田舎暮らしの本 Web

  • 田舎暮らしの本 公式Facebookはこちら
  • 田舎暮らしの本 メールマガジン 登録はこちらから
  • 田舎暮らしの本 公式Instagramはこちら
  • 田舎暮らしの本 公式X(Twitter)はこちら

田舎暮らしの本 1月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

❝脱東京❞して大分でゲストハウス運営【大分県日出町】/❝脱京都❞で自給自足的暮らしを目指す【大分県国東市】

“脱東京”でかなえた大分田舎暮らし
別々に脱東京して大分で結婚。ゲストをもてなし、地域に恩返し【大分県日出町】

それぞれ別々に東京から大分へ。移住先で出会い、まるで必然だったかのようにゲストハウスを開業した桜井さん夫妻。「今度は私たちが恩返しする番!」と楽しそうに語る2人の、充実の移住生活を伺った。

掲載:2023年3月号

大分県日出町(ひじまち)
歴史の風情を残す城下町、遊園地や海水浴場などの観光地、日常の生活に便利な大型スーパーや図書館など、エリアごとに表情の異なるスポットが点在し、暮らしやすいコンパクトシティ。海と山の両方が近くにあり、県内外からの移住者も多い。大分市や別府市からのアクセスも良好。大分空港から車で約25分。

 

景色に魅了され移住を決意。夫妻で紡ぐていねいな毎日

ゲストハウスの前の海で桜井さん夫妻。「自然がすぐそばなのに、スーパーも近く、交通も便利。素敵な人も多くて本当にいいところ!」と話す2人の姿から、充実した暮らしを楽しんでいることがわかる。

 木々が立ち並ぶ小道を抜けると、目の前に広がる輝く海。「車で物件を探していたときにたまたまたどり着いたんです。春だったからサクラが満開でね。海を一望できるのも気に入って、絶対この物件でゲストハウスをしたいと即決でした」

 そう話す桜井高志(さくらいたかし)さん(59歳)は、妻のあまねさん(57歳)とともに古別荘をリノベーションしたゲストハウス「Sakura Beach Garden(サクラ ビーチ ガーデン)」を営んでいる。

 東京出身の高志さんは、出張で全国を飛び回る日々。日出町の隣、杵築市(きつきし)に滞在した際、ホテル周辺の散歩中に見つけた景色に感動した。「いつか東京を離れてのんびり暮らしたいと思っていたし、馬と一緒に暮らすのも夢だった」と、脱東京への思いが強まった。とんとん拍子で話が進み、土地を購入してコンテナハウスをセルフビルド。2007年には東京と杵築市の二拠点生活を始めた。

 のちに妻となるあまねさんは、大学進学で上京し、海外の民芸品を輸入販売する会社に勤務。学生時代から海外旅行も好きで、「仕事も含めると20カ国くらいは行きました」と振り返る。都会や海外が大好きなあまねさんが、日本の田舎に興味を持ったのは、東京郊外に引っ越して車を運転しはじめたこと。田舎の魅力に気づき、10年に豊後高田市(ぶんごたかだし)に移住。グリーンツーリズム(農家民泊)のホストの体験を通して、地域の魅力を発信する面白さを実感した。「これからはもてなす側になって恩返ししたい」と、別府市へ住まいを移し、宿泊とロミロミなどを提供するゲストハウス「BEPPU☆くにさち」を開業した。

 それぞれに脱東京して大分県へ移住した2人をつなげたのは、あまねさんが外国人旅行者向けのサイトづくりを以前から顔見知りだった高志さんに依頼したこと。学生時代にバックパッカーとして海外を旅していたことや、ゆっくり生活したい、地域に恩返しをしたいなど、共通点が多い高志さんとあまねさん。「それなら一緒にやろう!」となり、冒頭の物件と出合い、17年に日出町にゲストハウスをオープンした。

海から見ると、映画のワンシーンに出てきそうな一軒家。夕陽や別府湾の夜景など、この場所でしか見られない景色も楽しめる。Sakura Beach Garden|サクラビーチガーデン|宿泊 別府 大分県

