【9】移住者だけで固まり過ぎない
移住者が増えている地域では、親睦団体を組織しているところが少なくない。移住者が定期的に集まって、地域や趣味の情報交換をする。持ち回りでホームパーティーをやると、自分にはない生活の知恵が垣間見えて興味深いものだ。しかし、それに慣れ過ぎるのも考えもの。毎日のようにSNSで情報交換するのも、頻繁に顔を合わせるのも移住者同士だけでは、田舎に移り住んだ意味がない。地域社会と触れ合って学ぶべき相手は、地元の人だからである。
よそ者だけで集まると、地元の人はあまりいい感情を抱かない。何か企んでいると誤解されるときもある。自己主張が強い移住者同士はもめごとも起きやすいので、お互いに頼り過ぎないことだ。
【10】アバウトさも身につけること
田舎で道を尋ねると、「車で5、6分」が実際は十数分かかることがよくある。これは意地悪をしているのではなく、慣れた道は実際よりも近く感じるのだ。集合時間に遅れて来る人もいる。地元の人は慣れているから笑いながら待っているが、それに怒る移住者をたまに見かける。緊張感を招くので、褒められた行為ではない。
ある道具を探していると地元の人に相談したら、「2、3日したら持っていくよ」という言葉が返ってくる。それが「1週間後」になることは珍しくない。自然相手の生活は計算通りにいかないので、「近いうちに」と解釈すべきなのだ。移住者が自然に寄り添って生きるには、地元の人と同じようにアバウトさを身につけることも大切になってくる。
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この記事を書いた人
山本一典
田舎暮らしライター/1959年、北海道北見市生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、85年からフリーライター。『毎日グラフ』『月刊ミリオン』で連載を執筆。87年の『田舎暮らしの本』創刊から取材スタッフとして活動。2001年に一家で福島県田村市都路町に移住。著書に『田舎不動産の見方・買い方』(宝島社)、『失敗しない田舎暮らし入門』『夫婦いっしょに田舎暮らしを実現する本』『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条』『福島で生きる!』(いずれも洋泉社)など。
Website:https://miyakozi81.blog.fc2.com/
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