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田舎暮らしの本 6月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 6月号

5月2日(木)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

竹内孝功さんに教わるはじめての畑の土づくり&菜園プラン

掲載:2024年4月・5月合併号

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庭や荒れ地を畑にする場合や、はじめて借りた市民菜園などで自然菜園をスタートするとき、市販の天然資材を使って手軽に畝の準備ができます。速効性があり、初年度からよく育つ土づくりの方法です。

スタートの1度だけでOK
微生物が働くきっかけづくり

 野菜が育つよい土は、次の①②③を兼ね備えています。

①水持ちがよい/1週間ほど雨がなくても水分が保たれる。②水はけがよい/大雨の後、2日以内に水たまりがなくなる。③養分を保つ力が強い/窒素、リン酸、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどがバランスよく含まれた土の力で野菜が育つ。「よい土」は土中の微生物の働きによる「団粒構造」を保っています。微生物を増やし活発に働くようにするのが土づくりです。

 庭や荒れ地などを畑に変える場合や、はじめて借りる市民菜園で土中の微生物が育っていない場合などは、天然資材の力を使って土の団粒構造が育つきっかけをつくるのがコツ。最初にしっかり準備をすれば、その後は微生物の働きで、畑で野菜が育つのと同時に団粒構造も発達して土づくりは自然に進みます。

 紹介するのは市販の天然資材を使った、手軽な土づくりの方法。寒い時期は種蒔きや定植の1カ月以上前に、4〜5月から10月の暖かい時期は2週間ほど前までに行ってください。

竹内さんの農場の一角に4m×5m(外周の通路含まず)のモデル菜園をつくる。少量多品目の野菜を年中収穫するプチ自給菜園にちょうどよい広さ。

4つの基本資材を入れる

○腐葉土/微生物のエサになり、すみかになる。

○ゼオライト/多孔物質で水分の保持力と排出機能を兼ね備える。

○もみ殻燻炭/多孔質で通気性と水はけ向上、微生物のすみかにも。

○天然有機リン酸/バットグアノ。実を付けさせ味をよくする。

表面に草がある場合は地際から刈って持ち出したうえ、4つの資材をそれぞれ全面に撒く。量は1㎡当たり○腐葉土1~2L○ゼオライト1kg○もみ殻燻炭1L○バットグアノ100~150g。※1

※1 土質によってさらに追加する資材(1㎡当たり) ○水はけの悪い粘土質→もみ殻、パーライト、バーミキュライトなどを1L ○水や肥料の持ちが悪い砂地→赤玉土、腐葉土などを1L○野菜がリン酸を吸収しにくい火山灰土→バットグアノを50g ○畑以外の場所→苦土石灰100g

スコップや鍬を差し込み、深さ20~30cmまでの土を起こし、反転させて全面を耕す。

耕運機を使う場合、何度も回って徐々に深くまで耕していく。

庭の畑化には培養土を

庭や荒れ地など、畑以外の場所を畑にするときは、単独でプランター栽培ができる培養土を追加で撒く。1㎡当たり○プランター培養土1L。

培養土を入れる場合は、4つの基本資材を撒いて耕した後、全面に撒く。

培養土を撒いたら、耕して畑の土とよく混ぜる。

畝を立てる

畝は一度つくれば長年使えるので、長さを測ってひもを張り、正確にたてる。畝幅1mで南北方向に、畝間の通路は幅50cm。

通路の土をすくって畝側に入れる。畝の高さは10cmほどが目安。水はけが悪い畑の場合は20cmほどの高畝に。

レーキを使って畝の表面を平らにならす。

熊手を使って表面に浮いた草や根、石などを除く。畝の形が整ったら、ひもを外す。

米ぬか&油かすは表層に

畝立てができたら、微生物のエサとなる米ぬかと油かすをよく混ぜ(畝立て後すぐに作付ける場合は入れない)、さらに有機石灰を混ぜて撒く。1㎡当たり○米ぬか50g+油かす50g○有機石灰( カキ殻、貝化石など)100g。

立てた畝の表面に米ぬか、油かす、有機石灰の3つを混ぜたものを撒く。

レーキを使って表面5~10cmの土と混ぜる。こうして表層の微生物の活動が活発になる。

畝の表面を鎮圧してならす。

通路に緑肥mixを蒔く

通路にマメ科の赤クローバー、クリムソンクローバー、イネ科のオーチャードグラス、ライグラスを混ぜた緑肥mix※2を蒔く。蒔き時は春と秋。生育後は益虫の隠れ家になり、刈って草マルチにも利用できる。

※2 つる新種苗(☎0263-32-0247 https://tane.jp)にて購入可。

幅50cmの通路の場合、通路の中央にすじ蒔きする。量は1m当たり10gが目安。蒔いたら種が隠れるよう、薄く覆土して鎮圧。その上にもみ殻やもみ殻燻炭でマルチして乾燥を防ぐ。

自然菜園プランは少量多品目を3つの畝で育てる

 畑の準備の後、土が自然によくなっていくためには、病虫害や連作障害※3を避けるのがたいせつ。家庭菜園では少量多品目を次の3タイプの畝に分けて育てる菜園プランがコツです。

①連作畝/○連作障害なく連作できる野菜 ○連作したほうがよくできる野菜 ○組み合わせで連作障害を回避できる野菜

②夏畝/○連作障害の出やすいナス科、ウリ科の果菜類 ○コンパニオンプランツ

③冬畝/○連作障害の出やすいアブラナ科の野菜 ○キク科、マメ科ほかコンパニオンプランツ

 ②と③の場所を毎年交互に入れ替えて連作障害を防ぎます。

※3 同じ場所で繰り返し育てると病虫害が増えたり、生育不良などの障害に陥る。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜 ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』、新装版『無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(すべて宝島社)ほか多数。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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