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田舎暮らしの本 3月号

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田舎暮らしの本 3月号

2月3日(火)
990円(税込)

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人口問題を考える/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(50)【千葉県八街市】

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 1月24日。「ロスジェネという言葉は聴いたことがあるけれど・・・あのア二メ事件で今考えること」。昨日は日差しがいまいちの天気だった。でも穏やかだった。しかし今日は吹く風がとんでもなく冷たい。冷風がじわじわ体を絞めつけてくる、そんな感じ。しかし大雪に見舞われている能登のことを思うとこんな寒さはちょろいものだ。テレビはビニールハウスで生活する家族のことを伝えていた。避難所では心身が休まらないからと。ハウスにはストーブが置いてあり、その火で簡単な食事が出来る。しかし、一部に穴が開いているハウスはキビシイ。なんたって地面から伝わってくる冷気だ。でも、僕もやはり、もし家が倒壊したら避難所には行かずにビニールハウスで暮らすことになるだろう。前にも書いたが、僕は多くの人と接するのが苦手。朝から晩まで、寝る時までも一緒、そんな暮らしはどんな寒風よりもシンドイ。

 ロストジェネレーション(ロスジェネ)という言葉は以前から知ってはいた。しかし深く考えたことはなかった。いま朝日新聞が「京アニ放火事件法廷から」という連載をやっている。そこでさまざまな識者が考えを述べている。青葉被告は父親からの虐待があり、不幸な家族環境に育ち、最後はインターネット上に居場所を見つけた。そして、人生の逆転を目指した小説の応募が実を結ばなかった。社会学者・阿部真大氏はこう語る。

誰しもそれぞれ不幸を抱えているはずですが、現実の世界に居場所を見つけ、不幸を克服しながら生きています。青葉被告は不幸が次々に重なり、「つっかえ棒がなくなった」と表現しました。考えるべきは世代です。青葉被告はロスジェネと呼ばれる就職氷河期世代。私は青葉被告のふたつ年上で同世代です。就職、結婚、育児、マイホーム購入という戦後家族に典型的な人生を歩むものと思っていました。しかし、ロスジェネにはそんな人生を歩めない人が大量に生まれました。

 冒頭書いたように、僕は戦後ベビーブームの世代。受験も、通勤の混雑も、公団住宅の応募倍率もキビシイ時代を通り抜けた。しかしそれでも、就職する会社はあり、そこそこの給料やボーナスはもらえ、女性に出会い、家庭を持つことが出来た。それに対し、就職も結婚もマイホーム購入も厚い壁に阻まれる・・・僕は朝日新聞の記事を読み、これまでボンヤリとしか考えなかったロスジェネという世代がいかに辛く困難な暮らしを強いられたのかを初めて理解したのだった。落ちこぼれサラリーマンだった僕は、会社というものにいくらかネガティブな思いを抱く。だが、就職できる会社があり、給料がもらえ、それでもって恋愛する心の余裕が生まれ、結婚し、子どもを持ち、住まいもアパートからステップアップしてマイホームを獲得する・・・このプロセスは、社会全体が豊かさを維持し、人材を求める会社が数多くある、それで初めて可能なことだったのだ。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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