宮崎県の友人たちのところへ月1回ほど遊びに行くうちに、「宮崎で暮らしたい」「宮崎で何かしたい」という思いがつのり、移住した宮野さん。そこで出合ったのが日本茶。奥深さにすっかりはまり、新たなライフワークを見つけた。
掲載:2023年4月号
宮野裕子さん Yuko Miyano
滋賀県出身の31歳。大阪で働きながら、宮崎県の友人たちのところを月1ぐらいのペースで訪れる。2020年、宮崎市へ移住。現在は、会社と個人事業で地方創生関係の取り組みに携わる。また、宮崎で出合った日本茶をライフワークに、将来は日本茶の魅力を伝える場づくりがしたいと勉強中。
「宮崎に遊びに行く」から「ここで暮らしたい」に
宮崎県を初めて訪れたのは、2018年のこと。日南市(にちなんし)に住む友人のところへ遊びに来ました。宮崎の印象は、「南国!」。空港にも駅前にも街路にもフェニックスやワシントニアパームが植えられていて、空は青く広くて。留学していたオーストラリアみたいだなと思いました。
それから宮崎での友人が増え、月1回は宮崎へ。訪れるたびに感じるのは、宮崎の人の温かさや暮らしの豊かさです。帰るときは、いつも「また来たい」という気持ちになっていました。
私は滋賀県出身で、当時は大阪の会社で関西各地のコミュニティデザイン事業に携わっていました。もともと、地域でその土地の人と一緒に何かをすることに興味があったのですが、宮崎でいろいろな人と触れ合ううちに、「宮崎で一緒に面白いことができそう」と思うようになりました。
きっかけは友人の「『いつか宮崎に住みたい』と言っていても、〝いつか〞では、いつまでも住めないよ」という一言。また結婚や子育てといったライフステージを考えると、この先、自分の思いだけで移住を決断することは難しくなります。「移住するなら今かな」と決断、2020年に宮崎市に引っ越しました。
今の宮崎での仕事は、九州で地方創生関係の取り組みを進める会社です。基本はリモートワークなので、自宅やコワーキングスペースで仕事をしています。
暮らしてみると、宮崎市は海も山も近く、自然が身近にあり、都会で感じていたようなストレスは感じません。食べ物もおいしいし。ただ、私はペーパードライバーで今は車を持っていません。生活に不便はありませんが、遊びに出かけたり公共交通機関がないところへ行くには、やはり自分で運転できるほうが便利だと感じます。
日本茶の奥深さにひかれ、魅力を伝えたいと勉強中
宮崎に移住していちばんよかったことは、ライフワークとなる日本茶に出合えたことです。友人の紹介で白玄堂という日本茶専門店に行ったとき飲んだ日本茶が、今までのものとはまったく異なるおいしさで、感動しました。店主の白尾さんからお茶について教えていただくうちにその奥深さにはまり、日本茶インストラクターとなるため勉強中です。今後は、自分なりの日本茶を商品化したり、日本茶の楽しみ方を伝えたり、日本茶をテーマに交流ができるスペースを持ちたいと思っています。
少し前に市内で引っ越しをし、今は宮崎県出身のパートナーと一緒に暮らしています。最初に住んだ賃貸マンションが、宮崎駅から徒歩10分ほどのワンルームで月4万7000円。今のマンションは宮崎駅から自転車で20分ほどの2LDKで月約8万円です。宮崎市は、ほかの県庁所在地と比べると家賃は比較的安いかもしれません。
これからは、宮崎と関西をつなぐ何かをしたいですね。例えば、日本茶を通して地元・滋賀県と宮崎県をつなぐこともできると思っています。
宮崎は心身のリフレッシュができる環境が身近にあります。海も近いし、趣味のヨガを自然のなかで楽しんだりもしています。今度、SUP (Stand Up Paddleboard、スタンドアップパドルボード)にも挑戦したいと思っています。これからも、宮崎で自分の暮らし方を模索しつつ、いろいろなチャレンジをしていきたいです。
宮野さんから「女性おひとりさま」移住へのアドバイス
❖事前に何度か訪れ、つながりをつくっておく
私は、移住前に宮崎の友人が増えたので、心細さはありませんでしたが、女性1人の移住はいろいろと不安が多いと思います。引っ越しの際は人手が必要なこともありますし。事前に何度か訪れて、人とのつながりをつくっておくと心強いですよ。
❖自動車は運転できるほうがいい
田舎は自動車が運転できないと困ります。私は宮崎駅から自転車で移動できる範囲なので、自動車がなくても買い物など生活には困らずにすんでいますが、出かける範囲は限定されてしまいます。自動車なしで暮らすなら、地域を選んだほうがいいと思います。
【宮崎県宮崎市(みやざきし)】
宮崎県の南東部に位置する宮崎市は、人口約40万人の県庁所在地。コンパクトなため、街と自然が近く、海や山へもすぐに遊びに行ける。一年を通して温暖な気候に恵まれ、プロスポーツのキャンプ地やサーフィンなどスポーツの大会の開催地として有名。宮崎ブーゲンビリア空港から車で約15分。
宮崎市 移住支援情報
街も自然もすぐ“そば” に! ストレスフリーな宮崎市
通勤・通学時間の短さは全国トップクラスで、休日にはサーフィンやゴルフといったさまざまなアクティビティを気軽に楽しむことができるなど、コンパクトさが魅力の宮崎市。さらに、中心部から空港まで車で約15分と、県外への交通アクセスも抜群。移住に関する相談は「宮崎市移住センター」まで。移住前から移住後までワンストップで対応している。
問い合わせ:宮崎市移住センター ☎︎0985-44-1042(平日 9:00〜17:00)
宮崎市移住センター | 移住前から移住後まで。宮崎市での暮らしをサポートします。 (life-miyazaki.com)
文/水野昌美 写真/岩松敏弘 写真提供/宮野裕子さん、宮崎市
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