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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

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ダイコンは本葉が育ったら間引いて根を太らせる/竹内孝功さんに教わる自然菜園のスゴ技【第7回】

掲載:2022年10月号

500円玉間隔で種を蒔き鎮圧 がっちり根性がある発芽を目指す

地中海沿岸から中央アジア原産とされ、冷涼な気候を好むダイコン。古くから日本に伝わり、各地に多くの品種が見られます。アブラナ科のなかでは種が大きく、がっちりと根性のある発芽をさせると大きな双葉に育ちます。500円玉間隔で種を蒔き、土をしっかりと鎮圧してください。本葉3~4枚に育ったら間引きを始めて根を太らせましょう。

1 土づくり

初めての菜園では畝を準備。夏野菜やネギの後の肥沃地が最適

 水はけよく水持ちのよい畑を好みます。土中の未熟な有機物はダイコンを又根にするため、草などを鋤き込まないように。夏野菜やネギを育てた後地なら、何も入れずにそのまま種を蒔きます。

 初めて畑にする場所などでの畝全体の準備は必ず1カ月前までに済ませてください。

2 準備

蒔き床は1カ月~2週間前に耕し、種蒔き直前に再度耕す

 土中の有機物の分解を促し、蒔き床の草を減らし、コオロギやナメクジの害を減らすため、蒔き床は種蒔きの1カ月~2週間前に一度耕しておきます。さらに種蒔き直前にもう一度浅く耕すと、草も生えにくく、初期生育がよくなります。

鍬やスコップを使って深さ20~30cmほどの作土層を耕しておく

3 種蒔き

① 500円玉の間隔で種を蒔く

 アブラナ科のなかで種が大きく、発芽しやすいダイコン。立派な双葉を発芽させ、根をしっかり育てるのがポイントで、種蒔きには2つのコツがあります。

 1つ目のコツは種を直径約3cmの500円玉間隔で蒔くこと。こうするとお互いに協力して水を吸い上げ、乾燥を防ぎ、草も生えにくく、本葉2~3枚になるまで間引きなしで育ちます。間隔が狭いと発芽後に徒長しやすいです。

耕した畑では、鍬幅に軽く溝をつける

蒔き床を鎮圧して平らにならす

条のなかに500円玉の間隔になるよう、ていねいに種を蒔く

耕さない畑では、地際から草を刈り、表層の土を削って除く。鍬幅に浅い溝をつくり、鎌や鍬の刃を土に入れて土中の根を切り、蒔き床を鎮圧 して種を蒔く

②覆土したらしっかり鎮圧

 種を蒔いたら種の厚さの2倍、1cmほどの深さに土をかけ、しっかりと鎮圧してください。これが2つ目のコツ。土の水分が種に移って発芽が促されるうえ、土が乾きにくくなります。こうして水やりせずに発芽させると、徒長せずよく育ちます。また、種は地上に持ち上がることなく土中に残り、双葉は種の養分を使って大きく育ちます。

蒔き溝全体に覆土する

体重をかけてしっかりと鎮圧

もみ殻でマルチして乾燥を防ぐ。草マルチはコオロギやナメクジを呼びやすいので、もみ殻にするとよい

4 お世話

①本葉3枚になったら一気に間引く

 3cm間隔に種蒔きした後、本葉3枚まで育つと根が肥大を始めます。このタイミングで最初の間引きを。15cmほどの間隔にしてください。根菜の間引きは手で抜き取ります。朝は葉がちぎれやすいので、午前10時以降に間引きましょう。

混み合ったところを間引いて間隔を広げる

②本葉5~6枚で2度目の間引き

 本葉5~6枚で根の肥大が加速します。このとき、2度目の間引きをしてください。ここまでスムーズに育っていれば、株間を30~35cmにして間引きを終えます。

本葉5~6枚までは葉ダイコンとしておいしく食べられる

③周囲の草を除いて草マルチ 1週間雨がなければ水やりを

 条と周囲の草は抜き取るか、地際で刈って、草マルチとして株元に敷いてください。

 1週間雨がなければ、夕方にストチュウ水で水やりしましょう。生育が促され、虫害のダメージも減らせます。

※ストチュウ水 酢・木酢液・焼酎を1:1:1に混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL)3杯分の原液を混ぜる。

水やりはストチュウ水をジョウロで葉の上からたっぷりとかける

5 収穫

①葉が垂れ下がったら出来上がり

 ダイコンの生育が進むと、立ち上がっていた葉が垂れ下がってきます。これで出来上がりです。収穫初期は食べる分だけ抜き取ってください。

 霜が降りはじめたら、土寄せして肩を埋め、年内はそのまま畑に置くことができます。

外葉が垂れ下がったら抜き取る

②葉と根を切り分ける

 収穫したら葉と根を切り分け 切り分けるると、ダイコンの水分が抜けにくく、みずみずしさを保てます。葉は傷みが早いので、収穫した日のうちに調理しましょう。

葉の付け根から切り分ける

③真冬から春先用は土中か冷蔵庫で保存

 真冬から春先まで保存するダイコンは、葉が垂れて霜が数回降りてからすべて抜き取ります。根の頂部の生長点を切り落としたうえ、土に埋めて保存してください。または、よく洗ってビニール袋に入れ冷蔵庫での保存も可能です。

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、最新刊『苗で決まる!自然菜園』(農文協)ほか多数。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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