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田舎暮らしの本 12月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

山岳風景が美しい高原で、趣味と村おこしにいそしむ毎日【群馬県嬬恋村】

百名山の浅間山・四阿山・本白根山に囲まれた避暑地・嬬恋村。長年別荘として利用していた家に定住した工藤さん夫妻は、趣味のトライクやガーデニングを楽しみながら、村おこしサークルにも参加。「今まで村からいただいてきたたくさんの楽しみや幸せに恩返ししたい」と、さまざまな活動に精を出している。

 

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掲載: 田舎暮らしの本 2023年7月号

 

長野県との県境に位置する高原地帯の村。高原野菜の産地としても知ら れ、夏秋キャベツの生産量は日本一。冬のスポーツも盛んで、スケートの五輪代表も輩出。車の場合は東京から関越自動車道経由で約3時間20分。 電車の場合は北陸新幹線軽井沢駅からレンタカーが便利。

 

両親も愛した別荘に住み
村に幸せの恩返しを

780万円で購入した家を、2回にわたってリフォーム。元は平屋だったが、広い天井裏を利用して越冬仕様の2階建てに変え、ウッドデッキを広くしてサンルームも設けた。

 2000m級の山々に囲まれ、村域のほぼすべてが高原地帯の嬬恋村。浅間山北麓に広がる別荘地には避暑で訪れる人だけではなく、高原の四季に魅せられて定住している人も多い。

 奇勝・鬼押出し近くの別荘の日当たりのよい庭で、楽しそうにおしゃべりをしながらヨモギを摘むご夫婦の姿があった。長年、この地で別荘ライフを楽しんだのち、2021年から村民となった工藤聡(くどうさとし)ん・子(えみこ)さん夫妻だ。

「昔、友達が嬬恋に別荘を持っていて、よく遊びに来ていたの。短大で専攻していたホテル観光学科の実習も軽井沢だったし、昔からこのあたりになじみがあったのね」(惠美子さん)

 惠美子さんと惠美子さんのご両親は高原の気候が好きで、よく貸別荘を利用して長期滞在していたが、「帰ってこられる定

点のような場所がほしい」と2008年にこの家を購入。ご両親は春から秋をここで過ごし、当時千葉に住んでいた工藤さん夫婦も頻繁に訪れた。

 ご両親が他界してからも、2人が最期まで愛した景色のなかで過ごしたいと、聡さんと惠美子さんは嬬恋に通い続けた。

「森の中に満ちている、あの凜とした空気の感じがたまらなく好きなんです。草取りなどは大変ですが、集中してやっていると大嫌いだった虫にも愛おしさを感じるようになってきて(笑)」(惠美子さん)

 2021年、夫婦は完全移住することに決めた。

「転入届を出すときに、何か村のお役に立ちたいと窓口の人に話したら、農業と観光を軸に村を元気にする会『嬬恋村キャベツーリズム研究会(キャツ研)』を教えてもらいました。会員になったら、短期間で知り合いがものすごく増えたんです」(聡さん)

 夏山清掃登山に参加したり、マルシェで売り子をしたり、趣味のトライクで高原ツーリングを楽しんだり……。イベントがない日も、庭で野菜を育て、風が吹き抜けるウッドデッキで本を読むなど、高原の家で過ごす毎日の楽しみは尽きない。

「僕たちは今まで、幸せや楽しみを受ける側だったのですが、これからは村に恩返しをしていきたい。夫婦で合計200歳を目指しながら、移住者だからこそ気づく村の魅力を伝える手助けができたらいいですね」(聡さん)

カナダのBRP社のトライク(3輪バイク)は、普通免許で乗ることができる。浅間山の見えるお気に入りの場所で。

敷地内には小川が流れていて、野バラが自生。フキやコゴミ、山ウドなど山菜もたくさん採れる。

庭でヨモギを摘む惠美子さん。

洗ったヨモギに村の名水を沸かしたお湯を注いで数分待つと、鮮やかな色と香りのお茶が完成!

敷地内にはタラの木があり、春にはタラの芽が採れる。「次郎(2番芽) まで摘んで、三郎(3番芽)は残しておくんです」。

ガレージの横には菜園があり、ナスやトマト、ピーマンなどの夏野菜を育てている。

1回目のリフォームから地元の業者と相談し、玄関の風除室とともにサンルームもつくった。

初夏から秋にかけて、朝食はウッドデッキで。バリアフリーなので、ワゴンもスムーズに運べる。

別棟のカフェスペースもあるゲストハウス「UBUKATA(うぶかた)」は、工藤さんたちお気に入りの場所。 https://guesthouse-ubukata.com

全国にメンバーがいる「キャツ研」。屋根裏だった2階の書斎でオンラインミーティング。

毎年10月に開催される復興支援イベント「嬬恋晴レルヤ レインボーウィーク」のマルシェにも参加。

5月に浅間山北麓ジオパークの認定ジオガイドとしてデビューした聡さん。「浅間山の溶岩流」を案内中。

夏山清掃登山で湯の丸高原へ。「登山はこちらに来て始めました。自分の足で山頂まで登れることに感動!」(惠美子さん)。

四阿山(あずまやさん)が見えるお気に入りのスポットで。「キャベツの季節になると、緑のグラデーションがとってもきれいなの」と、惠美子さん。

 

工藤さんの夏の過ごし方

外の空気を感じながら生活

 ウッドデッキで朝食をとったり、ハンモックで本を読んだり、庭で野菜をつくったり、浅間石が置かれた庭でガーデニングを楽しんだりと、いろいろな趣味を楽しむ工藤さん夫妻。万座や草津など、近隣の温泉までトライクで近距離ツーリングを楽しむことも。

「星がよく見えるので、天体望遠鏡を買おうかと思っています」と聡さん。

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文/はっさく堂 写真/尾崎たまき

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