昔の壁掛け時計のような形状の「時計型ストーブ」。農家などでよく見かける日本生まれの薪ストーブだ。ホームセンターなどで安く購入できて、暖房に、調理に、アウトドアにと大活躍。その魅力・実力を紹介しよう。
小屋の暖房や野外料理に大活躍
わが家にはホームセンターで手に入れた鉄製の時計型ストーブがある。上から見た形が振り子時計に似ているのが名前の由来で、購入時の価格は5000円以下だった。
以前は部屋の暖房として使っていたが、最近はもっぱら庭でかまど代わりにしている。天板のふたを開けると直火料理ができるのだ。大豆やコンニャクイモを煮るときなど長時間の煮炊きにとても便利。羽釜でご飯も炊ける。鋳物の薪ストーブと違い、非常に軽いので持ち運びしやすいのも庭やアウトドアで使い勝手のいいところだ。災害時にも活躍してくれる。
鉄板が薄いため蓄熱性は低く、耐久性もそれほど高くないが、わが家ではもう5〜6年使い続けている。暖房として1シーズン日常的に使用した場合は、2〜3年で買い替えが必要かもしれない。
時計型ストーブはスタンダードな鉄製のほか、さびにくいステンレス製や炎の様子が見えるガラス窓付きモデル、長脚付きモデルなど多彩なバリエーションがあるので、目的や好みに合わせて選ぶとよいだろう。
ホンマ製作所「時計1型薪ストーブAF-60」価格5280円
昭和36年(1961年)に登場した同社のベストセラー。最大の魅力はなんといってもこの価格と、屋内、屋外を問わずに使用できる多機能性。軽量で持ち運びしやすいことから、近年はキャンプでの需要も高い。
●サイズ:幅40 0×奥行き6 0 0×高さ345㎜●重量:5.9㎏●最大出力:3600kcal/h●暖房面積:30~50㎡程度●最大薪長:50㎝程度
部屋やガレージの暖房に
小型のストーブなので暖房面積は20畳程度が目安。煙突や本体の設置は、一般的な薪ストーブと同じ。脚が短いので、きちんとした炉台をつくらないと、熱が床まで伝わってしまうので要注意。室内で使用する場合は、長脚モデルがおすすめだ。古民家の土間やガレージなどの暖房としてもよい。
長時間の煮炊きや野外料理に
天板には2つのふたがあり、1つは5サイズの組みぶたになっている。羽釜や鍋、フライパン、ダッチオーブンなど、調理器具のサイズに合わせてぴったり固定してつくる直火料理が可能だ。天板が広いので同時調理や保温、湯沸かしにも便利。
ゆっくり時間をかけた燻製づくりに
天板に燻煙材を置いて薪を燃やし、燻煙材から煙が出始めたらふたをはずしたペール缶や一斗缶を逆さにして被せれば、スモーカーになる。火床におきができると熱が冷めにくく、長い時間をかけてゆっくりと食材をいぶせる。
冬のキャンプに
ストーブ本体の重さは5㎏前後で、煙突も簡単に組み立て、分解ができるので、持ち運びが容易。そのため冬キャンプの暖房として利用している人も多い。アウトドア料理も楽しめて一石二鳥。なお、テント内で使用する場合は、幕に触れないようにして屋外に煙突を出し、通気を確保すること。
文・写真/和田義弥 イラスト/大沢純子
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