【岡山県津山市の魅力】
近代化の礎となった蘭学・洋学者を輩出した、
自然と文化にあふれるまち
中国山地に抱かれた津山盆地を中心に発展してきた津山市は、古代から現代に至る人びとの絶え間ない営みのなかで育まれてきた伝統文化が今に伝えられ、自然と文化にあふれる豊かな地域です。江戸時代後期には日本の近代化の礎となった蘭学・洋学者を輩出し、彼らの影響を受けた多くの若者が学問に励み、地域の医療や教育に尽力するなど、洋学のまち津山の精神は積極的に新しい物事に取り組んでいこうとする進取の気質として今に受け継がれ、津山らしさのひとつとなっています。
本誌『田舎暮らしの本』の2023年版「住みたい田舎ベストランキング」(人口5万人以上10万人未満のまち)では、総合部門17位、若者世代・単身者部門5位、子育て世代部門6位、シニア世代部門2位となりました。
【城東町並み保存地区】
城下町津山の東側に位置し、旧出雲街道に面している「城東町並み保存地区」。全長1.2㎞にわたり、街道沿いの多くの家屋が近世以降の伝統的建造物として現存しています。かつては、茶屋、豆腐屋、紺屋、塩屋などの商人や、鍛冶屋、大工、左官などの職人の家が並ぶ町人町で、2013年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
【そずり鍋】
「そずる」とは、「けずる」「そぐ」といった意味の津山地方の方言です。牛のあばら骨から削り落とした肉を使ったしょう油味がベースの鍋を「そずり鍋」といいます。旨みの強い「そずり肉」を使い、ゴボウ、ニラ、ねぎ、豆腐などを入れて煮込み、スープと一緒に味わいます。濃厚な旨みがスープに溶け出し、煮込まれたそずり肉がほろりとほどけます。
【新高(にいたか)梨】
肉質がやわらかく糖度が高い大玉の梨で、「梨の王様」と呼ばれています。津山市久米地区の特産品のひとつです。まずはそのサイズにびっくり! 大きなものだと1.5㎏になるものもあります。そして糖度も12度と高く、シャッキリとした食感もまた驚きです。ぜひ、召し上がってみてください。
【コーヒーカン(コーヒーの煮出し器)の復元】
コーヒーは漢字で「珈琲」と書きます。この字を当てたのは、津山藩医であり洋学者(蘭学者)の宇田川榕菴(うだがわようあん)です。榕菴は幕末のころ、西洋からもたらされた医学や化学などの翻訳を行い、酸素や水素といったそれまで日本になかった言葉を生み出しました。日本の近代科学の発展に大きく貢献した人物です。「珈琲」の文字誕生から200年の今、榕菴がスケッチとして残したコーヒーカン(コーヒーの煮出し器、オランダ語でコーヒーポットの意)をもとに復元し、津山市内のカフェで提供しています。
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