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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

老いと幸せ/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(49)【千葉県八街市】

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 12月19日「楽しく生きると、楽をするは似てるけど、反対語かもよ」。グンと冷えた朝。ランニングに行こうと庭に出て、ふと足元を見ると、昨日仕事で使ったバケツの水に薄氷が張っていた。いよいよこのシーズンだな。さて今日はガールフレンド「フネ」が来ることになっている。日中の気温は10度とのこと。よっし、焚火で温まりながら食事しよう。先日、切ることは切ったが、ぶっとい木ゆえに躊躇していたやつを20メートルの距離、どっこいしょと運ぶ。空気が乾燥しているのでたやすく燃え上がった。

 フネは相変わらず口が悪い。僕も負けじとやり返す。どこか漫才に似ている。すぐに相方の頭をぶったたく漫才があるよね、あんな感じで言葉のパンチを応酬しつつ、ガハハッと笑い合う。めんたいこフランスを口に押し込む、サツマイモを食う、そして朝の光を浴びながら珈琲を飲む。フネがつぶやく。いいねえ、焚火って、いいねえ、こういう時間って・・・。

「楽しく生きる」と「楽をする」は似てるけど、反対語かもよ。

 「加藤登紀子のひらり一言」からの引用である。加藤さんは続けてこう書く。

自分で考え、体を使って何かをする喜び! 踏ん張れば踏ん張るほど楽しみは大きくなるのよ! 反対に楽をしちゃうと満足感が得られない。

 僕は楽しく生きようとの願望が常にある。他方、ラクをして生きたいという願いはまるでない。加藤さんの言葉、踏ん張れば踏ん張るほど・・・まさしく今朝の僕は踏ん張って、オナラが3つほど出たのも気に掛けず、20メートルの距離を大木を運んだのだけれど、その甲斐あって、燃え上がる火にフネは喜び、せっせと火箸で火の管理をしてくれ、楽しい時が過ごせた。加えて畑はきれいになったし、出来上がった大量の灰は春作の野菜に役立つし、「三方一両得」だよな。で、なぜ僕はラクをしたいと思わないのだろうか。ラクを覚えさせると肉体はどんどんラクをしたがるぞ、との思いはたぶん、大学の運動部やマラソン経験から生まれたような気がする・・・のみならず、キツイことに快感を覚える妙チクリンなマゾ的な性格でもあるらしい。この先、気温がどんどん下がり、乾いた風が吹く日が続くと我が手はこの下の写真のようになる。土には皮膚の油脂分を吸収する作用がある。休息なしに連日働く手であるから、いったん開いたアカギレはなかなか治らない。サトイモなんかの水洗いはタフだ。でも、小さな夢心地も沸いてくる。このアカギレが消える頃には明るい春がやってくるのだ・・・と。

この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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