センスのある空間。
「センスがいい」と、よく口にはしますが、“センス”の軸は人それぞれ。そして、歳を重ねるごとに一個人が考える“センス”も変わっていきます。そう、“センス”は無限大。
宝島社が発行する雑誌「MonoMaster」3月号では、『センスのある空間。』をテーマに、様々な自宅空間を紹介しています。
そこで、田舎暮らしの本編集部が本誌でも人気のある「薪ストーブ」のある空間をピックアップ!
神奈川県小田原市に自宅をかまえる松本夫妻のこだわり空間を堪能してください。
松本茂高さん/弘美さん
●動物写真家
写真家・星野道夫さんに影響を受け、カナダやアラスカに通うようになった茂高さん。その星野さんの写真展がきっかけで、のちに奥さまとなる弘美さんと出会った。冬でも軒下で風を感じながら食事をするのが好きという二人。
通い慣れたアラスカの山小屋をイメージ。
「家を建てようと思い、藤沢のBESSに行っていろいろ条件を出したんですけど、イメージに合った土地を何カ所か提案してくれましたね」
田んぼの中に新しく作られた造成地。すぐ近くの里山を望む絶景のエリアだ。
「この土地を見に来たのは8月の午後だったんですけど、心地いい風が吹いてたんです。だからすぐに契約して家を建て始めたんです」
陽当たりのいい広いリビング。窓からは自然豊かな里山の景色が楽しめる。
1994年からカナダやアラスカに通い始め、野生動物をフィルムに収めては写真展を開催。彼の地で出会った山小屋、大自然と向かい合った素朴な暮らしが、BESSの“程々の家”というモデルのイメージと重なった。
「アラスカとかの旅先で薪ストーブを体験していたから、そのよさはよく知ってたんです。だから家を建てるなら絶対に薪ストーブを設置して、寒い時期になると毎日火をおこす。薪ストーブが暮らしの中心となる存在にしたかったんです」
薪ストーブを設置してある土間のすぐ横は、風が感じられる広い軒下空間。
ヘラジカなどの野生動物を写真に収めるため、カナダやアラスカに通うようになった。
2階の吹き抜けスペース横にも旅先での写真をパネルにして飾る。
家は必要なモノしか置かないと決めている。
「モノを置かないようにしてても薪ストーブ関連は増えていきます。薪割りの斧もそれぞれ用途が違うし、グローブもいろいろ試してみたりして」
薪ストーブライフに必需品となる斧は用途別に複数所持。
山小屋をイメージして、オイルランタンを使用。
“素朴な暮らし”は夫婦で共通したテーマ。
「センスって人それぞれ違うけど、うちは風や季節を感じられるような“素朴さ”が大事なのかなって思っています」
これぞ素朴な暮らしと言わんばかりに、窓からの景色は季節ごとに変化する写真のようだ。
家の裏と側面には他の家が建つ予定はないので、風通しや陽当たりは抜群。
「MonoMaster」3月号より抜粋して掲載
撮影/山田真人 編集・原稿/野上真一
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