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田舎暮らしの本 1月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

人力社の中山茂大さんの著書『神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史』が面白い

本誌『田舎暮らしの本』の人気連載「人力工房」や田舎暮らしの本Webの「【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた」でお馴染みの、ライター・中山茂大(しげお)さんの著書『神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史』が講談社より出版されました。膨大な資料から歴史に埋もれた戦前のおびただしい北海道の人喰いヒグマ事件の数々を発掘し、なぜヒグマは人を殺すのか、人間はヒグマや自然に何をしてきたのか、という問いを多角的に検証する労作です。中山さんのコメントとともにご紹介します。

===== 【中山さんより】===== 

 ここ4年ほどかけて取材した『神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史』が講談社より出版となります。

 ヒグマは北海道に棲息し、開拓民が恐れる唯一の猛獣でした。

 本書は、明治初期から終戦までの70年あまりの間に起こった人喰い熊事件を、当時の新聞、市町村史、部落史、公文書、林業雑誌などから拾い上げ、時代背景などから、いくつかの事件に立体的な考察を加えた初の試みです。

 そのなかには、「枝幸砂金」のゴールドラッシュのさなかに起こった、人夫小屋に押し入り三人を引きずり出して喰い殺した「明治三十四年枝幸砂金人夫襲撃事件」や、南樺太伊皿山に高山植物採取に分け入った男性三名が一週間経っても帰宅せず、捜索隊が山に入ったところ、めちゃくちゃに踏み荒らされ血の海となった藪の中に、頭骸骨が三つ転がっているのを発見したという「昭和十年伊皿山事件」など、専門家にも知られていない凄惨な人喰い熊事件が数多く収録されています。

 またもっとも著名な「苫前三毛別事件」についても新たな仮説を試みました。

 吉村昭の名作『羆嵐』を読まれた方なら絶対面白い一冊です。

 ぜひお手にとってみてください。

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■目次
序 章 歴史に埋もれた人食い熊~上川ヒグマ大量出没事件
第一章 明治初期の人喰い熊事件~石狩平野への人間の進出
第二章 鉄道の発展と人喰い熊事件~資本主義的開発とヒグマへの影響
第三章 「枝幸砂金」と人喰い熊事件~ゴールドラッシュの欲望と餌食
第四章 凶悪な人喰い熊事件が続発した大正時代~三毛別事件余話と最恐ヒグマの仮設
第五章 軍事演習とストレスレベルの関連性~大正美瑛村連続人喰い熊事件
第六章 受け継がれる人喰い熊の「DNA」~北見連続人喰い事件
第七章 十勝岳大噴火~天変地異とヒグマの生態系との関連
第八章 炭鉱開発と戦中戦後の人喰い熊事件~封じ込められたヒグマの逆襲
第九章 樺太~パルプ事業の拡大と戦慄の「伊皿山事件」
おわりに 現代社会にヒグマが牙を剥きはじめた

北海道で幕末以来に発生した人喰いヒグマ事件をデータ化し、マッピングした「人食い熊マップ」も掲載。
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1UrAq4KoujmOltx5iBP7UdLbJlPg9TeUp&usp=sharing

『神々の復讐―人喰いヒグマたちの北海道開拓史』
著者名 中山 茂大
発売日 2022年11月10日
定価 2420円(本体2,200円)
ISBN 978-4-06-529886-2
判型 四六
ページ数 296ページ

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000370754

著:中山 茂大(ナカヤマ シゲオ)
昭和44年、北海道深川市生まれ。ノンフィクション作家。人力社代表。日本文藝家協会会員。上智大学在学中、探検部に所属し世界各地を放浪。出版社勤務を経て独立。東京都奥多摩町にて、築100年の古民家をリノベして暮らす一方、千葉県大多喜町に、すべてDIYで建てたキャンプ場「しげキャン」をオープン。主な著書に『ロバと歩いた南米・アンデス紀行』(双葉社)、『ハビビな人々』(文藝春秋)、『笑って! 古民家再生』(山と溪谷社)など。北海道の釣り雑誌『North Angler's』(つり人社)にて「ヒグマ110番」連載中。

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