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田舎暮らしの本 5月号

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3月1日(金)
890円(税込)

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2024年注目の旅行先→【岡山県真庭市】倉敷に続く新たな観光名所? 大自然と情緒あふれる街並みが魅力のSDGs未来都市

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岡山県の北部、中国山地のほぼ中央に位置する真庭(まにわ)市。岡山の中心地からは車で約1時間40分とお世辞にもアクセスがいいとはいえないなかでも、蒜山高原(ひるぜんこうげん)の大自然や風情溢れる町並みを求めて、観光名所「倉敷」などに続く観光地として県外からも注目を集めています。今回はプレスツアーに参加し、蒜山の大自然や風情溢れる町並みの勝山を巡り、真庭市の知られざる魅力を体験してきたので、オススメのスポットをいくつかご紹介します!

全国屈指のジャージー牛の放牧地“ひるぜんジャージーランド”

蒜山高原の景色と放牧の様子を楽しめるひるぜんジャージーランドの蒜山三座(上蒜山、中蒜山、下蒜山)をバックに高原を撮影。4月から11月にかけては放牧の様子を楽しむことができます。

 まず訪れたのは、岡山駅ら車で約2時間の「ひるぜんジャージーランド」。

 岡山県最北端の“蒜山高原”にある放牧場とレストランなどを併設した施設です。“蒜山高原”は雄大な自然と多彩な観光スポットが集まる、西日本屈指の高原リゾートとして知られています。

 蒜山は、日本最大規模の“ジャージー牛”飼育地域として知られていて、昭和30年頃よりジャージー牛の飼育に取り組んでいます。日本全国で飼育されている約1万頭のジャージー牛のうち、およそ2千頭は、この蒜山地域で放牧されており、国内のジャージー牛の5頭に1頭は蒜山産ということになります!

 「ひるぜんジャージーランド」のレストランでは、ジャージー牛を使用した、チーズフォンデュやローストビーフ丼などのメニューが用意されています。また、ゴールデンミルクとも呼ばれるジャージー牛のミルクを使用した、「蒜山ジャージー100% プレミアムソフトクリーム」は、なめらかな口当たりと濃厚な味わいから観光客に大人気です。筆者も食べてみましたが、大自然を目の前に食べる濃厚なソフトクリームは本当に美味しかったです!

「蒜山ジャージー100% プレミアムソフトクリーム」。ほんのり黄金色のソフトは濃厚でなめらかな味わい「蒜山ジャージー100% プレミアムソフトクリーム」。ほんのり黄金色のソフトは濃厚でなめらかな味わい。

超最先端なSDGs未来都市=真庭市

隈研吾氏が設計監修の「GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)」真庭市は持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた優れた取り組みを行う都市として、国に“SDGs未来都市”として選定されています。

 ひるぜんジャージーランドに行った際に、足を運んでほしいのが、車で5分ほどの場所にある「GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)」。サステナブルの価値をより多くの人に知ってもらうための発信拠点施設として、2021年にオープンしました。この施設は建築家の隈研吾氏が設計監修した施設で、東京オリンピック2020の際に東京・晴海の選手寮の近くに建てられた「CLT PARK HARUMI」を移築したものです。

敷地内に併設されたミュージアムやショップにもぜひ足を運んでみて欲しい。誰でも気軽に取り入れることができるサステナブルなコンテンツ、持続可能なライフスタイルを提案する商品を取り扱っています。

 敷地内にはレンタル自転車が借りられるサイクリングセンターや、セレクトされたサステナブルな商品を購入できるショップなどもあり、ショッピングや現代建築・現代美術の鑑賞を楽しむことができます。

国内でも珍しい“ヤマブドウ”のワインが楽しめる!「ひるぜんワイナリー」

「ひるぜんワイナリー」は日本産のヤマブドウを使用して作られるワインが楽しめる。ひるぜんワイナリーの外観。芝生に覆われた自然を感じられる店構えです。

ひるぜんワイナリーの店内ひるぜんワイナリーの店内の様子。常時10種類ほどのワインに加えノンアルコールのジュースや、ジャムなども購入できます。

 ひるぜんジャージーランドから車で約5分に位置する、「ひるぜんワイナリー」は、日本固有の種「ヤマブドウ」を使用したワインを購入することができます。ワインに詳しい人ならお気付きかもしれませんが、ヤマブドウは栽培や醸造の難しさからワインの原料に使用されることがこれまでほとんどなかった品種で、非常にレアなワインなんです。

野生種であるヤマブドウは小粒なのが特徴
ヤマブドウは一般的なぶどう品種に比べて、粒が小さく1センチ程度と小ぶりで、しかも大きな種が入っているため、果汁が少ないのが特徴です。

 ヤマブドウは、一般的に酸味が強いためワインづくりには不向きといわれていますが、十数年かけて甘いワイン向きの実を実らせることに成功し、研究を重ねて外国産に引けを取らないワインやジュース、ジャムなどをつくれるようになったそうです!

ひるぜんワイナリーの名物社長 植木啓司社長ひるぜんワイナリーの名物社長・植木啓司さん。

 お酒が苦手な人や車を運転される方は、ヤマブドウを使ったノンアルコールジュースなどを楽しむこともできますし、お土産に迷ったら、名物社長がわかりやすくワインについて説明をしてくれるので、ぜひお気に入りのヤマブドウワインを見つけてみてはいかがでしょうか?

