最初の3年間はバイオガス(=バイオ燃料の一種)を作っていたので、オフグリッド(off-grid=生活に必要なライフライン、電気、ガス、水道などの一つ以上を公共事業に依存しないこと)でした。トイレはコンポストトイレ(=微生物の力で排泄物を肥料に変えるトイレ)を使っていて、中にミミズを入れ、人間の排泄物を土にしています。2010年にバリ島で、持続可能な建築や自己維持型の農業を取り入れた“パーマカルチャー”を実践することも考えましたが、いまは鴨川にしたことに対して歓びを感じています」と語る。
給湯は太陽光パネルを活用し、真冬であっても、シャワーだけでなく入浴もできるようにしている。
敷地全体をタイニービレッジ(tiny village=小さな村)として考えており、木造の個性的な構造物はイベントスペースとして活用。
この土地に立っていた木々を使い、みんなで座るコンセプトで建てた印象的な建造物が訪れた者を出迎えてくれる。
「土地に栄養を与える循環のサイクルと同じように人間も循環させたいので、20代のファミリーも含めた3家族ぐらいに住んでもらうことも考えています。広大な敷地の中に多様なエレメントがあり、人間が生活していくうえで、できるだけ手間がかからないようになっています」と語る。
鴨川は野生動物も豊富で、地元の猟師たちとの交流から2022年に“嶺岡ジビエ”の名称でジビエ肉の解体施設をオープン。ジビエ肉やジビエソーセージを加工し、販売している。
ジビエ肉の解体施設の横にある小屋は地元の猟師たちの休憩ルームになっている。当日、現場にいた猟師さん曰く「ここは事務所だね」とのこと。
週末を過ごす別荘の前に大きな貯水池があり、そこを望めるウッドデッキは鴨川の自然を満喫できる場所のひとつ。
オフグリッド住居やイベントスペースの他に、タイニーハウス(tiny house=小さな家)などのさまざまな建物を建てている。
現在は在籍していないが、2016年から研修生やスタッフがいたことがあり、タイニーハウスビレッジも充実。
タイニーハウスビレッジは外観だけでなく室内もカラフルで、快適に過ごすことができる。
2003年に週末を過ごす別荘を鴨川の山間部に建てたことで、その後、移住することになったヘイミッシュさん。
水道も道路もない里山を開拓し、自宅と“パーマカルチャー”の思想を取り入れて作っている、食べられる森のUzuméなどを展開した。Uzuméでは紹介制で一棟貸しの高級宿泊施設も運営しており、その一端に触れることが可能だ。
移住前に東京と鴨川を行き来していたときにマイカーとしてレガシィに乗っていたため、SUBARUで走ることは単なる移動の時間ではなく、楽しむ時間であることを知っており、荒れた道も走行でき、荷物をたくさん積むことができるレヴォーグも里山を駆けるエクスプレスとして最適だと考えている。
「鴨川の山間部は細い道が多く、大型車だと移動するのがツライです。ボディが大きすぎないレヴォーグは使い勝手がよく、なおかつエンジンがパワフルなAWD(常時全輪駆動)車で登坂、牽引能力が高いので、有意義にフル活用することができます。AWDであればU字溝に落ちたクルマを牽引できますね」と語ってくれたヘイミッシュさんは、鴨川に移住したことに満足しつつ、パートナーのエリさんとともに、より持続可能な生活を目指して暮らしている。
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