掲載:2022年1月号
2021年11月上旬の情報です。
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標高1700m級の名峰が連なる「九州の屋根」こと、くじゅう連山を仰ぎ、町域の多くを山林や原野が覆う山里が九重町(ここのえまち)。なかでも美しい自然を保つ飯田(はんだ)高原への移住を決めた竹細工作家の夫妻は、身近に点在する数々の名湯に癒やされながら日々の制作に精を出す。
制作環境を追求した結果、いで湯の里へ行き着いた
阿蘇くじゅう国立公園に含まれる標高1000m前後の丘陵地に、のどかな草原や湿地の風景が広がる飯田高原。くじゅう連山の1つである涌蓋山(わいたさん)を望む高台で2021年9月から暮らしているのが、ともに竹細工作家の吉田直樹(よしだなおき)さん(41歳)・紀子(のりこ)さん(43歳)夫妻だ。
2人は大分県立竹工芸訓練センターで学び、伝統工芸士の下で修業。結婚後、由布市に住んでいたが、よりよい制作環境を求め九重町への移住を決めた。
「材料のマダケの生産量が日本一の大分県内に絞り、竹が嫌う湿気の少ない高原エリアで物件を探していたんです。趣味の登山が近隣で楽しめる環境や、薪を採取できる山林が付いていることも気に入りました」
と、直樹さんは話す。購入した物件は2階建ての8DKで、リビングとキッチンを中心に好みの内装へと改修した。広い土間や大きな納屋、気兼ねなく竹材処理の煮炊きができる広い庭は、仕事の面で重宝。編み目が美しいバッグやかごのほか、現在2年待ちというコーヒードリッパーの制作に日々励む。
「今は趣味を楽しむ余裕はありませんが、目の前に広がる雄大な風景や季節の花々に癒やされ、高原野菜はおいしい。手仕事の商品は心の状態が影響しますから、気持ちにゆとりが生まれるのがいいですね」
と、紀子さん。一方で座ったままの作業が続くと、2人とも全身がガチガチに凝る。そんなときには身近な温泉へ。最寄りの筌の口(うけのくち)温泉をはじめ、長者原(ちょうじゃばる)温泉や寒の地獄温泉など飯田高原だけでも複数の温泉がある。
「まだ試している段階ですが、いろいろと選ぶ楽しみがあり、飽きることがありません」
そう口を揃える夫妻は、スキーやスノボも趣味。近くには町民は無料のくじゅう森林公園スキー場があるので、仕事にゆとりができたら再開したいという。
九重町オススメスポット&グルメ
高原の湯・遊・食の宝庫
「町内12カ所の温泉群『九重“夢”温泉郷』をはじめ、キャンプ場やスキー場など、雄大なくじゅう連山の麓に大自然を体感できるスポットが豊富です」と、企画調整課の香下慎太郎さん。九重“夢”ポークや豊後牛、高原野菜など、豊かな自然が育む美食の宝庫だ。
九重町移住支援情報
1カ月間まで利用できる移住体験住宅の運用を開始
移住体験住宅「KOKONOE HOME」を2021年10月から運用開始。住まいや仕事探しの拠点などとして、1日1000円で最長30日間滞在できる。飯田高原にある3DKの平屋で、生活関連の家具・家電や2台分の駐車場を完備。また、空き家バンク利用者を対象に、最大200万円の改修補助金、最大20万円の引っ越し補助金、10万円の移住奨励金などを用意している。
問い合わせ先:企画調整課 ☎0973-76-3807 https://kokonoe-iju.com
文・写真/笹木博幸
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