静岡県小山町(おやまちょう)の民家を購入してリフォームした横山さん夫妻。漆喰の白壁にアンティークの建具、さらに造園業として独立するために植物室もつくった。植物が見えるリビングには料理が得意な薪ストーブがあり、パーティにも大活躍!
↑ 静岡県の北東部、富士山の麓にある町で、交通アクセスのよさから企業が進出。アクセス/東京から東名高速道路で約70分。新宿から御殿場線駿河小山駅まで小田急線特急で約90分。
薪ストーブ料理を
みんなでつくる楽しみ
「いらっしゃいませ。もうあれこれ始めていますよ」 出迎えてくれたのは、静岡県小山町に移住した横山太一さん・直美さん夫妻だ。そして、今回の取材のために、リフォームを手がけた建築士の長尾さん家族、直美さんの友人の池谷さん家族と神保さんも集まってくれた。

「キャンプに出かけたり遊びに行ったり、メンバーはその都度違いますが、よく集まっています」(太一さん)
「今回は、初めての薪ストーブ料理なので、慣れている友人に助っ人を頼みました。同じストーブを長尾さんも池谷さんも持っているんですよ」(直美さん)
この日、薪ストーブでつくる料理は、ピザ、ポトフ、ローストビーフ、クランブルケーキの4品だ。
横山さん夫妻が購入したのは、ピキャンのクッキングストーブ。調理用のストーブトップ(天板)があり、さらに火炉とは別の専用の調理用オーブンを備えている。ポトフは、ストーブトップに鍋を載せてじっくりと火を入れる。その間に、下の調理用オーブンでピザを焼き、耐熱鍋でクランブルケーキを焼き、アルミ箔で包んだローストビーフも入れる。クッキングストーブが大活躍だ。
「これから冬の時季は、いろいろな料理に薪ストーブで挑戦したいです」(直美さん)





町の担当者や建築士も
家探しから一緒に
横山さん夫妻は御殿場出身。太一さんは裾野市の造園業に勤め、賃貸アパートに暮らしながら、一軒家を求めて1年ほど前から家を探していた。太一さんが造園業として独立する予定もあり、植物室が住宅内につくれることと、常にリビングから植物が見えるシチュエーションにこだわった。


↑ 玄関に飾られたアンティークは、太一さんの趣味だ。
「小山町の移住担当の方が案内してくれましたが、建築士の長尾さんも空き家見学に同行してくれました。基礎部分のチェックやリフォームの予想などをしてくれたので心強かったです」(太一さん)
巡り合ったのが、築49年(当時)のこの家。長尾さんの設計で、おしゃれにリフォームされ、2018年6月から暮らしはじめた。


「屋根を直さずにすんだので、その予算で薪ストーブを入れることにしました。それと小山町には『木質燃料ストーブ購入補助金』があり、5万円が補助され助かりました」(太一さん)
途中からの設置だったため、床の補強や煙突工事など設計変更を余儀なくされたが、薪ストーブ設置の費用は本体+工事費で約100万円だった。

太一さんは当初ほかのストーブを考えていたが、最終的に料理ができるピキャンオーブンに決めた。建築士でピキャンストーブのユーザーでもある長尾さんによると、「このストーブは、あまり暖かくならないという話も聞きますが、30畳ほどの部屋なら無理なく暖まります。あと遮熱板が入っている左右面や背面はそれほど高温にならないため、低温炭化になりにくいなど安全性が高いのも利点です」とのこと。
「鋼鉄製のシンプルなデザインで、つやなしのブラックが気に入っています」(太一さん)
これから、横山さんの家で薪ストーブを囲み、みんなで集まる機会が増えそうだ。
文/水野昌美 写真/平林美紀 イラスト/関上絵美
※田舎暮らしの本 2018年11月号より、加筆転載しています。
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