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田舎暮らしの本 5月号

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3月1日(金)
890円(税込)

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風呂の施工【予算200万円】DIY経験しかないスタッフが廃材で家を建ててみた【32】

行き当たりばったりで家を建てている施主・和田。洗面所に続き、風呂の施工だが、案の定、カビだらけの浴槽にボロボロのルーフィング。果たしてちゃんとできるのか。

掲載:2018年12月号

大好きなヤフ○クで購入したヒノキの浴槽3万8000円。最近はメル○リもお気に入り。

ヒノキだが、底がカビだらけの浴槽 

 引き続き水回りの施工である。今回は風呂。風呂はタイル仕上げで、腰から上は板張りらしい。和田によれば、ユニットバスなどは邪道であるという。
和田「ユニットじゃ本のネタにならないからね! それに、あの樹脂に囲まれた空間が好きじゃないのよ」
水野「この間、ホームセンターで最新のユニットバスを見て、はしゃいでいたくせに」
和田「ぐ……。ホラ! もう湯船買っちゃったし!」
 そう言って和田が示したのは、なんとヒノキの浴槽である。
和田「ヤフ○クでたくさん売りに出ていたの!」
 見た目はまずまずキレイだが、ひっくり返してみると案の定カビだらけである。
阪口「想像どおりの汚さだな」
和田「これからサンダーかけてキレイにするから!」
阪口「しかし床がタイル張りだと冬寒いんじゃないの?」
和田「スノコ敷くから大丈夫!」
水野「ホームセンターで『お風呂の床はスノコがマスト』って言ったら笑われてたよね(失笑)」
和田「ウチはスノコがいいの!」
阪口「樹脂製でキュッキュッ鳴るマットあったよね。アレにしたら?」
和田「アレはないね」
中山「さすがにウチもないよ」
阪口「ないない」
水野「ウチ使ってるけど。浴室マットといえばアレでしょう」
一同「……うそ!」

一見キレイに見えた浴槽も、裏を見ると中古らしい汚れ方。腐食による「痩せ」が気になるところ。

ボロボロのルーフィングで壁の防水処理

 そんなことで施工に入ろう。
 まずは下地のコンクリ打ちだが、その前に底上げをする。庭の隅っこに転がっているガレを運んで敷き詰めるのだ。しかしそれでも足りずに、今度は造園屋に不用品を譲ってもらったというブロックを運び込む。
阪口「こんなキレイなのとってあったんだね」
中山「ガレにするのはもったいないよな」
和田「そう? こういうキッチリしたのはあまり好きじゃないんだよ。見えるところに使うなら、もっと味わいがあるものにしたいんだよね」
 およそ適材適所というにはほど遠い和田の好みに、改めてあきれる一同である。まあ他人の家のことだし、いいか……。ということでガレを敷き詰め、そのすき間に土砂を流し込んで突き固める。次の作業は壁の防水処理だ。どうするのかというと……。
和田「余っているアスファルトルーフィングがあるから!」
 そして和田が取り出してきたのは、アチコチが破れたり、溶けて固着していたりして、ほとんど産業廃棄物に近いシロモノであった。
阪口「これ捨てるだろフツー」
水野「汚すぎて触りたくないんですけど」
和田「まだ使えるし!」
中山「だって破れてるよ」
和田「大丈夫大丈夫!」
 ボロ雑巾のようなルーフィングを張ったところで、この日の作業は終了した。

ここがお風呂になる場所。まずはガレや石膏ボードの切れ端を放り込む。いわゆるゴミである。

ガレにするブロックと土砂を搬入する担当・水野と中山。はっきり言って雑用である。

ゴミが足りなくなったら、ブロックをすき間なく詰め、さらに砂を流し込んで転圧する。

これまたゴミのようなアスファルトルーフィングを張っていく。床もゴミなら壁もゴミ。

偶然にも和田と中山が同じタイルをセレクト

 ひと月後……。
 風呂の施工はかなり進んでいた。すでにコンクリも打ち終わり、壁全面にアスファルトルーフィングが張り詰めてある。しかも新しいヤツだ。
阪口「へええ。けっこう進んだじゃないの」
水野「ルーフィング新しいのにしたんだね」
和田「結局足りなくて買い足したの!」
中山「ところでこのコンクリ、ずいぶん白くね?」
和田「これね! 前に近所の人からもらった目地モルタルが大量に余っていたから使っちゃった!」
中山「目地モルタルって目地以外に使っても大丈夫なのかな」
阪口「……知らない」

目地モルタルでキレイになった浴室。作業前に一応掃除する。

水野「で、今日の作業は?」
和田「タイル張ります! 水野さんも手伝って!」
 タイルはシートになっており、接着剤を塗って張り付けていくだけなので、作業は楽ちんだ。
中山「このタイル見たことあるなあ。うちのと同じかも」
水野「中山さんとこのお風呂もリフォームしたんだよね」
中山「そうそう。見て見てホラ!」
阪口「なんか……、似てね?」
水野「中山さんと和田さんってじつは相思相愛!?」
和田「2人ともネットで一番安いのを買った結果だと思う……」
 作業は順調に進んだかに見えたが、ついに恒例の失敗が。
和田「あれ? おかしい! タイル足りないかも!」
阪口「ちゃんと計算したのかよ」
和田「もちろん、したんだけどさ……。あ、わかった!」
 和田の説明によると、「タイル45角」という商品を買ったらしいのだが、これを商品名だけ見てシートの大きさが45㎝四方だと思い込んでいたのが原因だという。実際は45×45㎜の小さなタイルが36個で1シートになっており1辺は目地を入れて30㎝だったのだ。
中山「これはオレは気づいたぞ」
阪口「珍しいな」
中山「でもウチの場合、なぜか大量に余っちゃったんだよね!」
水野「なんでピッタリにならないのよ、アンタたちは!」
 というわけで壁の腰下と床のタイル張りは中途半端なまま、作業は腰上の板張りへ。和田が自慢げに壁板を運んできた。
和田「壁板用にヒノキの床材を買いました!」
 なんとドケチの和田にしては珍しくヒノキを用意したらしいのだ。しかし床材は重さに耐える必要があるので、普通の壁材よりも厚みがある。はっきり言って壁に使うのはモッタイナイ……。
和田「いいの! 風呂はヒノキにこだわりたかったの。でも、ヒノキの壁材が売ってなくてさ。で、床材買っちゃった」
 次回作業は、ヒノキの浴槽と給湯器(解体現場から拾ってきたゴミ)の取り付けである。果たして、お湯は出るのか……。

ネットで最安値を探して購入したタイル。シートに張ってあるので目地を気にする必要がないというスグレモノ。

最新式の「赤外線レベラー」で垂直を出す。分不相応な高級品である。

担当・水野も動員してタイルを張っていく。下地さえちゃんとできていれば超楽ちんな作業である。

奥多摩人力山荘の風呂小屋もこのようにタイル張りにリフォーム。どっちが美しい仕上がりなのか… … 。

ここまで張ってきて、ついに足りないことが判明。計算してみると大勘違いが。

ヒノキの床材を搬入。待望の浴室の完成写真は、今後のお楽しみ!

 

文/中山茂大 写真/阪口 克

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