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田舎暮らしの本 2月号

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田舎暮らしの本 2月号

1月5日(月)
990円(税込)

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移住にオススメなまち/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(46)【千葉県八街市】

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 9月16日。「勝浦は真夏でも30度を超えることがない」。朝のうちは曇り空。ああ、これだと体はラクだなあとしばし喜んだが、昼前にはまた強烈な光が差してきて蒸し暑くなった。昨日、東京はすさまじいゲリラ雷雨で大騒ぎになっていた。マンホールから建物三階に達する水柱が上がる。新宿駅ホームではすさまじい雨漏り。テレビを見ながら苦笑いした。天下の新宿駅でさえ雨漏りするんだ、築40年、木造の我が家が雨漏りしても不思議じゃないよな・・・と。今日一番初めの作業は紫キャベツとカリフラワーへの「空気入れ」だった。我が畑は南傾斜。このふたつの作物は畑の最下段にある。上から流された土が押し寄せて、雨が上がって高温になるとその土が固くしまってしまう。そろそろと硬い土をほぐし、根に空気が入るようにしてやるのである。

 おととい、川についての話を書いたが、川は美しく感動を与えてくれる一方で、人の暮らしを危うくすることもある。先日の台風13号による大雨では千葉県内の被害が最も大きかった。土砂崩れとともに、100ミリ、200ミリという雨が一気に降るとあふれた川の水で住宅は水に浸かる。県内の住宅浸水は1300棟だと新聞が伝えていた。我が家でも叩きつける雨音はすさまじく、パソコンや電話機や光ケーブルなどが並ぶデスクとその周辺には大きなビニールシートを掛けて万一の雨漏り対策を施すほどだった。先ほど書いたように、野菜にはかなりの被害が出たけれど、でも家が水に浸かるということはなかった。ゆるい傾斜地ゆえに雨水はすべて40メートル先の公道に流れ下るからだ。僕が考える移住地の選択基準のひとつ。それは背後に急な山がないこと、川のすぐそばでないこと。また道路のことも考えておく必要があろう。買い物などで出かけて行く道が両側を山林で囲まれているという場合、崩落や倒木でふさがれ、孤立するリスクがある。特にこれからは温暖化の影響で自然現象が荒っぽい。先ごろ札幌で35度を記録したように予測不能のことが起こりえる。もし物件を見に行く機会があったら、周囲の風景を仰ぎ見ると同時に足元にも目をやろう。地質はどうか、水はけは良さそうかどうか。僕が最初の田舎暮らし物件として買った家の庭にはほとんど朽ちた小さな船があった。近所の人が教えてくれた。昔、台風なんかで利根川の水があふれた時、その船にぷかりぷかりと乗って水が引くのを待ったんだよ・・・。もちろん、僕が移り住んだ45年前には立派なコンクリートの土手が築かれていたけど。

 千葉県内の勝浦には高校時代の海水浴で初めて行った。その後、会社の同僚がそこの出身ということで訪ねて行くこともあり、また最初に書いたように、移住の候補地として物件を見に行ったこともある。海岸の風景としては文句なしだ。猛暑だった今年、その勝浦が注目された。30度を超えることがないのだという。これは移住候補地としては捨てがたいファクターだ。残念ながら僕が物件を見に行った38年前、理想の土地には巡り合えなかったが、もし今、海まで少々時間はかかってもかまわない、遠く海が眺められる場所に1500坪くらいの農地が売りに出されていたら、きっと僕は飛びつくだろう。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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