広島県熊野町は日本が誇る伝統的工芸品「熊野筆®」の産地。一定の条件を備えた筆だけがその商標を使うことができ、“筆の都”の匠たちが技術を競い合っている。そのなかで、もっとも長い150年もの歴史を受け継ぐ「広島筆産業」の最新作を紹介しよう。
熊野筆®の起源は江戸時代末期にさかのぼる。
農閑期になると農民が出稼ぎに行き、近畿地方から筆や墨を仕入れて山陽道で行商をしながら帰ってきていた。その後、熊野に筆づくりが伝えられ、次第に盛んになっていったという。
熊野筆®は、1975年に国の伝統的工芸品に指定され、技術や伝統が現在へ受け継がれ、その技術を生かした画筆や化粧筆などの様々な筆が今もなお熊野町内で生産されている。
熊野町には現在20社以上の筆メーカーがあり、住民の24,000人のうち、約2,500人が筆づくりに携わっているという。まち全体が産地として一つになって筆づくりに取り組んでおり、名実ともに日本一の筆を生み出しているのだ。
毛を選別して不要な毛を間引きながら、様々な毛を丁寧にそして均一に混毛して、束ねる、という一連の工程は、熟練の職人による手作業で行われている。一本一本の毛の先まで神経を尖らせた、美しいものづくりが伝統的工芸品を支えているのだ。一度も穂先をカットされたことのない毛を使い、穂先の毛を切り揃えずに筆の形に仕上げるため、肌あたりがよく、繊細で適度なコシと機能性の高さが熊野筆®の特徴だ。
今回は、世界で活躍するトップアーティストからも絶大な信頼を得ているメイクブラシを紹介しよう。
熊野筆®は、毛の種類によって肌触りやメイクのノリが違うため、下地の種類や仕上がりのイメージによって筆を使い分けるのがメイクのコツなんだとか。メイクブラシは様々なタイプが市場に溢れていて、実際、どんなタイプを選んでいいのかわからないというお悩みのある人は必見!
今までにない実用的でかわいいメイクブラシ!
注目したのは、アイスクリームのようなデザインの熊野筆「KIMERI」。
「KIMERI」ブランドは、エコなデザインに定評があるデザイナー、Takumi Shimamura 氏のディレクションのもと、伝統を継承しつつ、新しい化粧筆のライフスタイルを提案。木製軸の部分が高級感もあり、大人かわいい感じで女性の心をくすぐるデザインだ。
この軸の加工は、もうひとつの伝統工芸である石川県の山中漆器の木挽き職人が一個一個加工しているそう。しかも、小さいパーツのような木の軸は、お椀や食器を作ったときに出る端材が利用されているのだとか。端材も職人の手にかかればこのような素敵な逸品になるのだと、あらためて日本の職人技に感動を覚えるだろう。
使い分けるとメイクの仕上がりが格段にアップ!
メイクブラシは、毛先の形状や毛質で用途が分かれている。正しく使えば普段のメイクが段違いにきれいに仕上がるのだ。
パウダーブラシ
Cone powder brush¥17,820 / KIMERI
ふっくらと穂先が大きいパウダーブラシは粉を顔全体にのせるときに使用。驚くほどなめらかで、わずかに水分を含みしっとりと素肌に馴染んでくれる。
チークブラシ
Cone cheek brush¥17,600 / KIMERI
ソフトでなめらかな穂先と適度な弾力で素肌にフィット。頰の部分にチークをのせるときや陰影をつける際のシェーディング、ハイライトにも使える。
アイシャドウブラシ Mサイズ
Cone eye shadow brush M¥13,200 / KIMERI
丸みのある穂の部分が、まぶた全体にアイシャドウをふんわりとのせる際に、ちょうどムラなく付けられる最適なサイズ感。
アイシャドウブラシ Sサイズ
Cone eye shadow brush S¥8,580 / KIMERI
細くなった穂先が上下のまぶたの際や目尻などの細かい部分に入り、シャドウラインもきれいに描けるサイズ。
リップブラシ
Cone lip brush¥8,580 / KIMERI
筆型のリップは穂先が分かれないので、安定して輪郭や細部に塗りやすくなっている。
このように用途別に使い分けることで、誰でも上手にメイクすることが可能。熊野筆「KIMERI」は上質な使い心地で、普段のメイクをプロ級に格上げしてくれる最高の相棒となってくれる!
若干値段は張るが、お手入れをしっかりすれば長く愛用できる逸品。メイクが苦手な人やメイク初心者の方にこそおすすめしたいメイクブラシだ。
【問い合わせ先】
KIMERI(広島筆産業株式会社)
URL:https://www.artbrush-hiroshima.com/
田舎暮らしの本編集部
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