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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

料理が得意な【薪ストーブ】暖かい&おいしい! 煮込み、肉料理、ケーキも絶品

静岡県小山町(おやまちょう)の民家を購入してリフォームした横山さん夫妻。漆喰の白壁にアンティークの建具、さらに造園業として独立するために植物室もつくった。植物が見えるリビングには料理が得意な薪ストーブがあり、パーティにも大活躍!


静岡県の北東部、富士山の麓にある町で、交通アクセスのよさから企業が進出。アクセス/東京から東名高速道路で約70分。新宿から御殿場線駿河小山駅まで小田急線特急で約90分。

薪ストーブ料理を
みんなでつくる楽しみ

 「いらっしゃいませ。もうあれこれ始めていますよ」 出迎えてくれたのは、静岡県小山町に移住した横山太一さん・直美さん夫妻だ。そして、今回の取材のために、リフォームを手がけた建築士の長尾さん家族、直美さんの友人の池谷さん家族と神保さんも集まってくれた。

テーブル右手前が横山直美さん、隣が中学で同級だった池谷佳寿子さん、左手前が長尾さつきさん、隣が池谷さんの友人の神保明美さん。神保さんも、小山町で古民家を見つけ移住予定だという。ソファには長尾さんと池谷さんの子どもたち。奥は右から池谷喜孝さん、横山太一さん、建築士の長尾隆行さん

 「キャンプに出かけたり遊びに行ったり、メンバーはその都度違いますが、よく集まっています」(太一さん)

 「今回は、初めての薪ストーブ料理なので、慣れている友人に助っ人を頼みました。同じストーブを長尾さんも池谷さんも持っているんですよ」(直美さん)

 この日、薪ストーブでつくる料理は、ピザ、ポトフ、ローストビーフ、クランブルケーキの4品だ。

 横山さん夫妻が購入したのは、ピキャンのクッキングストーブ。調理用のストーブトップ(天板)があり、さらに火炉とは別の専用の調理用オーブンを備えている。ポトフは、ストーブトップに鍋を載せてじっくりと火を入れる。その間に、下の調理用オーブンでピザを焼き、耐熱鍋でクランブルケーキを焼き、アルミ箔で包んだローストビーフも入れる。クッキングストーブが大活躍だ。

 「これから冬の時季は、いろいろな料理に薪ストーブで挑戦したいです」(直美さん)

薪ストーブの下の大きな石は、太一さんが自分で入手。平らな面を下にして、でこぼこした上面はストーブを置くスペースのみノミで削って平らにした。

オーブン室は、2段に分かれ2つの調理が同時進行可能。また扉用温度計とオーブン内温度計を装備。

一次燃焼用給気は使い勝手のいいダイヤル式。焚き付け時は全開にして燃焼を促す。

ストーブトップにはふたが2カ所あって外せ、直火での調理が可能。

炎の色がきれいなのも薪ストーブのよさ。ピキャンストーブは炉内が大きくないので、薪はこまめにくべる。

町の担当者や建築士も
家探しから一緒に

 横山さん夫妻は御殿場出身。太一さんは裾野市の造園業に勤め、賃貸アパートに暮らしながら、一軒家を求めて1年ほど前から家を探していた。太一さんが造園業として独立する予定もあり、植物室が住宅内につくれることと、常にリビングから植物が見えるシチュエーションにこだわった。

横山さん夫妻が購入した家。奥のドアが植物室への入り口。空き家購入で約1000万円、リフォームに約1000万円。

植物室は、もと和室を土を固めて土間にした。ここが庭木の販売や施工などを請け負うショップとなる。「今後は植物室でワークショップをしたりしていきたい」と太一さん。


玄関に飾られたアンティークは、太一さんの趣味だ。

 「小山町の移住担当の方が案内してくれましたが、建築士の長尾さんも空き家見学に同行してくれました。基礎部分のチェックやリフォームの予想などをしてくれたので心強かったです」(太一さん)

 巡り合ったのが、築49年(当時)のこの家。長尾さんの設計で、おしゃれにリフォームされ、2018年6月から暮らしはじめた。

和室は、大正の建具と昭和の照明を使った。

準備の間、子どもたち同士で集まって遊んでいた。

 「屋根を直さずにすんだので、その予算で薪ストーブを入れることにしました。それと小山町には『木質燃料ストーブ購入補助金』があり、5万円が補助され助かりました」(太一さん)

 途中からの設置だったため、床の補強や煙突工事など設計変更を余儀なくされたが、薪ストーブ設置の費用は本体+工事費で約100万円だった。

ウッドデッキに置かれた薪。太一さんが勤める造園会社から廃棄する木をもらい、みんなで薪割りして分け合う。造園会社は処分費用がかからずにすみ、みんなは薪が手に入る。

 太一さんは当初ほかのストーブを考えていたが、最終的に料理ができるピキャンオーブンに決めた。建築士でピキャンストーブのユーザーでもある長尾さんによると、「このストーブは、あまり暖かくならないという話も聞きますが、30畳ほどの部屋なら無理なく暖まります。あと遮熱板が入っている左右面や背面はそれほど高温にならないため、低温炭化になりにくいなど安全性が高いのも利点です」とのこと。

 「鋼鉄製のシンプルなデザインで、つやなしのブラックが気に入っています」(太一さん)

 これから、横山さんの家で薪ストーブを囲み、みんなで集まる機会が増えそうだ。

 

文/水野昌美 写真/平林美紀 イラスト/関上絵美
※田舎暮らしの本 2018年11月号より、加筆転載しています。

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