カール・ベンクス氏には、好きなように仕事をしてもらった。
「彼は古民家再生で実績のある建築家。できあがる家は、アーティストの作品ですから、自由にやってもらいました」
約1年半かけて完成したカールベンクスハウス「いなば」は、色鮮やかな洋館の外観を持ちながら、随所に古民家が持つ「和」の風情を感じさせるものとなった。さらに床暖房をはじめ、気密性の高いドイツ製の窓やイタリア製のタイル、スウェーデン製のシステムキッチンなど、現代の生活にマッチしたセンスと快適さも追求している。周囲のどこか懐かしさを感じさせる風景と相まって、心からリラックスできる暮らしやすい環境だ。かつての集落の暮らしの歴史と現代の感性が融合した、古くて新しい、これからの時代を感じさせる家となっている。
「この家に住む方が決まったら、もう1軒の改修も始めたいですね。新しく移住する人が来れば、新しいことが始まる。それはいつだって、素敵なことです。とても楽しみにしています」
「長い時を刻んだ古材の柱や梁が印象的でしょ」と中村さん。内壁は調湿効果・消臭効果・耐火性に優れた珪藻土だ。床暖房で冬の対策も万全。
玄関ドアには集落にあった蔵の扉を利用。家のあちこちに昔の板戸や蔵の戸などを上手に活用し、歴史を感じさせる。
約20畳の小屋裏はフリースペースで、ロフトやトイレも設置可能。「隠れ家アトリエや子ども部屋など、自由に楽しめます」と筒井さん。
イタリア製のタイルとスウェーデン製のシステムキッチンで、オール電化。調理しながらも外が見える。
2階に設置された浴室。窓の外には雄大な自然の風景が広がる。
カール・ベンクス氏 建築デザイナー。1942年、ドイツ・ベルリン生まれ。パリで建築デザインオフィスに勤務後、空手を学ぶために日本大学に留学。日本に住んで27年の間に再生した古民家は、現在60軒。
カールベンクスアンドアソシエイト㈲
https://karl-bengs.jp
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