あげたい人からの情報を掲載。現地を調査する無償サポーターは、交渉優先権を得られる
超人気の無償譲渡物件のマッチング支援サイト「みんなの0円物件」に掲載された売地。軽井沢にも近い群馬県嬬恋村の別荘地で、もちろん0円。周辺にペンションやコテージも多く、木々に囲まれた自然豊かな環境だ。
超人気サイト「みんなの0円物件」を運営する0円都市開発合同会社の代表、中村領さんに、0円物件がマッチングされる驚きの仕組みをうかがった。
0円物件を「あげたい人」は「みんなの0円物件」のサイトに無料で情報を掲載できます。「ほしい人」はサイトを見て申し込むだけ。私たちは応募した人のなかから「あげたい人」が求める条件に合った人をマッチングして紹介します。「ほしい人」にも利用料はかかりません。
私たちが行うのは、受け取った情報のサイトへの掲載と、ほしい人のマッチングだけ。仲介は行いません。
受け取った物件情報については最低限の調査しかしていませ。利用される方には、「利用料はかかりませんが、あくまで自己責任で」とお願いしています。そういう理由で、サイトからの“おすすめ物件”もありません。その後の交渉や必要な手続きも当事者同士で進めていただいています。
ただ、必要な書類をそろえるだけでなく相続人や抵当権など、物件を譲渡するうえではクリアしなければならない条件がそれなりにあるわけです。「あげたい人」の多くは、それらを専門家に任せたいと考えます。
このニーズに応えるのが「あげたい人」向きに設けた有料の「おまかせプラン」です。サイトの運営費は、この「おまかせプラン」の収益と、サイトに付く広告料でまかなっています。
サイトをご覧いただくと、物件の紹介のなかには、写真のほか動画を使ったものもあります。「所有者の方からの情報だけでなく、物件によっては訪問調査もするのでは」と思われるかもしれません。じつは運営スタッフによる訪問調査はしていませんが、現地調査などをしていただく「みん0サポーター」がボランティアとして全国に約1500人登録されているんです。所有者が遠隔地に住んでいるなどの理由で情報が充分に得られない物件については、近くのサポーターにお願いしたり、出向いてもらえるサポーターを募ったりして、現地の写真や動画をスマホで撮るなどの協力をいただいています。サポーターのメリトは、調査した物件が気に入った場合に優先的に交渉できる権利です。
写真が手配できない物件は一定数あります。が、コストの面だけでなく、サイトをはじめてしばらくすると新型コロナウイルスが流行してしまい、遠くまで調査に行くのはますます難しくなりました。そんななかで生まれたアイデアが「みん0サポーター」制度。これが思いがけずヒットして助かりましたよ。
協力していただく皆さんには、優先権だけでなく、調査という名目で物件を見に行く理由ができるのを楽しみに感じる方が多いようです。お金は動かさず、必要なときは優先権という一種の物納で済ませる。なるべくお金をかけずに流通が促される「みん0サポーター」は、「0円物件」にふさわしいしくみだと思っています。
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