「のれんの町」として知られる勝山で、風情ある町並みと“幻の酒米”を使った日本酒を堪能

 次に立ち寄ったのは、蒜山から車で約40分の真庭市勝山(かつやま)。出雲街道の宿場町・城下町として栄え、その古い町並みが残ることから、岡山県で初めて「町並み保存地区」に指定されました。白壁、なまこ壁、格子窓など、伝統的で趣ある商家や民家が並びます。

軒先にかかったのれんが見ているだけで楽しい勝山の街並み
軒先にかかった“のれん”を見ているだけで楽しい勝山の町並み。

 勝山でぜひ注目してほしいのが、今や町のアイコンとなっている“のれん”です。通りにあるほとんどの家やお店の軒先に“のれん”がかけられていて、個性的なデザインの数々がフォトジェニックなスポットになっています。

真庭市勝山ののれん集
軒先にかかった“のれん”はどれも個性あるデザインです。

 なぜこんなにものれんがかけられているのか?というと、染織家・加納容子さんが営む「ひのき草木染織工房」が軒先にのれんを飾ったことをきっかけに、一軒、また一軒と徐々に加納さんがつくるのれんを飾る家やお店が増えていき、今では勝山の110軒以上の軒先に“のれん”が揺れているそうです。

加納容子さんが営む「ひのき草木染織工房」。
加納容子さんが営む「ひのき草木染織工房」は、古民家を改装したおしゃれなアトリエ兼ショップ。

 次にお邪魔したのは、「ひのき草木染織工房」から徒歩5分ほどの場所にある『御前酒蔵元 辻本店』。
1804年創業の岡山県を代表する老舗酒蔵で、定番酒の『御前酒』をはじめ、全ての日本酒を岡山県発祥の“幻の酒米”ともよばれる、「雄町米(おまちまい)」のみを使用して醸しているのが特徴です。

 当日は、端正な顔立ちでファンも多いと噂の、代表取締役を務める辻総一郎さんにご対応いただきました。

蔵元の代表取締役である辻総一郎さんは端正な顔立ちのイケメンだ。端正な顔立ちから隠れファンも多い?と噂の蔵元の代表取締役である辻総一郎氏。

 御前酒蔵元 辻本店では「菩提もと造り」という昔ながらの方法を改良した独自の醸造を行っている事や、軟水と硬水が流れる真庭市の地域特性についてなど、こだわりをたくさんお伺いすることができました。実際に試飲しましたが、御前酒はキレがある口当たりで、ふくよかな旨みが感じられてとても美味しかったです。

 蔵の向かいには直営ショップ&お食事処「NISHIKURA」もあり、気軽に御前酒を楽しめたり、お土産を買うのにもおすすめです。

勝山の街並みは風情あれる写真左手の建物が貯蔵庫などのある酒蔵で、向かいが直営ショップ&お食事処「NISHIKURA」。

御前酒蔵元 辻本店店内のようす御前酒蔵元 辻本店の店内の様子。歴史ある風情はそのままに、モダンでありながらどこか懐かしさも感じられました。

真庭市をはじめとする県北エリアで2024年秋に行われる、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」も必見

森の芸術祭 晴れの国・岡山にも注目したい

 2024年秋には、岡山県北部12市町村(津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、⻄粟倉村、久米南町、美咲町)をエリアとするプロジェクト、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催(予定)。

 アートディレクターに、金沢21世紀美術館 館長で東京藝術大学 名誉教授を務める、長谷川祐子氏を迎え、岡山の県北エリアの豊かな自然とアートを融合する、アート好きの方のみならず岡山県旅行を検討している人には必見のイベントになっています。

 風情溢れる町並みでリラックスできたり、大自然に囲まれて絶品グルメを楽しめる真庭市の旅。みなさまもぜひ次の旅行に足を運んでみてはいかがでしょうか?

 「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の新情報は、今後も随時発表されるとのこと。詳しくは公式HPをチェックしてください。

「森の芸術祭 おかやま 晴れの国」オフィシャルHP
https://forestartfest-okayama.jp/

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  • 蒜山高原の景色と放牧の様子を楽しめるひるぜんジャージーランド。
  • 「蒜山ジャージー100% プレミアムソフトクリーム」。ほんのり黄金色のソフトは濃厚でなめらかな味わい。
  • 隈研吾氏が設計監修の「GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)」。
  • 敷地内に併設されたミュージアムやショップにもぜひ足を運んでみてほしい。
  • 「ひるぜんワイナリー」は日本産のヤマブドウを使用して作られるワインが楽しめる。
  • ひるぜんワイナリーの店内の様子。常時10種類ほどのワインに加えノンアルコールのジュースや、ジャムなども購入できます。
  • 野生種であるヤマブドウは小粒なのが特徴。
  • ひるぜんワイナリーの名物社長 植木啓司氏。
  • 軒先にかかったのれんが見ているだけで楽しい勝山の街並み。
  • 軒先にかかった真庭市勝山の“のれん”はどれも個性あるデザインです。
  • 加納容子さんが営む「ひのき草木染織工房」。
  • 端正な顔立ちから隠れファンも多い?と噂の蔵元の代表取締役である辻総一郎氏。
  • 写真左手の建物が貯蔵庫などのある蔵で、向かいが直営ショップ&お食事処「NISHIKURA」。
  • 御前酒蔵元 辻本店の店内の様子。歴史ある風情はそのままに、モダンでありながらどこか懐かしさも感じられました。

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田舎暮らしの本編集部

田舎暮らしの本編集部

日本で唯一の田舎暮らし月刊誌『田舎暮らしの本』。新鮮な情報と長年培ったノウハウ、田舎で暮らす楽しさ、心豊かなスローライフに必要な価値あるものを厳選し、多角的にお届けしています!

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