明治26年建築の古民家と聞けば、ボロボロと考えて当たり前。ところが、栗原市で見学した古民家は使用可能な水洗トイレも台所も風呂もあり、玄関に車イスが上れるスロープまで設けられていた。利用のアイデアが湧いてきそうな物件だ。
掲載:2022年10月号
2022年8月上旬の情報です。
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きれいな水回りが魅力。不要な家財も処分済み!
古民家に別棟が付いた350万円の物件は、栗原市の中心・築館(つきだて)地区から栗駒山方面へ向かって車で約20分の集落にあった。
「栗原市でも古民家は少なくなっているので、この物件は貴重です。埼玉にいる持ち主の方もたまに戻られ、空気の入れ替えなどは万全。別棟の2階から階段で下りて入室できる古民家は、とても明治時代の建物とは思えないほど傷みが少ないんですよ。その時代、時代にちょこちょこ直しながら住み継いできたからでしょうね」と栗原市定住戦略室の小関さんは話す。
筆者は30年以上も全国各地で古民家物件を見続けてきたが、物件データで確認しなければ築130年の建物とは思わなかっただろう。その最大の理由は、水回りの状態だ。どんな古民家でも台所や風呂などは傷んでいるのが普通だが、この家はきれいに改装されている。西側に昔のままの古い汲み取り便所もあるのだが、それとは別に温水洗浄便座付きの水洗トイレが設けられているのだ。農村部でありながら上下水道完備というのにも驚いた。奥の和室の畳下には茶道を嗜んだ形跡もある。
玄関には車イスで入室できるよう、スロープも設置されていた。改造すればそば屋などの飲食店、カフェ、農家民宿にもなりそうな古民家だが、車イスの人でも利用できる施設にするのがいいのではなかろうか。
もう1つ特徴的なのは、古い家財がほとんどないこと。案内してくれたのは隣家の高橋さんだが、「取材の人が来るというからシルバー人材センターに頼んで家財処分と草刈りをやってもらったんだ」と明かしてくれた。こんな親切なご近所がいるなら、移住後の生活も安心。なお、すぐ住める3LDKの別棟が付いているのも魅力で、1階と2階に水洗トイレがある二世帯住宅に近い造りになっている。
【物件データ】
宮城県栗原市
350万円
土地: 375坪・1242㎡
延床 :94坪・311㎡
取得費補助:最大60万円
改修費補助:最大40万円
明治26年建築の古民家。2階でつながる別棟あり
●10LDK●宅地、畑●平坦地●都市計画区域外●130年と34年●水洗●東北新幹線くりこま高原駅より17.4km■栗原市鶯沢地区の農村部にある古民家。15畳の居間に8寸角の大黒柱や囲炉裏を改造した掘りゴタツが見える。北側に傷みはあるが、台所・風呂など水回りの状態はいい。玄関に車イスで入れるスロープあり。2階でつながっている別棟は内外装ともにきれいで、補修不要だろう。
●問い合わせ:栗原市定住戦略室 ☎︎0228-22-1125
https://www.kuriharacity.jp/li/030/200/040/
【補修が必要なところ】
この古民家は台所・浴室・水洗トイレの状態が良好で、明治時代の古民家とは思えないほど。ただ、北側の部屋はあちこち傷んでおり、障子、壁、襖なども改装したほうがいい。利用目的ややり方にもよるが、最低300万円くらいの補修費はかかると思われる。家財は処分してあり、その手間はほとんどない。
栗原市移住支援情報
手厚い子育て支援にビックリ! YouTubeで市の魅力も発信中
住まいや仕事、暮らしなど各種支援が充実している栗原市では、「子育て環境」の市民満足度が70%を超えるという。出産や入学時に祝金を支給する「すこやか子育て支援金」、育児用品の支給券交付、18歳までの医療費無料化などを整備し、子育てに優しいまち・栗原を実現している。市の公式YouTubeでは「くりはら暮らしのここがいいとこ!」として、移住者インタビューも公開中だ。
問い合わせ:栗原市企画課定住戦略室 ☎︎0228-22-1125
「きてみらいん くらしたい栗原」https://www.kuriharacity.jp/welcome/
文・写真/山本一典
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