岩手県の東南部に位置する遠野市(とおのし)は、人口は約2万5000人。昔ながらの曲り家などの原風景が残り、カッパや座敷童子などの民話が伝承されている。市内各地に柳田國男の『遠野物語』の舞台となった場所が数多くあり、人と妖怪が同居していたと思わせる雰囲気を感じることができる。
遠野市の中心市街から数㎞離れたところにあるのが、カッパが人びとを驚かせたという伝説が残る「カッパ淵」。常堅寺という寺の脇を流れる小川で、夏になると、キュウリが結ばれた釣り竿が設置され、カッパの捕獲に挑戦できる。ただし、カッパを捕獲するためには遠野市観光協会で販売している「カッパ捕獲許可証」の購入が必要。
田んぼの中に佇む茅葺き屋根の荒神神社(あらがみじんじゃ)。祀られている権現様は、ほかの地の権現様の片耳を食いちぎったという伝説があり、荒神様と呼ばれている。
田園地帯にありながら、インターに近く、保育園、小学校なども5㎞圏内
物件は市の東側にあり、田園地帯のなかに立ち、5㎞圏内に、保育園、小学校、産地直売所、スキー場がある。高速道路のインターも近くにあり、釜石市などの沿岸部へアクセスしやすい。近くにある、釣りが楽しめる早瀬川では、ヤマメやイワナを狙うことができ、遠野小富士の異名を持つ六角牛山(ろっこうしさん)では登山を満喫することができる。
少し小高い場所に立つため、家からは田園風景が望める。物件は築69年で、空き家期間も長期におよんでいるため、全体的に大幅な改修が必要。室内の家具はほとんど撤去済みだ。一部境界未確定箇所があるため、購入後境界確定作業が必要となる。
遠野市では、家の改修や取得に対して補助を用意している。
①リフォーム事業助成金:空き家バンクに登録されている物件を対象に、リフォーム工事費用の半額、または家財道具の整理の費用の半額を助成(補助の上限はリフォーム工事が40万円、家財道具整理が10万円。活用はどちらか一方のみ。市外からの移住者の方が対象)。
②木づかい事業費補助金:遠野市産木材を使用して行ったリフォーム工事に対して、2万5000円/㎥を補助。補助上限は100万円。
③空き家取得奨励金:県外からの移住者または39歳以下の若者が空き家バンクに登録されている物件を購入した場合に、30万円の奨励金を交付。
【物件データ】
岩手県遠野市
50万円
土地:69坪・231㎡
延床:47坪・155㎡
取得費補助:最大30万円
改修費補助:最大40万円
処分費補助:最大10万円
●7K●宅地●ひな段地●都市計画区域外●築69年●汲み取り式トイレ●釜石線平倉駅より約1.7㎞●市の東端に位置し、釜石市や住田町に近く、沿岸部へのアクセス良好。保育園、小学校、産地直売所、高速道路IC、スキー場へ約3〜4㎞、スーパーとホームセンターへ約10㎞。一部境界未確定箇所があるため、購入後境界確定作業が必要。
●問い合わせ先:で・くらす遠野 ☎0198-62-2111
玄関を入ってすぐに廊下があり、その向こうに10帖和室が広がっている。
1階には、8帖・6帖・10帖の和室と洋室が並び、廊下を隔てて8帖の和室がある。壁のはがれや畳がない部屋があり、要改修。
10帖の和室の様子。畳部分のほかに板間があり、そこに大きな収納棚がある。光をもっと取り込みたい場合は、ずらすか撤去するのがいい。
8帖の和室は畳が撤去されているので、新調が必要。壁紙も傷んでいるので、張り替えたい。
6帖の和室も、壁紙が剥がされており、張替えが必要。クローゼット部分も改修しておきたい。
廊下は広く、日当たりがよい。部屋と廊下を仕切る襖が外されているので対策が必要だ。写真奥は2階へつながる階段。
2階の4.5帖和室。収納力のある押し入れやクローゼットがある。窓から望む風景は格別だ。
2階の8帖和室は2面の窓があり、明るい。壁紙や畳に傷みがあるので、改修したい。荷物はほとんど撤去済みだが、一部残っている部屋もある。
ダイニングキッチンは8.5帖の広さ。大きなシステムキッチンがあるが、錆びやへこみなどがある。勝手口(写真奥)の手前にトイレが配置されている。
バスルームはシンプルな設備で、床と壁の下側はタイル張り。ボイラーは使用可能かどうか、要確認。
トイレは和式と簡易洋式の2つ。どちらも汲み取り式のため、改修が必要。
外収納の中は荷物がいっぱいなので、撤去をどうするのかは確認が必要。
【岩手県 遠野市の魅力】
移住の相談窓口「で・くらす遠野」を設置
遠野市では、移住専門の相談窓口として「で・くらす遠野(観光交流課事務局)」を設置し、移住希望者の相談対応をはじめ、ポータルサイトでの情報発信や移住フェアへの参加などを行っている。
【ジンギスカン】
遠野市では、みんなで集まったとき、空気穴を開けたバケツに南部鉄器の鍋を載せて焼く「バケツジンギスカン」がソウルフードとして根付いている。遠野のジンギスカンの特徴として、ほかの地域のように先に肉に味付けをせず、焼いた肉にタレを付けて食べる。
【荒川高原】
遠野三山早池峰山(はやちねさん)の南麓に広がる荒川高原は、国の重要文化的景観に登録されている。かつて、遠野の基幹産業だった馬産を支えてきた牧場で、今でも多くの馬が放牧されている。
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