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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

日本八景近くの海岸でサーフィンを楽しみ、ゲストハウスと食で土地の魅力を発信!【高知県室戸市】

掲載:2022年8月号

ユネスコ世界ジオパーク認定のダイナミックな自然を守り、空海が悟りを開いた聖地である室戸市。イルカやウミガメが生息する海は、良質な魚介類の宝庫としても名高い。趣味のサーフィンを楽しみ、ゲストハウス開業を計画していた男性にとって、まさに理想的な環境だった。

地元サーファーに愛される室戸の海岸にて河合さん。「サーフィンができる海に近いことが移住先の条件でした」。

高知県東南端の室戸市。太平洋にV字形に突き出た室戸岬を頂点として、東西に広がる海岸線の大部分が室戸阿南海岸国定公園に指定され、貴重な地形・地質からユネスコ世界ジオパークにも認定。高知龍馬空港から車で約1時間30分。

海のある生活にあこがれ、空海ゆかりの聖地へ

 日本八景の室戸岬や、空海が悟りを開いた地とされる御窟(みくろど)に近い東海岸で、2020年1月にゲストハウスを立ち上げたのが、サーフィン好きの河治(かわいえいじ)さん(49歳)。インテリアメーカーの技術者だったが、海のある暮らしを求めて19年9月に東京から移住した。

「私は徳島県出身、妻は高知県出身なので、四国のサーフィンができる場所で探すなか、大自然と歴史・文化と食が身近に揃う室戸市に強くひかれました」

 と、河合さん。物件を見つけると、東京時代の仲間のデザイナーに依頼し、海、空、森、岬をテーマに客室を整備。食事は東京から高知県に移住した料理研究家に、室戸の食材を使った健康によいレシピを考案してもらった。しかし、順調な船出の矢先、コロナ禍が直撃。呼び寄せる予定だった妻の京(きょう)さんは東京で仕事を続けることに。それでも河合さんは前向きだ。

「当面の対策としてカフェを始めたところ、地元の多くの方にご利用いただきました。ところがGoToトラベル事業で宿が忙しくなり、カフェは終了。するとまたコロナ蔓延で客足が激減。継続的にできる事業がないと厳しいと痛感し、思いついたのが加工食品です」

 好評を得たパウンドケーキに続き、第2弾は地元特産のキンメダイのオイル煮(コンフィ)を発売。さらに地元向け事業としてテイクアウト専門のランチを開始した。精力的に取り組む一方、肝心のサーフィンは?

「仕事と海のコンディションとの兼ね合いで、タイミングが合ったときだけ行くという感じ。納得できる仕事をやりながらなのでストレスはありません」

 まずは加工食品の開発や販路拡大に努め、事業経営の荒波を乗り切ることに全力を注ぐ。

ゆったりした敷地の「スカイ アンド シー・ムロト」。1泊1人4400円(3人1室の場合)~。夕・朝食付きはプラス4950円(要予約)。https://skyandsea.jp/

大広間の共有ラウンジ「空海(くうかい)の間」。御厨人窟周辺の海の風景写真を欄間に飾り、襖に空海の書をあしらった。

青海波(せいがいは)柄の襖でコーディネートした「海の間」はシンプルモダンな和室。

宿泊者専用の星テラス。室戸の美しい星空観賞はもちろん、日中も自然の音を聞きながらハンモックなどでくつろげる。

明治時代の蔵を活用した蔵ラウンジは、ドリンク飲み放題の宿泊プランでの利用となる。

Before
庭の緑が望める洋室。以前はレトロモダンな雰囲気だった。

After
室戸岬の深く青い海と広い空をイメージした「岬の間」としてリノベーション。

日曜限定でテイクアウトのランチプレートを開始し、現在は月曜に市役所での出張販売も。写真のロコモコ(1000円)は室戸シイタケ入りグレービーソースがポイント。

「室戸金目鯛のこだわりコンフィ」1480円や各種パウンドケーキは、道の駅「キラメッセ室戸」、室戸市のふるさと納税、公式オンラインショップなどで扱っている。

妻の京さんと庭でツーショット。京さんは大型連休などに訪れて手伝いをしているそう。

河合さんの海の楽しみ

サーフィンや散策に理想的

 仕事の合間に波の様子を見ながらサーフィンへ出かける河合さんだが、それ以外にも海の恩恵を感じることは多いそう。

「海岸へ気軽に出られるので気分転換に行くことも。美しい海を眺めているとよいアイデアが浮かびますから。特に室戸岬の突端まで行くと太古からの壮大な地形が見られ、小さなことで悩んでいるのがアホらしくなります(笑)」。

よく利用している市内のサーフスポットは、室戸の海岸など2カ所。

学生時代からサーフィンが趣味の河合さん。海好きが高じて移住につながった。

食材の買い出しでいつも利用する「浦戸屋」は地元で評判の鮮魚店。鮮度や質のよさはもちろん、種類も豊富に揃う。

 

文・写真/笹木博幸

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