掲載:2023年3月号
2023年1月上旬の情報です。
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かつては鉱山のまちとして栄えた神岡町。その面影を残すレトロなまち並みに店舗として活用できる物件がある。劣化が激しいため全面的なリフォームは必須だが、活用の仕方次第では、まちに活気を与える一軒になるかもしれない。可能性が感じられる物件だ。
生活利便施設が徒歩15分圏内の7K
商店が並ぶ中心地の長屋
店舗経営にオススメ
古川町から北東へ約20km。車を30分ほど走らせると、富山県との県境に近い神岡町にたどり着く。神岡町はかつて鉱山として130年間にわたって発展してきた企業城下町。2001年に鉱物の採掘を中止したが、鉱山開発によって活用していた鉄道の廃線跡を「レールマウンテンバイクGattanGo(ガッタンゴー)‼」として再生するなど、観光スポットとして活気を取り戻している。大手企業の工場などもあることから、中心地には市民病院や大型スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどが点在。神岡町の中心地に住んでしまえば、徒歩や自転車で生活できてしまうということは特筆すべき点である。また、商店街やレトロなまち並みが残り、文化も感じられる。中心地から車で15分ほどの場所にはスキー場やキャンプ場、ハイキングができるスポットがあり、楽しみは尽きない。
そんな神岡町の中心地に位置する物件は、かつて古物商が営まれていた。入り口にはショーケース、6畳ほどの広さと思われる土間もある。うなぎの寝床のように細長い構造で、土間の向こうには座敷が3間続く。日中でも光が差しにくい場所であることから、売り物を保管していたのだろうか。収納も多い。一番奥はキッチンで、窓から光が差し込み明るい。2階も同様に細長くて明暗があるものの、部屋数はある。
ただ、空き家となって10 年以上が経過しているとあって、畳や床がたわみ、なかには抜け落ちそうな箇所も。床材だけでなく、根太材など土台から点検したほうがよさそうだ。また、風呂や駐車場がないのも懸念事項である。この物件に定住するのであれば、スケルトン工事をして浴室を増設するなど、間取りを変える大改装を施したほうが活用の幅が広がるかもしれない。もしくは、住居としての活用は諦め、ワンフロアに改装してカフェなどを営むのもひとつの手だろう。
そこで、奥の手をもうひとつ。昨日の記事でご紹介した同じ飛騨市の物件を住居用として、本物件は店舗用として、2つの物件を取得してしまうというのはどうだろう。取得費・改装費が倍になるのは否めないが、100万円以下の物件であれば、それも不可能ではない。
【物件データ】
岐阜県飛騨市
98万円
土地:23坪・77㎡
延床:36坪・122㎡
取得費補助:最大60万円
改修費補助:最大150万円
●7K●宅地●平坦地●都市計画区域内非線引き●築59年●汲取●高山本線飛騨古川駅より約18.4km●神岡町の中心街に位置する木造2階建て。スーパーなどの生活利便施設が徒歩15分圏内。小学校へ約800m、中学校へ約900m。入り口は土間で、小売店やサービス業を行うのにも最適。ただし風呂がなく、近隣の入浴施設「流葉温泉 ニュートリノ」へ約5. 8km。駐車スペースなし。
●問い合わせ先:総合政策課 ☎0577-73-6558
周辺環境ココがGood
総合政策課 橋本さんに聞く
こんな人にオススメ
商店が並ぶ中心地に位置する物件は、入り口にショーケースを備えているので、小売業などを営みたい人はぜひご検討ください。
飛驒市Goodなスポット
道の駅「スカイドーム神岡」
物件から徒歩16分ほどの場所にある道の駅「スカイドーム神岡」。飛驒の漬物や山の幸を加工したさまざまな特産品を集め販売しているほか、「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」も併設している。レストラン「ひだ小僧」では、ニュートリノをイメージしたスペースカツカレー(写真下)や、郷土料理の熊汁などが食べられる。
飛驒市移住支援情報
空き家情報サイト
「飛騨市住むとこネット」
市内の空き家を活用したいという買い手・借り手につなぐ空き家情報サイト「飛騨市住むとこネット」。飛驒市と市内宅地建物取引業者が連携して運営しており、物件の交渉・仲介は指定の仲介業者が、その他必要に応じて飛驒市が移住サポートを行う。飛驒市に定住する目的で住宅を取得する場合は、「住宅新築・購入支援助成金」を支給している。
問い合わせ先:総合政策課 ☎0577-73-6558 https://u-turn.hida-kankou.jp/u-turn/
文/横澤寛子 写真/田中貴久 写真提供/飛驒市
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