もらってくれれば助かる「負の不動産」を、ほしい人にマッチング!
無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト「みんなの0円物件」に掲載された0円物件。新潟県湯沢町にある苗場スキー場が徒歩圏内のリゾートマンションの1室。
「みんなの0円物件」
https://zero.estate/
Twitter @zeroestate
田舎の空き家や土地を、タダで譲ってでも手放したいというニーズがある。使うあてのない空き家でも、所有していれば修繕費や降雪地域の除雪費などの管理費がかかり、さらに固定資産税も課せられる。解体するにも費用が必要。とはいえ売却しようにも、その見込みもつかない。いわば負の不動産は、「いっそ、もらってくれるだけでも助かる」のだ。
一方で、田舎の不動産を求めるニーズはある。タダならなおさら、譲り受けたい人がいる。
「みんなの0円物件」は、こうした不動産の「あげたい人」と「ほしい人」をつなぐ、無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト。2019年7月の開設以来、徐々に物件数と閲覧数を増やし、これまで1136件の物件を掲載した(23年5月12日現在)。ページ閲覧数は約213万回/月にのぼる。サイトを運営する0円都市開発合同会社の代表、中村領さんは言う。
「掲載した物件の9割弱がマッチングに成功しています。つまり、インターネットで広く募った結果、ほとんどの物件にほしい人がいたわけです。『ここは難しいのでは』という先入観は当てになりませんでした。0円物件は求める人にとって、たとえ失敗しても損失は少ない。ハードルが低いですからね」
低リスクゆえ、さまざまな使い方にチャレンジできて、夢を叶えられそうな0円物件。その可能性や、利用するうえでのポイント、注意すべき点などを中心に、中村さんに伺っていこう。
【物件が無償譲渡される理由】
1.田舎の空き家・土地は高く売れない
2.相続放棄できない
3.持っているだけで手間と時間がかかる
4.空き家を解体するとお金がかかる
【0円物件のメリット】
物件をあげたい人」にとっては、マイナス資産処分の負担が軽減され、また思い入れのある空き家・空き地を再活用してもらえる可能性が高まる。「物件をほしい人」にとっては安価に物件活用ができ、新たな事業化や移住などの変化が、これまでよりも容易にできるようになる。
中村 領 なかむら・りょう さん
1977年生まれ、札幌市出身。 2014年より経営コンサルタントとして独立。 2019年から無償譲渡物件の不動産マッチング支援サイト 「みんなの0円物件」を運営、0円都市開発合同会社を設立し代表に就任。次世代に残す宿題を少しでも軽くしたいとの想いから、中小企業支援・空き家問題などに複合的に取り組み、社会起業家として活動している。
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