衝撃の事実! まさか、nano.RIPEがっ?
――サウンドも優しさと煌びやかさが絶妙なバランスであると感じました
「アレンジ、サウンドに関しては、実はジュンとかなり喧嘩しました(笑)」
――喧嘩!? それはどういった内容だったんでしょうか
「楽曲を作る流れとして、まずワンコーラスの簡単なデモをジュンが作って、そこに歌詞と仮歌を乗せた段階で一度『転スロ』制作サイドの方々にイメージの相違がないかチェックしていただいたんですね。で、OKが出てからフルコーラスを作っていったんですけど、その当初のワンコーラスのデモと比べるとフルコーラスのアレンジがすごく豪華になっていたんですよ。ギター、ベース、ドラムという、いわゆるバンドサウンドに加えて、オルガンやシンセサイザー、クラップやベルの音、ほかにもいろいろな音が追加されていて。もちろんそれはそれで音楽的にはすごく完成度の高いものではあったんですけど、『転スロ』の世界観とは少しズレてしまっていたというか」
――きみコさんのイメージする『転スロ』とは違ったんですね
「もちろん、イメージって形のないものなので、あたしの描いているものが必ずしも正解ではないことはわかっているんですけど、今回はそのギャップがどうしても受け入れられなくて……。『バンド以外の音を全部なくしてほしい』とかなり強く主張しました」
――それに対してジュンさんは?
「やっぱり時間をかけて作っていったものをゼロにするのは簡単なことではなかったと思うんですけど、ジュン自身もアレンジを進めるなかで『いろいろ入れすぎかな……』という思いはあったようなので、一度バンドサウンドのみのアレンジに戻したものを聞いてみたら『あ、悪くないかも』となったみたいで」
――では、今回はきみコさんの主張が通った形になったんですね
「そうですね。ただ、ジュンが作った豪華なバージョンもキライではなかったし、一度そっちを聞いたあとにバンドサウンドのみのものを聞くと少し物足りなくなってしまった部分もあって。結果、必要な音だけ少し戻してみようか、というところに落ち着きました」
――ジュンさんの努力も無駄ではなかったという
「はい。そのラリーがあったからこそ、今回の作品が完成したので。こういったぶつかり合いは度々あるんですけど、バンドが成長していくうえでは必要なものだと思うし、お互いに遠慮なく言い合える関係で良かったなとは思っています」
『転生して田舎でスローライフをおくりたい』の登場キャラクター。
©小杉繭・錬金王・阿倍野ちゃこ/宝島社
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