1日1組限定のゲストハウス。アクティブに楽しむのもいいが、波の音に耳を傾けながら「なにもしないぜいたく」も堪能できる。

 古別荘は10年以上空き家だったため大幅にリノベーション。

「それまで築いてきたお互いの人脈に助けられました」と、ステップ移住したからこそ得られた、さまざまな特技を持つ友人たちの手を借りながら、一部は自分たちで改修。青い空、広い海、その先に広がる別府の風景を借景に、大人のくつろぎ空間を提供している。

「大分県の魅力発信にも尽力したい。移住希望者に向けた活動もできたらいいですね」と桜井さん夫妻。観光客はもちろん、移住者目線の魅力発信にも力を入れたいと意気込んでいる。

移住者同士で集まって食事を楽しむことも多い。桜井さん夫妻の周囲には、いつも笑顔が集まる。

海辺を散歩しながらゴミ拾いをするのも夫妻の日課。波の音に癒やされるぜいたくな時間でもある。

宿泊者のアクティビティとして準備しているSUP(サップ)は、2人の趣味でもある。朝日や夕陽を眺めながら、ゆとりの毎日を満喫。

桜井さん夫妻にお聞きしました!

Q脱東京してよかったこと
 身近に自然が感じられ、コンパクトな町で生活に困らない。日出町は便利さと豊かさが両方あり、不便はありません。(高志さん)

 地域に愛着が湧くようになりました。好きなまちに住むことで、毎日笑顔で過ごせます。(あまねさん)

Q東京時代と比べて大きく変わったこと
 時間が流れる速度はゆっくりだけど、密度の濃い時間を過ごせています。(高志さん)

 地域の人だけでなく、商工会や観光協会など、人とのつながりづくりに積極的になりました。地域貢献の意識も高まりましたね。(あまねさん)

 

日出町移住支援情報
都会すぎず田舎過ぎず「ほどよい田舎暮らし」ができる

 温暖な気候や豊富な湧水など自然環境に恵まれている一方で、中心部にはスーパーや病院などが集まり生活の利便性も確保されている、「ほどよい田舎暮らし」ができる。大分市や別府市へのアクセスも良好。移住支援として、住環境の確認や住居探しの際に使える宿泊費補助などを用意している。
問い合わせ:日出町まちづくり推進課 ☎︎0977-73-3158
移住・定住情報/日出町 (hiji.lg.jp)

「ハーモニーランド」にちなんでサンリオキャラクターがデザインされた暘谷駅(ようこくえき)。婚姻届にもキャラクターが。

「日出町は魅力がたくさん。お気軽にご連絡ください!」(まちづくり推進課の移住担当)

 

文/黒木ゆか 写真/衛藤フミオ 写真提供/Sakura Beach Garden

 

この記事のタグ

田舎暮らしの記事をシェアする

田舎暮らしの関連記事

★最新【北部九州】2023年版12エリア別「住みたい田舎ベストランキング」【福岡・佐賀・長崎・熊本・大分】

最新【公式】2023年版 第11回「住みたい田舎ベストランキング」で「旬の移住適地」がわかる!

43歳で会社員から林業の道へ。きっかけは通勤電車の中吊り広告【大分県日出町】

南国的空気の下で農活を実践!今後は海での遊びも再開予定【大分県国東市】

【改修不要】自宅で『サウナ』が楽しめる420万円の平屋はウッドデッキ付き!庭でアウトドアを満喫!【大分県宇佐市】

【補修不要】海にも山にも近い150万円の売家は、手入れがよくて、すぐ住める!【大分県佐伯市】

温暖な気候、豊かな自然の恵み、アクセス良好! 瀬戸内エリアの人気のまち「AKB(赤穂市・上郡町・備前市)」で暮らそう

移住者数が3年で3倍に! ずっと住み続けたいまち【愛媛県今治市】本誌ランキング2年連続 全4部門1位!

【築100年古民家】絵本のような絶景に包まれた秘境の美しい伝統住宅!200万円の9LDKはほぼ改修不要!? 宿泊施設や飲食店にも活用可能!【福島県金山町】