富山県南西部に位置する南砺市(なんとし)は、市内中央部を東海北陸自動車道が通り、中京・東海地域からの北陸の玄関口にあたる。世界遺産「五箇山合掌造り集落(ごかやまがっしょうづくりしゅうらく)」をはじめとして、豊かな歴史と文化が今もなお息づいている魅力的なまち。市内は大きく8つの地区に分かれ、それぞれに特色があり、ライフスタイルに合わせて選ぶことができる。近年、テレワークの日常化や家族との時間を大切にしたい人の増加などにより、都市圏からの移住者が増加。市では、空き家情報の提供や就業相談など、充実した支援を行っている。
2023年3月上旬の情報です。
すでに契約済みの場合があります。
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掲載:田舎暮らしの本 2023年3月号
懐かしい日本の原風景が残る世界遺産「五箇山合掌造り集落」は、フランス・ミシュラン社発行の「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも最高峰の3つ星観光地として選ばれている。五箇山には、相倉(あいのくら)と菅沼(すがぬま)の2つの合掌造り集落があり、今も人びとが生活を営み、集落を大切に守り受け継がれているこの地は「生きた世界遺産」とも称されている。伝統工芸の五箇山和紙や、日本一古い民謡といわれる「こきりこ」など、昔から変わらぬ暮らしにふれることができる場所だ。
「越中の小京都」と呼ばれる城端(じょうはな)エリアには、古い蔵や石畳、路地が残り、しっとりと情緒あふれる町並みが広がる。毎年5月5日に行われている国指定重要無形民俗文化財「城端曳山祭(じょうはなひきやままつり)」は300年の伝統を誇り、ユネスコ無形文化遺産に登録された。職人の集大成ともいえる、繊細な彫りと塗りが施された山車の豪華さは圧巻。御神像をのせた6台の山車と、獅子舞や神輿などが街中を練り歩く。こうした古い「神迎え行列」をとる形式は県内でここだけ。夕刻からは提灯が灯る「提灯山」となり、日中とは違う風情を見せる。
屋敷林で守られた「アズマダチ」の古民家
石畳の八日町通り(ようかまちどおり)に数多くの彫刻工房が軒を連ね、木彫刻のまちといわれている井波(いなみ)エリア。物件はその地区に立つ築77年の古民家で、富山独特の「アズマダチ」様式。家の三方は屋敷林で囲われ、妻壁(つまかべ)の束(つか)と貫(ぬき)を格子模様に組み、その間を白く塗った造形が特徴。1階は和室6つとキッチンなどの生活空間で、2階は物置と小屋裏となっている。倉庫付きで、物件とセットで農地42坪も取得可。周囲には田んぼが広がり、山も見える。小・中学校や保育園、コンビニ、病院、スーパーなどが2.5km圏内。
長く空き家になっていたので、床がフカフカしていたり、建付けが悪く動かない建具があったりなど、状態は決してよくなく、リフォームは必須。自分でDIYリフォームを楽しみたい人、のんびりした時間を満喫したい人、家族で野菜や果物を栽培したい人、制作活動の拠点を探している人などにおすすめしたい。なお、物件の前面道路は建築基準法の道路ではないため、確認が必要。
【物件データ】
富山県南砺市
50万円
土地:176坪・583㎡
延床:35坪・117㎡
取得費補助:最大60万円
改修費補助:最大100万円
●6K●宅地、畑●平坦地●都市計画区域内非線引き●築77年●水洗トイレ●城端線福野駅より約4㎞●富山独特のアズマダチ古民家。和室6部屋に加え、2階は物置と小屋裏収納、別に倉庫もある。引き渡しは2023年4月以降で、残置物含め現況引き渡し。空き家歴7年のため大幅補修は必須。前面道路は建築基準法の道路ではないため、確認が必要。駐車場あり。物件とセットで農地42坪も取得可。
●問い合わせ先:南砺市 南砺で暮らしません課 ☎0763-23-2037
襖や障子などはそのまま残っている。建具などはうまく活用してリフォームしたい。
残置物含め現況引き渡しとなっており、必要のない残置物は処分することとなる。
風呂はとてもコンパクト。広い浴槽がほしい場合はリフォームが必要。
洗面所や水洗トイレは改修されており、きれいな状態。完全個室ではないので、気になるのであれば、個室化のリフォームが必要。
【富山県南砺市の魅力】
古きよき日本の原風景と伝統文化が息づくまち。子育て環境の整備に力を入れている
南砺市は、四季折々の豊かな自然に恵まれ、古きよき日本の原風景と伝統文化が今に色濃く残っている。市内中央部を東海北陸自動車道が通り、中京、東海地域からの北陸の玄関口であり、能越自動車道を使えば、能登地域へのアクセスも良好。子育て環境の整備に力を入れていて、本誌「住みたい田舎ベストランキング」北陸エリアで8年連続1位を獲得している。
【ふくみつ千本桜ライトアップ】
福光地域の中心部を流れる小矢部川(おやべがわ)。その両岸2㎞にわたりサクラが植えられ、花が咲くころには人びとで賑わう。夜はライトアップされ、幻想的な夜桜も楽しめる。
【ヨッテカーレ城端の「おむずび」】
東海北陸自動車道城端ハイウエイオアシス内にある施設「ヨッテカーレ城端」は、「地場」にこだわった土産・農産物を販売。特に人気なのが、「とろろ昆布」「白えび」「ほたるいか」など24種類もの具が揃う「おむすび」。地元の米でていねいに握られたできたてホカホカのうまさは格別。砺波平野や里山ののどかな風景を眺めながら食べてほしい。
【新五箇山温泉ゆ~楽】
緑に囲まれた庄川沿いの最高な立地にある温泉センター。露天風呂から望む、四季折々に表情を変える山々と、庄川のエメラルドグリーンの水面、そこに映える山々は、一見の価値あり。絶景を眺めながら五箇山の天然温泉を満喫しよう。
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